
「スケールでかっ」あのしょうゆメーカーの工場内部に親子で唖然!【キッコーマンもの知りしょうゆ館】(千葉県・野田市)
国内はもちろん、今や世界100カ国以上で愛される、しょうゆのトップメーカー・キッコーマン。もれなく我が家も、同社の大ヒット商品「いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ」を絶賛愛用中です。今回は、そんな同社の工場見学施設【キッコーマンもの知りしょうゆ館】を取材。親子で潜入した工場内部には、思いがけない光景が広がっていて……⁉
【キッコーマンもの知りしょうゆ館】とは?
毎日の食事に当たり前のように使われている「しょうゆ」。でも何から、どんなふうにつくられているのか、意外と知らないお子さんは多いはず。またしょうゆの原料は知っているパパママでも、製造工程をお子さんにきちんと説明できる方は少ないのでは?
そんな親子にぜひ訪れてほしいのが、キッコーマン野田工場に併設された 【キッコーマンもの知りしょうゆ館】です。

【キッコーマンもの知りしょうゆ館】は、アテンダントさんによる案内のもと、実際のしょうゆの製造ラインを見学したり、映像などを見たりしながら、しょうゆの製造工程を学べる施設。しょうゆづくりで発酵・熟成段階にある“もろみ”の色や香りの違いなどを体験しながら、しょうゆができるまでの流れを楽しく学べるんです。
見学は完全予約制で、所要時間は約1時間。受付は電話でのみ行っております。
野田工場のほかに、兵庫県高砂市の「高砂工場」と、北海道千歳市の「北海道キッコーマン」の2か所にも同様の見学施設があり、見学を受け付けていますよ。
キッコーマンもの知りしょうゆ館 基本DATA
■所在地:千葉県野田市野田110 キッコーマン食品野田工場内
■TEL:04-7123-5136
■予約:完全予約制(電話でのみ受付)
■料⾦:無料
■アクセス:
[電車の場合]
◎東武アーバンパークライン(野田線)「野田市駅」より徒歩約3分
[車の場合]
◎常磐自動車道「流山IC」より約20分
■駐⾞場:あり。満車の場合は、一般の有料駐車場を案内される場合あり
■トイレ:あり
■⾷事:見学者のみ利用できる「まめカフェ」にてソフトクリームの販売あり
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※以上情報は変更がある場合がありますので、おでかけ前に公式HP等で最新の情報をご確認ください。
しょうゆ大好きの息子を連れ、【キッコーマンもの知りしょうゆ館】へ
お刺身にかけるしょうゆは、もはや“しょうゆ漬けレベル”にヒタヒタで、好きなラーメンといえば“しょうゆ味”の小3息子。
そんな「しょうゆ愛」にあふれる息子を喜ばせようと、過去に小さなしょうゆ蔵を見学したことがあるのですが、「大きな工場では、しょうゆはどんなふうにつくられるのかな?」「我が家にとっても超身近なキッコーマンの工場見学なら、息子ももっと喜ぶはず」と思い、【キッコーマンもの知りしょうゆ館】へ取材を申し込んで行ってきました~!
工場敷地内に入ると、真っ先に目に飛び込んでくるのが、こちらの巨大サイロ。

ひゃー、デカっ! 「さすが国民的しょうゆメーカーのキッコーマン! スケールが違うね‼」と親子で圧倒されながら、館内の受付へと向かいました。
いざ工場に潜入! 100年以上続くしょうゆづくりの知恵が息づく生産現場に驚き
見学の始まりは、こちらのシアタールームから。

しょうゆの製造工程やおいしさの秘密を約15分のビデオ上映で学びます。今回の上映内容は、息子に合わせた小学生向け。とかく難しくなりがちな「発酵」や「微生物」についても、可愛くキャラクター化された“菌”たちの登場でわかりやすく紹介され、親子ともども理解を深めることができましたよ。
ビデオ上映が終わると、アテンダントさんに続いて見学通路へ進みます。まずは「しょうゆの原料」についての解説から。

しょうゆの原料は「大豆」「小麦」「食塩」の3つ。これらをもとに、キッコーマンが独自で選び抜いた「麹菌」「酵母菌」「乳酸菌」の3種類の微生物をバランスよく働かせて、おいしいしょうゆをつくっています。
キッコーマンのこいくちしょうゆ1リットルをつくるのに、実際に使用される原材料の量がこちら。

しょうゆの原料というと大豆にばかりに目がいきがちですが、こちらのしょうゆには、大豆と同量の小麦が使われているのが意外でした。あと食塩が思ったよりもたくさん入っていることにもビックリ。
■原料処理
さてここから、しょうゆの製造工程について学びます。まず「原料処理」のお話から。

