くみこクリニック北山院 向田公美子先生｜子どものアレルギーから大人の美容医療まで対応

北山院はアレルギークリニックが前身で、向田先生が小児科やアレルギー科の診療も行っています。クリニックには、子どものアレルギーで悩まれる親御さんや、美容施術を受ける女性が多く訪れています。

当クリニックの小児科の特徴としては、食物アレルギーを専門的に診療しています。これまで食物アレルギーの治療は、原因である食物を取らない除去食が基本でした。アレルゲンは卵・牛乳・小麦が多いですが、さまざまな加工食品に使われているため、食の選択肢を狭めることになります。近年は、食べさせる治療に移り代わっており、食物負荷試験で安全に食べられる量の確認をしたり、ご家庭や学校で誤食のないように指導をしたりしています。

クリニックの周辺地域は子どもへの食事にも困る家庭は少ないですが、診療中にアレルギーの子どもを持つ親御さん達から「気軽に外食できない」「通販のアレルギー対応食はコストが高い」などのお悩みを聞くことがあります。クリニックとしても、食物アレルギーのお子さんを持つ親御さんの負担を軽くし、同じ悩みを持つ親御さんの交流の場が広がればと思い始めました。コロナ禍によりお弁当配りや宅配になっていますが、定期的に開催しています。

北山院・四条烏丸院・京都駅前院では、美容皮膚科の診療も行っています。各院には保育士資格を持つスタッフがいるので、施術中に小さい子どものお預かりにも対応しています（有料）。子どものいるお母さんであっても、女性として綺麗でいたい気持ちは同じですし、美容施術を受けて心が明るくなる方も多いです。アトピーで他院に施術を断られた方も対応しておりますので、ぜひご相談いただければと思います。

親子は体質が似ていたり、一緒に生活を送ったりするので、同じ症状や病気にかかっていることも多くあります。小児科のある北山院は、必要に応じて親御さんも診療を受けられます。

子どもだけでなくご家族の皆さんの健康サポートにも取り組んでいます。子どもだけでなく親御さんも同じ症状や病気のケースもよくあるためです。先日も、血液検査によりお子さんを貧血と診断しましたが、念のためにお母さまも検査したところ、同様に貧血で、親子で一緒に治療を開始しました。地域に根差すクリニックとして、家族単位の健康の手助けをしたいですね。

子育て世代の親御さんはさまざまな悩みを抱えています。私自身も妻であり、母でもあるので、親御さんの悩む気持ちを十分理解しているつもりです。私を信頼して下さっている患者さんのなかには、病気以外にも、人間関係の悩みや子どもの学校での悩みなどを打ち明けられる方もいらっしゃいます。患者さんやご家族には、医師としてだけではなく、1対1の人間として患者さんやご家族と向き合いたいですね。

食物アレルギーのある子どもの患者さんが、毎月通院して食べられるようになったことです。経口免疫療法といいますが、原因の食品を少しずつ食べさせ、体に慣らすため、医師も家族も根気がいる治療なので、大きい病院では除去食を勧めることも多いです。
子どもに原因食品を食べさせれば、自宅でアレルギー症状を起こすリスクもあります。より安全に治療を続けていくために、子どもやご家族の食事内容から生活パターンまで細かく聞いて、指導に当たっています。治療に取り組んで、5～6年経って食べられるようになると、すごく感謝されますね。

子どもの食物アレルギーやアトピーは親御さんも悩みやすく、多くの情報を探している人も多いでしょう。偏った知識により、食物アレルギーの子に対して過度な除去をしたり、アトピーにある子に関しても自己判断でステロイドを使わなかったりといった例もみられます。子どもが幸せに暮らせるように、親御さんが治療に導いてほしいですね。

インターネットの情報は玉石混交なので、正しい情報もあれば、誤った情報もあります。親御さんにとって、正誤を判断するのは難しいでしょう。医師によっても、食物アレルギーやアトピーの治療が異なることがありますが、独断の脱ステロイドのように、特定の情報にこだわってしまうと、治癒期間が長引き、時間やお金を無駄にしてしまうことになります。医師の診断に疑問がある場合は、セカンドオピニオンのように、複数の専門家の意見を聞いてみることも大切です。

（取材・文：株式会社メディコレ）