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2024年03月19日 07:01 更新

先輩パパ・ママが感じた「リアル小1の壁」。「学童も嫌だと言って…」「入学直後は短縮授業」「天候による急な休校」「仕事を退職」

「小1の壁」は、子どもが小学校に上がる際、働く親の前に立ちはだかる大きな壁です。保育園・幼稚園時代と比べて、仕事・家事・育児の両立が難しくなる状態や、子ども自身が抱える問題やつまずきを「壁」と表現しています。今回は、実際に「小1の壁」を感じた困りごとエピソードをまとめました。まずは一読して、心の準備を!

小1の壁

あなたは、第一子が小学校に上がるときに、「小1の壁」で悩みましたか?

あなたは、第一子が小学校に上がるときに、「小1の壁」で悩みましたか?

第一子の小学校入学時、そびえたつ「小1の壁」に悩んだという人は約26%、悩むほどではなかったけれど、壁を感じたという人は約39%でした。約35%の人は、小1の壁で悩むことはなかったと答えています。

具体的な回答を見ていくと、放課後の居場所、働き方、毎日の宿題のチェックなど、その種類は多岐に渡るようです。「小1の壁」でどういうことが起きるのか、事前にチェックして備えておきましょう。

子どもひとりで大丈夫?

子どもひとりで大丈夫?

●共働きで、子どもが出ていくときと帰ってくるときは家にいないので、子どもがちゃんと家についているかが心配でした。(男性/33歳/機械・精密機器/技術職)

●妻も働いてるので、家の鍵を持たせるかどうかでちょっと悩みました。子どもひとりで家の鍵を開けさせるって、リスキーな気がしたので。(男性/51歳/情報・IT/技術職)

●子どもの下校時間より、私の帰宅時間のほうが遅かったので、自宅の鍵を子ども用に作り、キッズ携帯も持たせました。(女性/38歳/小売店/営業職)

保護者が送り迎えをしていた保育園・幼稚園とは異なり、小学校に上がると登下校は基本子どもだけです。

小学校の始業時間は8時から8時半に設定されていることが多く、ご家庭によっては保護者のほうが先に家を出るケースもあるでしょう。放課後の預け先がなくひとりっ子や長子の場合は、ひとりで家に帰ることになります。

また、1年生の場合、入学直後は午前授業になる小学校が多いうえに、5時間授業が始まっても14時半~15時くらいに学校が終わります。親がどちらとも正社員の場合、この時間に帰宅できる人は少ないのではないでしょうか。

子どもがいわゆる「鍵っ子」になる場合は、防犯面が心配です。子どもの登下校・帰宅を見守り、親のスマホに通知してくれるセキュリティサービスを検討してみては。

放課後の預け先……どうしよう?

放課後の預け先……どうしよう?

●下校時間が私の退勤時間より早くなるので、児童クラブや学童などどこに入れるべきか調べたりするのが大変だった。(女性/30歳/学校・教育関連/事務系専門職)

●子どもの帰宅が早くなるので、親が帰ってくるまでひとりにはしておけないので、どうしようか悩んだ。(女性/39歳/ホテル・旅行・アミューズメント/秘書・アシスタント職)

●幼稚園の延長保育を使えていた時期と比べると小学校は拘束時間が短く、預け先の確保に困ったり留守番を嫌がられたりして困ったので、学校に行っている時間帯だけのパートを探した。(女性/38歳/小売店/販売職・サービス系)

子どもをひとりにするのが心配な場合は、放課後の預け先を確保する必要があります。

多くの保護者が利用しているのは、学童保育です。学童保育には、自治体が運営する公立学童と、民間が運営する民間学童があります。民間学童は、企業や団体が運営している施設、保護者が協働して立ち上げた施設など、その種類は多様です。

2012年の児童福祉法改正(2015年4月施行)により、学童は1年生から6年生まで利用できますが、施設によっては「小学校3年生まで」という条件や定員もあります。また、入ったとしても子ども自身が行きたがらないことも。学校から習い事の教室や塾に直接行かせている保護者もいます。

小学校になじめない!

小学校になじめない!

●はじめ、仲のいい友達がクラスにいなかったので学校が楽しくない、保育園のほうがよかったと。朝寂しいから学校まで送ってほしいと言われ、下の子の保育園の送りもあったので2ヶ所送迎が大変だった。学童も嫌だと言っていた。(女性/36歳/商社・卸/事務系専門職)

●学童には入ることができて安心していたが、小学校に最初なじめず行きたくないと言って学童どころではなかった。(女性/41歳/情報・IT/デザイナー)

●学校に行くのが嫌な娘と、仕事に遅刻しそうで焦る自分との戦いでした。毎日、学校へ送っていき、なかなか離れてくれない娘を先生に渡すまでがひと苦労。おかげで私は毎日遅刻ギリギリでした。(女性/30歳/生保・損保/営業職)

