【上の子かわいくない症候群】上の子がかわいく思えない……親として失格ですか?|子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉#5
下の子が生まれると、これまで以上に子育てが忙しくなりますよね。下の子のお世話が大変な中、上の子も抱っこをせがんだり赤ちゃん返りをしたりとママはとっても大変です。気持ちや体力の余裕がなくなり、上の子にイライラしたり、かわいくないと思ってしまうことも……。
良かれと思って発した自分の声かけが、子どもに響いていないと感じたことはありませんか? 『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』(天野ひかり著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)では、親と子どもの視点の違いについてを4コマ漫画でわかりやすく解説されています。
第5回の今回は、第四章 子育ての不安が消える言葉より「上の子がかわいく思えない!これって親として失格ですか?」をお届けします。
上の子がかわいく思えない! これって親として失格ですか?
「上の子かわいくない症候群」という言葉もある
下の子のお世話が大変な中、上の子が反抗したり、下の子に対して意地悪したりして、嫌気が差す瞬間、ありませんか?
実はこれ、珍しいことではないのです。「上の子かわいくない症候群」という言葉もあるくらい、多くのお母さんお父さんが悩みます。NGマンガを見てみましょう。
赤ちゃん返りする上の子にイライラしてしまう気持ち、よくわかります。上の子なんだから大丈夫!という期待もあって、つい我慢させてしまいますね。
一般的に、きょうだい育てでは「上の子を優先させるべき」といわれています。でもそれがかえって、うまく優先できないお母さんお父さんを責めてしまいます。
「上の子を優先しなくちゃいけないのに、下の子に手がかかる」
「上の子を優先したら、下の子がかわいそうで、結局イライラしてしまう」
真面目なお母さんお父さんほど、落ち込んでしまう傾向があるように思います。また、この問題が悩ましいのは「上の子をかわいく思えないこと」をなかなか相談できないこと。
でもね。実は、ほとんどのお母さんお父さんが、同じことで悩んでいます。
赤ちゃんはちっちゃくてかわいくて、守ってあげたくなるように生まれてきます。
だから、下の子を大切にするのは人間の本能。それを邪魔する存在に思える上の子がかわいくなくなるのは、仕方のないこと。そう思えれば、自分を責める必要はなさそうです。
上の子を優先する育児って何?
ここで大事なのは、「上の子を優先する」をどう捉えるのか?ということ。
例えば、今回のマンガと同じことが起きたら、多くのお母さんお父さんが、弟を歩かせて、姉を抱っこしてあげること、と答えるのではないでしょうか。そしてこれが「上の子を優先する」の正解だと考えているようです。でもこれは間違い。 OKマンガを見てみましょう。
下の子には物理的に手がかかりますが、上の子には言葉が通じますよね。ですから上の子の気持ちを大切にしていることを、言葉と表情で伝える。これが「上の子を優先する」ことの本当の意味です。けっして下の子をほったらかしにすることではないのです。下の子が泣いたら、もちろん抱っこしてあやします。その際、上の子をほったらかすのではなく、
「お姉ちゃんも、赤ちゃんのときにこんなふうに泣いては抱っこしたなあ。今はこんなに大きくなって、一緒に弟が泣き止むお手伝いしてくれるなんて助かる」
というように、上の子の気持ちに寄り添った言葉をかけてください。上の子は「自分も大切にされているんだ」と実感できます。
そして「少しの間、我慢すること」「弟(妹)に譲ること」「お姉(兄)ちゃんとしての行動や振る舞い」「1人で遊ぶこと」「親に頼りにされる喜び」などを学んでさらに成長していけます。
するとイライラの元に思えた上のお子さんが、どんどん頼りになる存在になっていきます。
そしてかわいく思えなかった時期も、あっという間に卒業です。
上の子がかわいくない!と思ったらやる5ステップ
① まずは、先輩ママも通った道なのねと受け止める
② 上の子の成長を言葉にして伝える(上の子の小さかったときの写真や映像を見て、成長を実感するとより効果的)
③ 家事の負担やストレスを減らすことで、上の子に余裕をもって接する
④ 上の子を抱きしめる時間を作る(お風呂や寝る前などでもOK)
⑤ お母さんお父さんが一人になれる時間を作って、子育てから離れることも大事(夫婦で交代したり、一時保育などを利用する)
ぜひ試してみてくださいね。
上の子や自分を責めるより、上の子も自分もがんばっていると声に出して認めよう
(著:天野ひかり『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)