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2024年09月22日 10:07 更新

【日本の子ども・若者の幸福観】幸福には運の要素も強いと考える人が諸外国より多い傾向に

将来への不安を抱く人が少なくない、現在の日本社会。今の子どもたちは幸福のあり方をどう考えているのでしょうか? 今回は、こども家庭庁が実施した「我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査」をもとに、現在の日本の子ども・若者たちの幸福観について、アメリカやドイツなどとも比較しながらお伝えします。

日本を含む5カ国、13歳~29歳の男女に調査

こども家庭庁では、日本と諸外国の子ども・若者の意識を比較することで、日本の子ども・若者の意識の特徴などを的確に把握することを目的に「我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査」を実施しました。対象国は、日本のほか、アメリカ、ドイツ、フランス、スウェーデンの計5カ国、対象者は13歳~29歳までの男女とし、各国1,000サンプルを集めました。今回はその中から幸福観に関する調査結果を取り上げます。

子ども・若者の幸福観
※画像はイメージです

日本の若者の幸福観、「自分が幸福かどうかは自分で決める」が8割超

まず、日本の子どもや若者に対し、自分の幸福観についていくつかの項目を挙げ、「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」「どちらかといえばあてはまらない」「あてはまらない」の4択で回答してもらった結果を見てみます。

「あてはまる」「どちらかとえばあてはまる」と回答した人の合計が最も多かったのは、「自分が幸福かどうかは自分で決めるべきことだと思う」で82.7%でした。次いで「周りの人並みの生活ができることが幸せだと思う」が80.3%、「一人一人が幸せになることで、社会を変えることができると思う」が76.2%と続いています。

一方、「あてはまらない」「どちらかといえばあてはまらない」の合計が多かったのは「幸福は、自分の能力によって手に入れるものだ思う」36.5%、「自分の幸せが他者に迷惑をかけるかもしれないと感じることがある」35.8%、「幸せがずっと続くと、いつ不幸せが訪れるかと、不安になるかもしれない」33.1%などで、いずれも3割を超えていました。

次のことがらがあなた自身にどのくらいあてはまりますか。以下のそれぞれについて、あてはまるものを1つ選んでください。(回答はそれぞれ1つずつ)
次のことがらがあなた自身にどのくらいあてはまりますか。以下のそれぞれについて、あてはまるものを1つ選んでください。(回答はそれぞれ1つずつ)
―こども家庭庁「我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査 (令和5年度)」

日本の若者は「幸福は運次第」と考える傾向が強め?

ここからは、前問の中から具体的な調査結果を日本と各国を比較したなかで、日本と他国との間で違いが目立った項目に着目していきます。

■自分の周りの人が幸せだと私も幸せを感じる

まずは「自分の周りの人が幸せだと私も幸せを感じる」という項目です。
これに対し、「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」と回答している日本の子ども・若者は75.8%で決して少なくない印象ですが、他の4カ国と比べると最も少ない数字となりました。5カ国中で最も「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」が多かったのはスウェーデンで92.6%、次いでドイツが91.7%と、ともに9割を超えています。

また、日本以外の4カ国は、「あてはまる」の方が「どちらかといえばあてはまる」よりも多くなっていますが、日本は逆に「どちらかといえばあてはまる」の方が多いという違いも見られました。

自分の周りの人が幸せだと私も幸せを感じる
自分の周りの人が幸せだと私も幸せを感じる(5カ国比較)
―こども家庭庁「我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査 (令和5年度)」

■幸福は、自分の能力によって手に入れるものだと思う

続いて「幸福は、自分の能力によって手に入れるものだと思う」という項目です。ここでも日本の子ども・若者は「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」と回答した人の割合が、日本は63.5%、その他の国は80%前後で、日本のみ10ポイント以上少ないという結果となっています。また、「あてはまる」が17.4%で特に少なくなっているのも、日本だけの特徴といえます。日本の子ども・若者は他国と比べ、能力と幸福はかならずしも関係しないと考える人も少なくないようです。

幸福は、自分の能力によって手に入れるものだと思う(5カ国比較)
幸福は、自分の能力によって手に入れるものだと思う(5カ国比較)
―こども家庭庁「我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査 (令和5年度)」

幸福は、自分の努力によって手に入れるものだと思う

続いて「幸福は、自分の努力によって手に入れるものだと思う」という項目です。

「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」と回答した日本の子ども・若者は73.4%で、やはり5カ国中で最も少なくなっています。特に「あてはまる」について見てみると、日本は21.6%で、最も多いアメリカ(44.5%)の半分以下でした。

幸福は、自分の努力によって手に入れるものだと思う(5カ国比較)
幸福は、自分の努力によって手に入れるものだと思う(5カ国比較)
―こども家庭庁「我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査 (令和5年度)」

幸福は、運によってもたらされるものだと思う

最後に、「幸福は、運によってもたらされるものだと思う」という項目を見てみましょう。

「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」と回答した日本の子ども・若者の割合は72.0%、今回の調査国の中でトップでした。最も少なかったアメリカと比べると15ポイントの差となっています。前問の「幸福は、自分の努力によって手に入れるものだと思う」の回答結果を踏まえると、日本の子ども・若者には、幸福は自分の努力よりも運によってもたらされる側面の方が強いと考えている人が多いようです。

幸福は、運によってもたらされるものだと思う(5カ国比較)
幸福は、運によってもたらされるものだと思う(5カ国比較)
―こども家庭庁「我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査 (令和5年度)」

まとめ

自分を幸せにできるのは……

今回は、日本と諸外国の子ども・若者の幸福観に関する調査結果をお伝えしました。日本の子ども・若者の回答の特徴として、自分の幸福度は自分で決めるべきだと考えている人が多い一方で、幸福は運によるところが大きいと考えている人が、他国に比べて多いことがわかりました。しかし、一見「運」に見えるものも、実は自分の努力や能力が引き寄せたものかもしれません。自分が幸せかどうかを決められるのは自分だけです。家庭の中でも、自分にとっての幸せとは何かを親子で話してみてはいかがでしょうか。

(マイナビ子育て編集部)

調査概要

■我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査 (令和5年度)/こども家庭庁
調査対象国:日本・アメリカ・ドイツ・フランス・スウェーデン
調査対象者:満13歳~29歳の男女
調査期間:2023年11月~12月
調査回収数:
日本:1,089、アメリカ:1,064、ドイツ:1,078、フランス:1,026、スウェーデン:1,026

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