大豆は高温で蒸し、小麦は高温で炒ってから細かく砕きます。熱が伝わることで、麹菌のつくり出した“酵素”の働きを受けやすくなるのだそうですよ。
■製麹(せいきく)
続いて、原料処理した大豆と小麦に麹菌を加えて“しょうゆ麹”をつくる「製麹」へ。製麹は、しょうゆの味の決め手となる大事な工程です。実際に製麹が行われる「製麹室」を、見学通路の大きな窓越しに見学します。
いざ製麹室をのぞいてみると、あれ? 部屋の中には何も見当たらず……。 なんとしょうゆ麹が出来上がって、次の工程へ運ばれたばかりとのことでした。残念ながら生で製麹の様子を見ることはできませんでしたが、代わりにビデオ映像で見ることができました。

映像では、巨大な円盤状の台の上いっぱいに広がったしょうゆ麹のもとが圧巻でした。この部屋の麹からつくられるしょうゆの量がクイズで出題され、その答えに親子でビックリ。答えは、工場見学に参加してのお楽しみに。
台には小さな穴が開いていて、そこから温度や湿度の調整された空気が送られ、麹菌の繁殖を促しています。ときどき麹菌の塊をほぐして熱くなりすぎるのを防ぎ、麹菌が生育しやすい環境をつくりながら、3日間かけてしょうゆ麹をつくっているのだそうです。そう、こちらのマシンは100年以上しょうゆをつくり続けているキッコーマンが、長い経験から得たしょうゆづくりの知恵を吹き込んだ、いわば秘密兵器。大量生産でもおいしいしょうゆができる秘密は、ここにあったのですね~!
仕込みたてから熟成期まで! 3段階の「もろみ」の色と香りを体感
■仕込み
製麹室でつくられたしょうゆ麹に食塩水を加えると“もろみ”になります。もろみは、仕込みタンクで約半年間ゆっくりと発酵・熟成させます。

「えー、半年も必要なの?」と思いますが、ゆっくりと発酵・熟成させることによって、もろみの中の成分がお互いに反応し合って出来た成分により、深みのある味や香りが生まれるのだそうです。
見学通路には、「初期(仕込みたて)」「発酵期(仕込みから2~3か月)」「熟成期(仕込みから4~6か月)」の3段階のもろみのサンプルが展示されてあり、それぞれの色や香りの違いを体感することができます。

さっそく、3段階のもろみの違いを体感する息子。「最初のはほとんど香りがしないけど、次のはふわっとしょうゆの香りがする」「最後のは完全にしょうゆだ~」と、熟成期に近づくほど色や香りが増して、しょうゆに近づいていることをしっかり感じ取っているようでした。
見学通路を進むと、実際の仕込みタンクを見ることができました。

高さ20メートル、直径7メートルの巨大な仕込みタンクが何本も連なり、迫力満点の光景。もろみをタンクに仕込んだだけでは、おいしいしょうゆはできません。酸素の供給や湿度のコントロールなど、適切に管理することで微生物が活性化し、しょうゆはおいしくなるのだそう。タンクに仕込んだもろみは、機械による空気の力で「攪拌」しているそうですよ。
ちなみに工場に入ってすぐに見えていた巨大サイロともよく似ていますが、あちらは原料を貯蔵するサイロ。こちらの仕込みタンクとは異なるそうです。

床に描かれたオレンジの丸は、最も大きな仕込みタンクと同じ直径7メートルを表したもの。

円の中に立った息子は、「こんなにデカいんだ! すごいねー‼」とそのスケール感を体験できてとても楽しそうでした。
え、そうやって搾るの⁉ 圧搾の工程で目撃した意外すぎるアイテムとは?
■圧搾(あっさく)
次は発酵・熟成が終わった“もろみ”から、しょうゆを搾る「圧搾(あっさく)」の工程です。「どんなふうに搾っているのだろう?」とワクワク向かった先で目撃したのは、あまりにも意外すぎる光景でした。
なんと、使われているのは「布」! 濾布(ろふ)と呼ばれる布を三つ折りにして、袋状にした中にもろみを入れ、折り重ねて搾っているんです。

もろみを入れた濾布を積み重ねると、最初は「もろみ」自体の重さでしょうゆがジワーっとにじみ出てきます。その後、プレス機で圧力をかけて、ゆっくりとしょうゆを搾るのだそうです。

