中学受験を始める前に知っておきたい! 想像以上に大変な3つのこと
「中学受験は大変そう」となんとなく思ってはいるけれど、いったい何をどこまで覚悟すればいいの? 未経験だとなかなかイメージできませんよね。子供の学級崩壊を経験し、知識ゼロからの中学受験に挑んだ木村美鈴さんが、「もうイヤ!」と叫びたくなるほど大変なのはどこかについて、中学受験の現場から3つ、語っていただきました。
中学受験で想像以上に大変だったこと
覚悟して臨んだ、中学受験。しかし思っていた以上に大変なことがありました。それは、次の3つです。
・スケジュール管理
・情報収集
・メンタルの維持
スケジュール管理
わが子はスケジュール管理がうまくできなかったため、生活面から学習面まで私が管理し、勉強時間を確保できるようになんとか調整していました。
しかし、子供がだらだらして、思ったより勉強に時間がかかってしまうこともしばしば……。
中学受験生は、1日7時間以上を学校で過ごし、塾では4時間ほど過ごすこともあります。そのため、自宅で過ごすわずかな時間で予習や復習、宿題をする必要があるのです。
けれど、実際には、子供の疲れもあり、スケジュール通りに勉強が進まないことは常に悩みのタネでした。
さらに大変だったのは、小学校の行事・委員会とのバランスです。
高学年になると、学校行事の準備などで、学校で過ごす時間が増えます。勉強のスケジュールを組んでも、学校へ行く日の朝になって「今日、委員会で帰りが遅くなるから!」と急に伝えられることも。
子供のモチベーション、そして小学校の行事・イベントとの兼ね合い。中学受験では子供のスケジュール管理が想像以上に大変だったことを覚えています。
情報収集のための時間が必要
中学受験の情報集めにも苦労しました。もちろん子供は勉強で忙しいですが、それにも増して、親が情報収集に費やす必要のある時間の多さも痛感しましたね。
受験が始まると、これまでの生活にプラスして情報収集の時間が必要になります。自宅から通える範囲にどんな学校があるかなど、それこそ毎日といっても良いほど受験情報にあたっていました。
情報収集以外にも、休日は塾以外でおこなわれるテストの送り迎え、学校見学などで一日が終わることも……。とにかく時間が足りず、私自身、家で意識的にゆっくり休む時間をつくらないと疲れが溜まってしまう一方でした。
親自身のメンタルの維持
私自身のメンタルの維持も大変でした。経験上、気持ちがブレてしまったのは次のようなときです。
・勉強しない子供にムカムカ
・イライラした子供が親に当たってくる
・テスト結果に一喜一憂
私自身、子供の生活、そして勉強の環境が整うように精一杯サポートしてきたつもりです。でも、子供は一向に勉強してくれない……。「親の自分が落ち着かないと」とわかっていても、どうしてもイライラしてしまうことがありました。
そして子供は、イヤなことがあると親に当たってくるものです。そういうときは「いちいち影響を受けてはダメだ」と自分に言い聞かせていましたが、子供から「ママうるさい!」といった言葉を言われると、落ち込んでしまう日もありました。
さらに、テストの結果にも心が揺れ動きましたね。もちろん、点数を気にし過ぎるのは良くないとわかっていましたが、子供の成績が下がったときはどうしても心にグサっときます。「次のテストに向けて対策を打たなきゃ」と気持ちをなんとか前に進めようとしても、ショックを引きずってしまうこともありました。
ちなみに、成績が上がったら上がったで、子供が慢心して勉強をサボってしまう、といったジレンマを感じたことも。マンガばかり読むわが子を見ながら、「親の私だけ空回りしてるのかな……」と考えたことも一度や二度ではありません。
中学受験したからこそ感じたわが子の成長も
中学受験で大変だったことをお伝えしてきましたが、一方で受験に挑戦したからこそ子供の成長を感じられたのもたしかです。
■中学受験で感じた子供の成長
・スケジュールを管理できるようになった
・失敗から学び、自分から改善するようになった
・会話の内容が大人びてきた
わが子は4年生の頃、予定通りに勉強が進んでいるか私がチェックしないと、よくサボろうとしていました。しかし、6年生になると、自分で優先順位をつけて勉強を進め、長期的な見通しも立てられるように。小学校の委員会の居残り時間や、模試の日程を考えたうえで、学習スピードを調整する姿も見られるようになりました。
問題演習のミスを自分で振り返り、改善するようになったのも成長かなと思います。今では、勉強に関して私の出番はほとんどなくなりました。
ニュースで時事問題に触れ、親子で意見を言い合えるようになったのも嬉しいですね。大人顔負けの意見を言うこともあり、子供が大きく成長していることに驚かされる毎日です。
苦しさ以上に、喜びも多い中学受験
中学受験は、思っていた数倍大変なものでした。同じく受験生の子をもつ友人と、「親のほうが受験をやめたくなってきた……」と話すことも少なくありません。
いっぽうで、子供に付きっきりでサポートしているからこそ、スケジュール管理ができるようになってきたり、会話の内容が大人びてきたり、といった子供の成長を感じる瞬間が増えるのも事実。
この嬉しい瞬間があるからこそ、私はここまで受験のサポートを続けてこられたと思っています。