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2024年09月08日 06:22 更新

マイホーム計画の最初の壁! 施工会社はどうする? 後悔しない選び方のコツ|小さな家、建てました#2

理想のマイホームを叶える施工会社選びのコツがあったら知りたいですよね?

整理収納アドバイザーの資格を持つ竹村真奈さんががあえて選んだ小さな家と小さな暮らし。現実と理想をすり合わせながら暮らしやすい家ができるまでの過程をまとめた『小さな家、建てました』(翔泳社)より一部抜粋して、連載(全3回)でお届けします。

前回の土地との出会いに続き、第2回の本記事では施工会社探しについてのエピソードをご紹介!

いよいよマイホーム計画がスタート! 施工会社選びで最も重要視したポイントとは……?

ハウスメーカーと工務店どっちにするか

小さな家、建てました ,翔泳社
※画像はイメージです

家を建てるためにまずやったことは情報収集。私だけでなく一緒に暮らす家族全員の現在、これからの住みたい暮らしをできるだけ具体的にイメージしていきます。そこからはいよいよ施工会社探しです。施工会社には2通りの種類があります。

多くの物件を建てるハウスメーカー
地域密着型の工務店
個人の一級建築士事務所

私は「狭小住宅建築」などで検索をかけ、最新技術を導入していてかつ高性能の住宅を多く建てているハウスメーカーから選ぼうと思いました。純粋に新しいものや高性能なモノが好きなため。

デザインや雰囲気、間取りなど過去に手掛けた物件例などがwebに掲載されていることが多いので、ある程度得意とする雰囲気を判断できます。気になったハウスメーカーにアポを取り希望額を伝え、数社に間取りを依頼して相見積もりを出してもらうことに。悩んだ末、4社に絞りました。このとき、2021年6月。

ちなみに無知な私が依頼した希望条件はこちら。

■絶対条件

1階の洗面・洗濯・ファミリークローゼット・寝室・トイレを回遊動線にする
2階にリビング
風通しがいい(コロナ禍でもあったので風が抜ける空気の循環のいいつくりを意識)
限界まで広いリビング確保
部屋数(リビングダイニング、寝室、子ども部屋、書斎、WIC)確保
ナチュラルではなくスタイリッシュな中に温かみがある雰囲気
最小限の風水(鬼門の北東、裏鬼門の南西に「玄関・キッチン・トイレ」をつくらない、玄関とリビングは明るく日当たり良好であること)
程よい収納数
天井はできるだけ高く
閉所恐怖症なので圧迫感のないように
玄関は狭くていいのでその分部屋を広く

■可能なら取り入れてほしい条件

リビングに造作ワークスペース
リビングに造作棚
スイッチニッチを付けたい
マグネットクロスを貼れる場所がほしい
キッチンや洗面所など人の渋滞が起こりがちな場所のスペース確保
壁掛けテレビ
吹き抜け天井

■悩んでやめた条件

和室
ニッチ
トイレ2カ所(掃除が大変だから1カ所でいい)
ロフト(腰痛持ちだからどうせ使わない)
脱衣所とランドリースペースは一緒でいい
お風呂の窓
アーチ壁

そして、理想の部屋のイメージをピンタレストやインスタグラムでひたすら収集し、画像リストをハウスメーカーの担当さんと共有しました。不動産屋で「風水が〜」「占いで〜」というと鼻で笑われることが多かったけど、建築士さんは「そういう方たくさんいますよ」「最低限の風水は建築する際にいつも取り入れてある」というところがほとんどだったのも印象的でした。

一番こだわりたかったのはやはり動線です。とにもかくにもめんどくさがりで、仕事が大好きな私にとって、日々の無駄な動きは天敵であり大きなストレスとなります。家事・料理・炊事・洗濯。このすべては生活のために欠かすことのできないものです。しかし、そこには無駄な動きが必ず潜んでいます。ご自宅の家事動線を思い浮かべてみてください。出し入れしやすいか、不便だなと思うことはないか、開けづらい引き出しはないか、いつもモノを探していないか、家の中を行ったり来たりしていないか。このとき、家が広ければ、その分掃除する場所も増えて、収納スペースは増えるけど、モノも増えやすいという点に改めて気付きました。小さい家、いいかもしれない!