小学校の雰囲気は、幼稚園や保育園とは違います。もちろん、先生は優しく指導してくれますが、ときには優しく抱きしめてくれたり、膝に乗せてくれたりした幼稚園、保育園の先生に比べ、はじめは厳しく感じることが多いでしょう。

クラスの人数も増え、時間割通りに動くことが求められるなど、学校の生活になじめない子も出てきます。はじめのうちは、子どもも大なり小なりストレスを感じる生活が続くことを覚悟しましょう。保護者も余裕を持った対応ができるよう、心構えが必要です。

宿題チェックに戸惑い

宿題チェックに戸惑い

●宿題のチェックをするのが大変でした。ほかにも毎日配布されているプリントを出すように声をかけないと、いつのまにか提出期限が過ぎたこともありました。(女性/35歳/不動産/営業職)

●学習習慣がつくまでの宿題の確認がしんどく、新しいことを習ってきたときに、理解ができていないことが多かったので、時間がかかりしんどかった。(男性/48歳/医療・福祉/専門職)

●子どもが小学生に上がったころは仕事を早めに切り上げ、できるだけ早く帰るようにしていました。うちの場合小1の壁は子ども本人が学校生活に慣れることが大変だったことで、学校でどのようなことをするか、宿題はどうするか、家に帰ったら学校でもらった配布物を出し、ナフキンをかえ、えんぴつを削り、宿題をして、明日の持ち物を揃えるといった一連の動きを時間がかかっても本人ができるように教えることに相当な時間がかかりました。(女性/47歳/不動産/事務系専門職)

保育園や幼稚園にはなく、学校にあるものと言えば、宿題。1年生のうちは音読やプリントなど簡単なものですが、「宿題をすること」を日々のルーティンに組み込むまでは大変です。ごはんを食べてお風呂に入って寝るだけでOKだった未就学時代に比べ、やることが増えます。

「明日の準備を自分でする」ことも大事なタスクです。幼稚園・保育園を卒園したときは、ずいぶん成長したように感じていても、小学校では最年少。はじめのうちは保護者が一つひとつ確認してあげなくてはならないので、負担感が大きいことも壁を感じる原因のひとつのようです。

イレギュラーが増える

イレギュラーが増える

●保育園では本人の体調だけで休みが決まるので仕方ないかぁと思っていたが、小学校になると大雨警報や学級閉鎖などで学校が急に休みになることがあり、戸惑った。(女性/40歳/スポーツインストラクター/ヨガ講師)

●入学してGWぐらいまでは短縮授業で早く帰ってくるので仕事ができなかった。(女性/39歳/小売店/作業職)

●入学から半月は、下校につき添いが必要だった。(女性/41歳/ホテル・旅行・アミューズメント/事務系専門職)

核家族、共働き家庭、シングル家庭が増えている昨今ですが、家庭の状況とは関係なく、天候による休校、感染症の増加による学級閉鎖など、学校では必要に応じてさまざまな措置がとられます。台風や大雪が予想されるため登校時間が遅くなったり、下校時間が早まったりと、自宅から遠い場所で働いている保護者にとっては大変困った状況におちいることもあります。

また、下校のつき添いや短縮授業など、1年生ならではの問題については、学校側は当たり前のことと認識していて事前通達が遅いケースも。事前の情報収集は必須です。

働き方の見直しも……

働き方の見直しも……

●フルタイム勤務の仕事だと帰宅が遅くなり、児童館の閉館時間に間に合わない可能性があるため、自分(妻)の仕事を退職するしかなかったことが辛かったです。(女性/40歳/通信/事務系専門職)

●幼稚園では条件等なく希望の日に預かり保育をお願いできたが、小学校での学童保育は自分の就業時間ではその基準を満たせずに、仕事を辞めることになった。(女性/47歳/情報・IT/事務職)

●時短勤務をすることに抵抗があったが、すでに時短を利用してきた先輩から、制度があるんだから利用するだけと言われ、気持ちが楽になった。(女性/37歳/マスコミ・広告/事務系専門職)

保護者のなかには、小1の壁を前にして働き方を見直した人もいます。時短勤務に変えたという変化に留まらず、仕事を辞めざるを得なかった人も……。パートナーとしっかり対策を相談することをオススメします。

まとめ

「小1の壁」は、おもに保護者側の悩みを表す言葉のほかに、当事者である子ども自身が感じるつまずきや悩みも含まれます。保育園・幼稚園時代とは違い、子どもに求められる行動の水準も上がるため、気づかぬうちにプレッシャーを感じている子も少なくないでしょう。

そう考えると、小1の壁は、親も子も一緒に乗り越えていくべき課題だと言えそうです。対策を考えるための情報収集も大切です。夫婦で分担することはもちろん、祖父母を召喚する、多少高くても一時的に民間学童やシッターを利用するなど、対抗策を練って乗り越えていきましょう!

マイナビ子育て調べ
調査日時:2024年1月24日~27日
調査人数:171人(20代~40代までのパパ・ママ)

(マイナビ子育て編集部)

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