
育児や介護、キャリアのブランクを不利にしない!|30代共働き夫婦が「キャリアデザイン」に本気で取り組んだら…… #3
出産、育児、介護など、さまざまなライフステージの変化により一時的な退職を考えることは誰にも起こり得ます。ではブランク後の再就職はどうなるのでしょうか?
15年間、2000人以上のキャリアコンサルティングに携わってきた著者が、相談の中でも最も多く寄せられる「子育てと仕事の両立問題」をマンガで紹介しながら、キャリアデザインの描き方を解説!
『マンガでわかる 仕事と子育ての両立の壁にぶち当たった30代共働き夫婦が「キャリアデザイン」に本気で取り組んだら……』(著者:江口 勝彦/マンガ担当:米田 錦 ディスカヴァー・トゥエンティワン)より一部抜粋してお届けします。
キャリアの一時的な中断と復帰というプラン修正
育児や介護による一時的な退職
出産・育児で退職し、子育てが落ち着いてから再就職することも、キャリア変更の一つでしょう。介護で一時的に退職を考える人もいます。
置かれた状況や事情、価値観などで一時的に仕事から離れる選択をするのも、その人の生き方として否定されるものではありません。
しかし、キャリアのブランクが長期間にわたってしまうと、スキルの点で不利になるのは否めません。比較的ブランクが短期間で、スキルを保っている場合、またブランク中に専門知識を磨くなどスキルアップに挑戦した場合、専門性の高い職種の場合は、大きく不利に働くことはないでしょう。
元のポジションに復帰できるかどうかは、スキルによって測られる市場価値にあるのです。
中断からの復帰は会社とのコミュニケーションも大切
怜子のように子どもが生まれた後も働き続ける女性の中には、産休・育休を経た後の会社の対応に不満を持つ人もいます。
よく相談を受けるのは、「仕事に復帰したら前とは別の部署に異動になった」「第一線から外された」というものです。
これだけ聞くと、会社側の対応が嫌がらせのように見えるかもしれません。マタハラと捉える人もいるでしょう。
しかし、実際は、そうとも言い切れないところもあります。会社側が子育てと仕事の両立を実現するために配慮している可能性があるからです。会社は「いったんは子どもが急に熱を出したり、本人が体調を崩したりしても休みやすい部署などに異動させて、子育てが落ち着いてきたらまた元の活躍を」などと、社員の子育てと仕事の両立をサポートしている可能性があります。
しかし、産休・育休から復帰した人が「出産前と同じように働きたい」と考えているならば、この状況ではミスマッチが起きてしまいます。これは、会社と社員の価値観のズレの一種であり、コミュニケーション不足が招いた誤解と言えます。
バリバリ働いていた女性は、一時的にキャリアから離れても、早いタイミングで仕事に復帰することを望む人が多いようです。マンガの怜子もこのタイプです。
一方で、産休・育休前からサブ的な仕事を望んでいた人は、復帰しても契約社員や短時間パートにするケースが見られます。
この働き方の違いも、善・悪では片付きませんし、どちらが正解・不正解でもありません。
あくまで、その人の価値観、ライフプランとマッチしているかどうかが問われます。そのライフプランに見合うスキルを身につけて、市場価値を高めることが大切です。

続きは書籍をご覧ください。

(著者:江口 勝彦/マンガ担当:米田 錦『マンガでわかる 仕事と子育ての両立の壁にぶち当たった30代共働き夫婦が「キャリアデザイン」に本気で取り組んだら……』<ディスカヴァー・トゥエンティワン>より抜粋/マイナビ子育て編集部)