私はいかに少ないアクションで家事を済ませられるかに命をかけています(大袈裟!)。文句言ってないで体動かせばいいじゃないの。いやいや、今はそんな時代ではありません。手抜きをすると言ってるんじゃありません。不便な時代は、今でいう「無駄」を必死でこなしてこそ「主婦!」のイメージだったかもしれません。今は不便をしてでもやることが正義ではなくて、ちょっとした工夫から不便をなくすことで時短して、好きなことに時間を使う時代なのです。理にかなっていますよね。無駄を省くことは1㎜ も悪いことではありません。

私の場合はめんどくさがりだからこそのラク家事を求めています。明日の自分、あさっての自分のためにがんばってます。今やっておけば未来の自分が楽になる。そんな仕組みを作れば、何かを運ぶ手間が減る。毎日の献立を考えたり買い物に行く時間がないなら、オイシックスなどのミールキットに頼ったらいいんです。大好きな家族と私が私らしく笑顔で過ごすためにも、大好きな仕事を減らすのではなくてラク家事を取り入れたい。家のことと、同じくらい仕事してたら時間がいくらあっても足りないのです。大好きな韓国ドラマを観る時間だってほしいのです。子どもと遊びたいのです。友達とも遊びたいのです。無駄な家事・動線を減らして、ラク家事を目指しましょう。

話が逸れてしまいましたが、家事とは家族のため自分のため、生きていくために家族みんなで協力し合ってやれるのが理想ですよね。ならば、いかに楽して(これを手抜きという人はこの本をそっと閉じてください)、自分の時間をつくるかをもっと本気で考えて努力したほうがいいよね、と思うのです。家づくりはそれを根本から考えられる絶好のチャンスなのですから。

4社からの回答はこうでした

A社
個人の一級建築士事務所。ここでつくられた建築物がとても好みでした。建築士さんが手掛けられた物件をいくつも見せていただき、ここしか考えられないというくらい虜に。3案の間取り図を予定よりも大幅に遅れながら作成してくださいました。3案も考えてくださったのは好感しかないのですが、電話やメールのレスポンスがいちいち遅い。伝言ミスも多いし、締め切りや約束を守れない時点でちょっと……。ものすごい天井高を確保しているけど、うちの土地条件では法律的にできない間取りでした。条件面などを見逃していたのでしょうか。この調子では、翌年4月入居も怪しいのでやむなく却下。

小さな家、建てました ,翔泳社
各ハウスメーカーからの最初の間取り図。ここから修正が入り、最終的にはかなり変わっていきます。(『小さな家、建てました』より)

B社
狭小住宅を得意とする個人の一級建築士事務所。人のいいおじさん建築士さんだったのですがいただいた間取り図は、こちらの意図がまるで伝わっておらず……。キラキラ楽しそうな笑顔が忘れられないけど、こちらも人生がかかっているので却下。

(『小さな家、建てました』より)

C社
感触はよかったものの初めから「500万はオーバーするね。でも期待以上のものにする自信はあるから」と言われ、500万超える時点で期待以下だったので間取り図の依頼せず。

D社
友人のステキな家を建築されたハウスメーカー。友人の家を見ていたので安心感があり、しかも提示していた額より安い見積もりで間取りも3案提案してくれました。かなりの好印象。しかも3つの中に私たち家族の心を鷲掴みにした間取りが‼

小さな家、建てました ,翔泳社
(『小さな家、建てました』より)

というわけでD社に決定! 間取り図を見て、改めて私たちが選んだ土地が「狭小」「難しい条件」であったことなどを知るきっかけとなりました。しかし、それらを含めても、D社の間取り図は難点を打ち消すほど魅力的なプランでした。私がお願いしていた「玄関は狭くてオッケー」を思いきりスルーしてきたのもいい裏切りです。小さな家なのに目から鱗の広い玄関が気に入りました。狭いからといって、こじんまりするのがすべてじゃない。大きく見せられるところを大きく見せることで開放感に繋がり、光が差し込む明るい玄関に。これぞ、プロの仕事。そしてD社と契約を結ぶことに。いよいよ間取り図を詳細な設計図へと落とし込んでいく作業に入ります。

著:竹村 真奈『家事がラクになる 小さな家、建てました 土地選び、断捨離、間取り。施主だからわかる、家づくりのポイント』(‎翔泳社)より一部抜粋・再編集/マイナビ子育て編集部

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