#古坂大魔王のモヤズバッ! Vol.10 ライバル心が強くてケンカばかりのきょうだい、平等に接するにはどうしたらいい?
お笑い芸人や音楽プロデュース、テレビ番組のMCなど、多忙な毎日を送りながら、2児のパパとして育児に奮闘する様子をSNSで積極的に発信している古坂大魔王さん。同じように育児や夫婦関係のことで悩んでいるパパ・ママのお悩みに、ズバッと切り込みます。
今回のお悩み
ひまちゃんさん(37歳/医療・福祉/専門職)
第一子は小学生、第二子は幼稚園生です。2人はライバル心が強くて、片方を褒めれば「○○ばっかり褒められてズルい!」とケンカが始まります。平等に接するよう心がけていますが、寂しさを感じているのかなと思うことも。古坂さんは、お子さんたち2人にどのように関わっていますか?
古坂さんの回答
1週間タームでの公平を目指そう
これは難しいですよね! 子どもの年齢が違うと、たとえば上の子のほうが明確にやりたいことがあったり、口も立つから意見は通りやすかったりするけど、教えないといけないことも増えるので叱られることは多くなりがちです。一方、下の子は幼いからと大目に見てもらいやすいけれど、まだ交渉が上手でなかったり、上の子に言い負かされたりして意見が通りにくかったりもします。
すると親のほうとしては、子どもたちにできるだけ同じように接しているつもりでも、上の子は「親は下の子にばかり甘い」と感じたり、下の子は「親はいつも上の子の意見ばかり聞く」なんて思ったりして。昔から、よく聞く話でもありますよね。
じゃあ、それぞれの子どものしたいことに付き合い、食べたいものを食べさせ、要望を叶えて……とできたらいいんですが、親だって人間ですから全部は無理です。親のほうが倒れちゃいます。そして、要望を全て叶えるのは教育上もよくなさそうです。だから毎日、すべてを平等にする必要はないんじゃないでしょうか。
平等っていうのは「同じ」ということ。でも年齢に応じた対応は必要だし、それぞれの子が別の場所に行きたいときにいっぺんには行けない。じゃあ、どうしたらいいかというと、僕は「公平」にしたらいいんじゃないかなと思います。しかも、その日だけでは無理だから、1~2週間のタームで、なるべく公平にしたらいいんじゃないでしょうか。
子どもにも言葉できちんと説明する
具体的にはどうすればいいかというと、公平になるように子どもに簡単な言葉できちんと説明したり、相談したりするんです。「いっぺんに両方へ行くのは無理だから、今日は上の子ちゃんのしたいことをしていいかな? その代わり、次は下の子ちゃんのしたいことをしよう。順番ね」って。
子どもが幼いと最初は通じないかもしれませんが、話しているうちにわかるようになるので、ぜひ言葉で伝えてみてください。うちの子も最初こそ半分くらいしか理解できていませんでしたが、今では十分に理解できるようになり、話し合えています。
同時に抱っこをせがまれたら「腰がすごく痛いから、今日は1人だけ。この間、我慢していた下の子ちゃんね」といったふうに親の状況を正直に話すのもいいと思います。忙しいとか、体調が悪いとか言うのはネガティブに感じるかもしれませんが、親だって生身の人間であることを知るのは悪いことじゃないはずです。
それともうひとつおすすめなのが、どちらにも大好きだと言いまくること。あとは夫婦でひとりずつ担当してもいいかもしれませんね。うちは上の子はママ、下の子はパパである僕が担当しています。だから、あまりママの取り合いにならないのかもしれません。
親を独占できるスペシャル・デーを
さらには、それぞれの子どもが親を独占できる時間を作るのもおすすめ。ひとりを祖父母や一時保育などに預け、もうひとりだけとお出かけして特別な日(時間)を過ごすんです。年にたった1回~数回くらいだったとしても、短時間だったとしても、親を独り占めできる時間があれば満足感が得られるし、いい思い出にもなるんじゃないでしょうか。
うちも少し前に、夫婦で上の子だけを連れてファミレスにお出かけしました。そしたら、上の子はもう大喜び。いつもは下の子がいるので慌ただしいのですが、その日はゆっくりできたし、僕も妻も上の子だけを見ているわけです。「私がちっちゃいときは、ず~っとこうだったんだよね!」ってニコニコ顔で言っていました。
子どもが複数人いると、特に上の子は寂しく思うことがあるかもしれません。きょうだいの人数が増えれば増えるほど、そうですよね。だけど、上の子には親を独占していた時期があります。それを思い出させてあげるのもいいんじゃないでしょうか。あとは寂しい気持ちを知ることも大事で、そうでないときのほうが多ければ問題ないと思いますよ。
そして、ライバル心を持つのも悪いことじゃないかもしれません。うちの上の子はライバル心があるけど、まだ下の子にはないんです。上の子が嫉妬や独占欲を知ったのも、成長したから。それにきょうだいで競争しながら、人付き合いを学ぶという側面もあるんじゃないでしょうか。私たち親も完璧にはできないので「まあ、いいか!」の精神でやっていきましょう!
今回の結論!
古坂大魔王さんプロフィール
1973年7月17日生まれ。青森県出身。1992年にお笑い芸人「底ぬけAIR-LINE」でデビュー。現在は、芸人、DJ、音楽プロデューサーのほか、文部科学省・CCC大使、総務省・異能vation推進大使を務めるなど、マルチな才能を活かして活躍中。2児の父。NHK Eテレ『すくすく子育て』、日本テレビ『スッキリ!』をはじめ、多数のバラエティ・情報番組に出演中。プロデュースするピコ太郎の公式YouTubeチャンネル内に幼児向けコンテンツ「ピコスタキッズ」を開設した。
ピコ太郎のYouTubeチャンネル『-PIKOTARO OFFICIAL CHANNEL-"PIKO ST KIDS"』
Twitter @kosaka_daimaou
(取材・文:大西まお、撮影:天田輔[インタビュー]、佐藤登志雄[タイトル・結論]、編集:マイナビ子育て編集部)