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2024年12月03日 16:00 更新

家では生意気なのに、幼稚園ではいじめられっ子の長女。家族にストレスをぶつけないで!<子育て心理カウンセリングルーム>

子育て中のママ・パパの悩みを臨床心理士・公認心理師に相談する『子育て心理カウンセリングルーム』。今回は、子どもの性格についてのお悩みです。「一つ年下の弟に対する長女の態度に悩んでいる」というその訳は……。

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外で嫌なことがあったストレスを、1歳下の弟にぶつける長女。どうすれば…?

長女(5歳)の友達関係で悩んでいます。長女は家では生意気な性格で、1歳下の弟とよく喧嘩もします。しかし幼稚園や幼児教室などではすごく良い子で、むしろいじめられて嫌なことを言われたり、物を取られたりして帰ってきます。
外でそういうことをされるからか、家では横暴になってストレス発散しているように感じられます。どのようなことに注意して、これから接していけば良いのでしょうか。
(35歳・女性・専業主婦)

■相談者の家族構成:自分35歳、夫34歳、長女5歳、長男4歳
■お困り度:★★★★★★★★★★

※写真はイメージです

娘さんがお友達とのことで辛い体験をして、ストレスをためてしまっている様子が心配なのですね。

家でストレスを発散しているように見えるということは、イライラしたり、泣いてしまったりすることが多いと感じられるのでしょうか。

おそらく、相談者さんの想像は合っているでしょう。一日、家の外の世界で過ごすといろいろなことがあります。大人でも同じですね。安心できる場所に帰ってきて、ほっとすると、「はぁ、疲れた」、とあらためて感じたり、我慢するしかなかった気持ちがムクムクと沸き起こってきてしまうこともあるでしょう。

■まずは「今日も頑張ったね」という気持ちで言葉をかけて
まずは、お夕飯の後や寝かしつけるときなどに、今日も頑張ったね、という気持ちを込めてその日の出来事に合った言葉をかけて、ぎゅっと抱きしめたり頭や肩などを撫でたりしてあげてください。

お友達から嫌なことを言われたりされたりしたことがわかっているのなら、「辛かったね」「びっくりしちゃったね」などと気持ちを言葉にしてあげると良いでしょう。

それから、一方的に物を取られたことに対しては、「返してほしかったんじゃない?」と確認した上で、「返してほしいと言ってもいいんだよ」とそっと教えてあげましょう。

繊細で優しい性格のお子さんは、自分が攻撃的になることが苦手です。また、成長が進んでいて大人びている場合も我慢しようとすることがあります。どうして言い返さなかったのか、本人なりの理由がありますので、アドバイスをしたり注意したりする前に優しく質問してみてください。

そしてお子さんなりの理由を話してくれたら、そうだったんだね、と受け止めてあげてください。いろいろな性格のお子さんがいますが、100%悪い子、100%良い子ということはありません。みんなが毎日の体験の中で様々な感情やコミュニケーションについて学んでいるのですから、心配しすぎずに丁寧に寄り添ってあげてほしいと思います。

そんな態度がお子さんの心を落ち着けることにつながるでしょう。

■弟さんの前でお姉ちゃんの日頃の頑張りをほめてみる
弟さんとの喧嘩もご心配だとは思いますが、1歳だけしか違わないと、お姉ちゃんらしさを発揮するのは少し難しいかもしれません。お姉ちゃんなんだからと言われても納得できないこともあるでしょう。

また、下のお子さんがお生まれになった後に、ちゃんとヤキモチを態度で示していましたか。上のお子さんの多くが強い嫉妬心を示し、赤ちゃん返りをします。そのときに様々な事情で丁寧に接してあげられていなかった場合は、特に弟さんとの喧嘩は激しくなる可能性があります。

弟さんの前でお姉ちゃんの日頃の頑張りをほめたり、頑張っていることを話題にすることで、自然と自意識が成長していくこともありますので、試してみてください。

外の世界で頑張っている分、おうちで発散するのは自然なことですし、ご家庭が安心できる場所だという証拠です。体の疲れは眠って取ることができますが、心の疲れや辛い気持ちはそうはいきません。親御さんの愛情というふかふかのお布団で包んであげてくださいね。

(文:臨床心理士 大岡 みほ/うららか相談室)

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