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2024年07月21日 10:23 更新

18~24歳の半数以上がSNSなどで知らない人からチャットをもらった経験あり、グルーミングの実態とは?

SNSの広まりに伴うインターネット利用者の低年齢化を背景に、未成年者が性犯罪に巻き込まれるケースが増えてきています。優しい言葉をかけて子どもの信頼を得たあと、性的画像などを要求してくるケースも少なくありません。こうした手口はグルーミングと言われますが、その実態はどうなっているのでしょうか。

全国の15~24歳の男女1,735人が回答

アジアを中心に貧困の中で暮らす子どもたちへの支援活動を行う認定NPO法人チャイルド・ファンド・ジャパンは、全国の15~24歳の男女を対象に「若者を対象としたグルーミングに関する調査」を実施しました。昨今、SNSなど、オンライン空間におけるグルーミングの横行が問題となっています。実際に知らない人からインターネット上でメッセージを受け取ったという子どもや若者は、どのくらいいるのでしょうか? 調査結果からご紹介します。

グルーミングとは
もともとは「動物の毛づくろい」を意味しますが、性犯罪においては、性交やわいせつな行為を目的に子どもや若者を懐柔することを指します。信頼関係を築くことによって、性的虐待への抵抗感や疑念を低下させる意図があると考えられます。

※画像はイメージです
SNS

よく利用するSNS、「LINE」が約78%で最多

まず、若者たちがよく利用するSMSは何なのかを確認しておきましょう。

最もよく利用されているSNSは「LINE]で77.6%でした。「YouTube」も73%で7割を超えています。次に多いのは「Instagram」で52.9%、僅差で「X」が51.6%となっています。

全体的にどのSNSも女性の使用率が高い傾向にあり、特に「Instagram」は男性42.7%に比べ、女性60.6%と、18ポイント近い差が出ています。

また、年齢別では、「X」や「YouTube」で年齢の高い方が使用率も多い傾向がみられました。「15~17才」と「18~20才」の間の開きが大きくなっています。

よく利用するSNSは何ですか。
よく利用するSNSは何ですか。
―チャイルド・ファンド・ジャパン「若者を対象としたグルーミングに関する調査」より

知らない人からのチャット、「受け取ったことがある」3割以上

ここからは、実際にインターネット上で知らない人からチャットを受け取ったことがあるかを見ていきます。対象者全員に尋ねた結果、34.9%の若者は受け取った経験をもつことがわかりました。男女別では男性32.1%、女性36.9%と、やや女性の方が多くなっています。

また、年齢別でみると、男女ともに「18~20才」、「21~24才」で特に多く、いずれも半数以上の人が経験しています。

知らない人からチャットをもらったことはありますか。
知らない人からチャットをもらったことはありますか。
―チャイルド・ファンド・ジャパン「若者を対象としたグルーミングに関する調査」より

知らない人からのチャットは「高校生のとき」が最多

前問で「知らない人からチャットを受け取ったことがある」と回答した人に、それがいつ頃のことだったかを聞いたところ、最も多かったのが「高校生のとき(中学校卒業から18歳未満)」で53.9%でした。次いで「高校卒業以降(18歳以上)」が34.7%、「中学生のとき」が35.2%となっています。「小学校4~6年生のとき」と回答した人も13.4%で1割を超えました。

男女別でみると、男性は小学生・中学校のときに知らない人からチャットをもらった経験があると回答した人が全体よりもやや多い傾向でした。一方、女性では「高校生のとき」「高校卒業以降」の割合が全体と比べて多いことがわかりました。

知らない人からチャットをもらったのはいつ頃ですか。
知らない人からチャットをもらったのはいつ頃ですか。
―チャイルド・ファンド・ジャパン「若者を対象としたグルーミングに関する調査」より

知らない人からのチャットは「X」で受け取った人が最多

さらに、「知らない人からチャットを受け取ったことがある」と回答した人を対象に、それはどのSNSだったかを聞いたところ、「X」が最も多く52.6%、次いで「Instagram」45.5%。この2つが特に多いという結果でした。そのほか、「LINE」が22.6%、「TikTok」が10.6%などとなっています。

男女別で見ると、「Instagram」で男女の開きが大きく、男性は35.8%、女性は51.8%と16ポイントの違いがありました。

また、年齢別の特徴としては、「X」は男女とも「15~17才」が3割前後であるのに比べ、「18~20才」「21~24才」は6割以上となっており、大きな差が見られます。その反対に「LINE」は男女とも「15~17才」が最も多く、年齢が上がるごとに割合が減っていきます。

知らない人からチャットをもらったことがあるSNSは何ですか。
知らない人からチャットをもらったことがあるSNSは何ですか。
―チャイルド・ファンド・ジャパン「若者を対象としたグルーミングに関する調査」より

自分の裸や下着の写真などをアップロードしたことがある、2.8%

では、実際に自分の性的な写真や動画をアップロードした若者は、どのくらいいるのでしょうか。

全員を対象に、これまでに自分の裸や下着の写真・動画を知らない人に渡したことや、公開サイトにアップロードしたことがあるかを聞いたところ、「ある」と回答した人は全体の2.8%ごく少数でした。しかし、年齢が上がるほどアップロードをしたことがある人は増える傾向があり、とくに男性では「15~17才」が1.6%だったのに対し、「21~24才」では6.5%と約5ポイント増加しています。

自分の裸や下着の写真や動画を知らない人や公開サイトにアップロードしたことはありますか。
自分の裸や下着の写真や動画を知らない人や公開サイトにアップロードしたことはありますか。
―チャイルド・ファンド・ジャパン「若者を対象としたグルーミングに関する調査」より

自分の裸や下着の写真などをアップロードしたのは「高校生のとき」が最多

前問で「これまでに自分の裸や下着の写真・動画を知らない人や公開サイトにアップロードしたことがある」と回答した人を対象に、それがいつ頃だったかを聞いた結果は、「高校生のとき(中学校卒業から18歳未満)」が39.6%で最も多いことがわかりました。次いで「高校卒業以降(18歳以降)」が29.2%、「中学生のとき」が16.7%でした。

ちなみにこれは、知らない人からチャットを受け取ったのはいつ頃だったかを尋ねた質問と、おおむね同様の傾向を示す結果となっています。

自分の裸や下着姿の写真や動画を知らない人や公開サイトにアップロードしたのはいつ頃ですか。
自分の裸や下着姿の写真や動画を知らない人や公開サイトにアップロードしたのはいつ頃ですか。
―チャイルド・ファンド・ジャパン「若者を対象としたグルーミングに関する調査」より

まとめ

今回ご紹介した調査結果から、SNSなどのオンラインで知らない人からチャットを受け取ったことがある若者が、3割以上にのぼることがわかりました。もちろん、それらすべてがグルーミングだとは言えませんが、実際に自分の性的な写真などを送った経験がある人もゼロではありません。親としては、子どもがどんなSNSをよく利用しているのかを把握しておくとともに、見知らぬ人からのメッセージには警戒する必要があることを、子どもにしっかり教えることが大切です。

(マイナビ子育て編集部)

調査概要

■若者を対象としたグルーミングに関する調査/チャイルド・ファンド・ジャパン
調査対象:全国の15~24歳の男女
調査時期:2023年12⽉22⽇〜2024年1月5⽇
回答数:1,735(男性:747、女性:988)

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