プロが教える「来客時の片づけ」「日々の片づけ」の考え方と仕組みづくり
来客があるとき、家の中をキレイに整えておきたい人も多いのではないでしょうか。しかし、都度掃除や片づけをするのは面倒……。もしそう感じているなら、普段の片づけやすさを優先した、出しっ放し収納をしながらも来客対応もできる仕組みを取り入れてみませんか?「ハレとケ」の片づけについてご紹介します。
こんにちは。名古屋在住、4人の子どもと暮らすライフオーガナイザー®︎中矢くみこです。
「使ったものを元に戻せば散らからない」とわかってはいるものの、「面倒……」「時間がない……」。そんなときは「普段は出しっぱなしオッケー!」でいい「ハレとケ」の考え方を片づけに取り入れてみませんか?
「ハレとケの片づけ」とは?
日本の暮らしには、日常と非日常を分けて考える「ハレとケ」という考え方があります。「ハレ(晴れ)」とは冠婚葬祭や年中行事などの非日常の特別な日のことを指し、「ケ(褻)」とは日常の普段の生活のことを指します。
片づけでも「来客時の片づけ」「日々の片づけ」を「ハレ」と「ケ」として分けることで、日々の片づけをグッと楽にすることができるのです。
ハレ(来客時)の片づけ
お客様をお迎えできる空間を演出するために、見せたくないものは隠して、見せたいものを出す。
ケ(日常)の片づけ
片づけやすさを最優先。いつも使うものは出しっぱなしでOK。
ポイントは、「ハレ」と「ケ」にするものを決めることと、それぞれでベストな片づけ方を決めておくことです。
生活感が出るものは隠せる場所を
生活感がでやすいドライヤーと歯ブラシは、我が家ではハレとケで片づけ方を変えています。
ドライヤーは子どもたちも使うので、普段はできるだけ簡単に戻せるように洗面台に出しっ放し。「無印良品」ファイルボックスにポイっと放り込むだけでOKな楽ちん収納です。
来客の際には、洗面台下の収納の中へ、ファイルボックスごと一時的に移動します。
特に専用のスペースというわけではなく、入れ込めるスペースを空けているだけ。一時的なものなので、このくらいの適当さで大丈夫なのです。
歯ブラシは、子どもたちがキッチンやリビングで歯を磨きたがるので、キッチンに収納しています。
色がカラフルなので目につきます。そこで、来客のときはグラスにひとまとめにして、向かい側の深さのある引き出しの隙間に移動させます。
どちらも、ハレのときには「一時的に隠す場所」をあらかじめ決めておくこと。これで、ハレとケの片づけがまわる仕組みが完成です。
オープン収納には隠せるスクリーンを
オープン収納の魅力は、一目でどこに何があるかわかり、出し入れがしやすいこと。その反面、どうしてもごちゃっと見えがちです。そこで、来客時はブラインドとロールスクリーンで隠せるようにしました。
洗面所にはロールスクリーンを。
ダイニングスペースは、ウッドブラインドで目隠しできるように。
壁の色に近い色を選べば、スクリーンが即席の壁となってインテリアになじみます。
植物にもハレとケの対応を
部屋に植物を取り入れたくても、置きたい場所と日当たりが合わない、お世話をするグッズを置く場所がなかったり、水道が遠いなど、うまくいかないこともあります。
そんなときも、ハレとケを意識すると解決することも。わが家は、普段はお世話のしやすい環境に置いて、来客時に移動するスタイルにしてから枯らしにくくなりました。
水を頻繁にあげる必要のあるものは、キッチンの近くに。日当たりが足りない場所に置いている植物は、窓際の家具の上に置いています。
キッチンの水道を使っているので、活力剤、液体肥料はキッチンに収納しています。
本当は、普段からインテリアとしても素敵に感じられる場所に置けるのがベストなのですが、日当たりやお世話のことを思うと、今の形が植物と私とのちょうどいい折り合いのつけかたです。
まとめ
常にスッキリと整った空間をキープするのが大変なとき、普段と来客時を分けて考えてみませんか? 家族みんなが片づけやすい方法を取り入れながらも、来客をお迎えできる空間にさっと変化させる「ハレとケ」の片づけで、がんばりすぎなくてもいい日常が手に入りますように。