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2024年08月26日 06:35 更新

約8割が「女子のスラックス制服」「男子の化粧」に違和感なしと回答【中高生のジェンダー意識】

以前は学生が着る制服には男子用、女子用があり、性差が前提となるのが当たり前でしたが、現在はジェンダーレス制服の導入が広まるなど、子どもをめぐる“ジェンダー”の状況は、親が学生だった時と比べて変化しています。そこで今回は、ソニー生命保険が実施した調査をもとに、今の中高生のジェンダー観をお伝えします。

全国の中高生1,000名に調査を実施

ソニー生命保険では、全国の中高生1,000名(中学生200名、高校生800名)に対し、第5回目となる「中高生が思い描く将来についての意識調査2024」を実施しました。その調査結果の中から、本記事では中高生のジェンダー意識にかかわる回答を見て行きたいと思います。

女子のスラックス制服、中高生ともに8割以上が「違和感なし」

回答者にいくつかの性の多様性に関する内容を提示して、「はい」または「いいえ」のいずれにあてはまるかを聞いた結果を見て行きます。

まず、中学生の回答ですが、「はい」と回答した人が多い順で見ると、「女子がスラックス制服を着ていても違和感はない」84%、「男子が化粧をしていても違和感はない」81.5%、「同性同士が付き合っていても違和感はない」70.5%、「男子がスカート制服を着ていても違和感はない」42.0%となりました。男子がスカート制服を着用することについては、他の項目と比べ違和感を感じない人が少ない傾向が見られました。

次に高校生についてですが、「女子がスラックス制服を着ていても違和感はない」83.5%、「男子が化粧をしていても違和感はない」76.9%、「同性同士が付き合っていても違和感はない」67.4%、「男子がスカート制服を着ていても違和感はない」37.9%という結果でした。おおむね中学生と同様の傾向となっています。

中学生、高校生ともに共通して、女子のスラックス制服や男子の化粧、同性同士の交際に関しては、多くの学生が違和感を感じていないことがわかります。また、男女別に見ると、いずれの項目でも、女子の方が違和感を感じない人が多い傾向が見れました。

性の多様性に関する意識
性の多様性に関する意識
―ソニー生命保険「中高生が思い描く将来についての意識調査」より

「ジェンダーギャップによる生きづらさ」中学生では24%にのぼる

続いて、性同一性やジェンダーギャップに関するいくつかの内容を提示して、「はい」または「いいえ」のいずれにあてはまるかを聞いた結果がこちらです。

まず、中学生では、「はい」と回答した人が多かったのは、「ジェンダーギャップや性別役割分担意識によって生きづらさを感じている」で、24.0%でした。そのほか、「ジェンダーギャップや性別役割分担意識によって生きづらさを感じている友人がいる」16.0%、「“からだの性”と“こころの性”が異なることに悩んでいる友人がいる」12.5%、「“からだの性”と“こころの性”が異なることに悩んでいる」10.0%、という結果となっています。

高校生を見てみると、「ジェンダーギャップや性別役割分担意識によって生きづらさを感じている」20.3%、「ジェンダーギャップや性別役割分担意識によって生きづらさを感じている友人がいる」15.8%、「“からだの性”と“こころの性”が異なることに悩んでいる友人がいる」13.1%、「“からだの性”と“こころの性”が異なることに悩んでいる」には9.5%、という結果でした。

実際に「性同一性」に関する悩みを持つ人は中高生ともに1割ほど存在することがわかりました。また、ジェンダーギャップなどによる生きづらさを感じる人は、特に中学生の女子に多く見られました。

性同一性やジェンダーギャップに関する状況
性同一性やジェンダーギャップに関する状況
―ソニー生命保険「中高生が思い描く将来についての意識調査2024」より

まとめ

親世代もアップデートを心がけたい

今回は中高生のジェンダー意識について見てきました。一般に若い世代ほど新しい価値観に柔軟であると考えられますが、今回の調査結果からも、性の多様性を受け入れている人が多いことがわかりました。かつては多くの人が無意識にそうした思考をしていたと思いますが、今の若い世代は、「男子だから」「女子だから」という固定概念からは比較的自由だといえそうです。実際に街中で、スラックス制服を着用している女子学生を見かけたことのある人も、少なくないのではないでしょうか。親としても、価値観のアップデートを心がけ、子どもの意志を尊重した対応をしていくことが大切ですね。

(マイナビ子育て編集部)

調査概要

■中高生が思い描く将来についての意識調査2024/ソニー生命保険
調査対象:ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする全国の中高生
調査期間:2024年6月11日~18日
有効回答数:1,000(中学生200/高校生800)

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