濾布の長さはなんと2,800mもあり、これは東京スカイツリーを縦に4つ重ねた長さとほぼ同じ。折りたたむと、高さはビル3階分に相当するそうです。ハンパない長さですよね!
1リットルのしょうゆ約20万本分を搾ることのできるこちらの機械は、世界屈指の圧搾装置と言われているのだとか。
■清澄(せいちょう)
「清澄(せいちょう)」とは、搾ったしょうゆを数日間タンクの中で静かに休ませ、表面の油や底に沈んだおりを分離させて美しく澄んだ状態にする工程のこと。

■火入れ・濾過(ろか)
そのあと微生物の活動を止め、色や香りを整えるために「火入れ」を行います。火入れが終わったしょうゆは、さまざまな容器に詰められて出荷されます。
火入れを行う代わりに特殊なフィルターを使って、微生物を取り除く方法もあり、その方法でつくられているのが我が家も愛用している「生しょうゆ」なんですって。鮮やかな色、さらりとした旨み、おだやかな香りが特徴。「生」という言葉に惹かれて使っていましたが、実はそんな明確な特徴があったのですね。

キッコーマンでは、もろみからしょうゆを搾ったあとに残る「しょうゆ粕(かす)」を家畜のエサとして再利用しているそう。素敵な取り組みですよね!
見学終了後には、来場記念のしょうゆが1人1本もらえます。

今回いただいたのは、我が家の愛用品“いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ”。「あ、うちで使っているやつだー!」と息子も大喜びでした。
しょうゆソフトにお買い物に……見学後もお楽しみが盛りだくさん!
見学終了後は、【キッコーマンもの知りしょうゆ館】内にある「まめカフェ」に立ち寄ってみました。

見学者のみが利用でき、「しょうゆソフトクリーム」や「豆乳ソフトクリーム」を販売しているカフェです。
ソフトクリームといえば、もともとチョコ味かイチゴ味しか食べない息子。「バニラ風味が強いソフトなら、僕は食べなくてもいいかな」と言っていたのですが、絶対に食べると心に決めてきた筆者は、しょうゆソフトクリームを1つ注文してみました。

さぁ、そのお味は……? まずは息子が一口パクリ!

黙っているので「まさか……おいしくないの⁉」と焦っていたら、しばらくしてから「なにこれ、めっちゃうまい!」と満面の笑み。筆者も食べてみたところ、しょうゆの香ばしさとソフトクリームの甘さのバランスが絶妙で、“ソフトクリームなのにしょうゆ味……⁉”という脳が混乱するおいしさにすっかり魅了されてしまいました。結局、息子が8割超食べてしまうという、まさかのオチが(笑)。
キッコーマン各種商品などを販売する売店でのお買い物も、見学後のお楽しみのひとつ。

実はキッコーマン野田工場の一角には、宮内庁に納めるしょうゆをつくる専用醸造所「御用醤油醸造所(通称:御用蔵)」があります。【キッコーマンもの知りしょうゆ館】の見学参加者は、御用蔵の見学もできるのですが、今回は残念ながら休止中とのこと。残念!
でも売店で御用蔵でつくられたしょうゆが販売されていたので、味の違いがわかる(⁉)じいじ&ばあばのお土産に購入しました。

息子が自分のお土産に選んだのは、キッコーマンのロゴがインパクト大のクリアファイル。筆者が選んだのは、「いつでも新鮮シリーズ」の旨みあふれる牡蠣だししょうゆと旨み豊かな昆布だししょうゆの2種。近くのスーパーでは見かけない、バラエティ豊かなラインナップにワクワクが止まりませんでした。
受付のすぐそばには、ユニークなフォトスポットが盛りだくさん。ぜひ記念撮影を楽しみましょう。

巨大な「しょうゆ卓上びん」の前では、キッコーマンのキャラクター・なあにちゃんポーズでパチリ。それにしてもこの卓上びん、めちゃめちゃエモいですよね~。
さらに緑色のパックでおなじみ「調製豆乳」も! 「そっかー、これもキッコーマンの商品だったんだねー」と親子で新たな発見でした。

「いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ」になりきれる顔出しパネルは、シュールすぎて最高!

思わず笑いがもれちゃうこと間違いなしです。
見学の所要時間は約1時間でしたが、見学後のカフェ、売店、フォトスポットもあまりに楽しすぎて、約2時間も滞在してしまった我が家でした。
まとめ
我が家にとっても超身近なキッコーマンのしょうゆですが、製造の舞台裏には大人も知らない秘密が盛りだくさん。親子でワクワクする発見の連続でした。
なかでも感動的だったのは、機械による大量生産を行いながらも、そのあちこちに100年以上脈々と受け継がれてきたしょうゆづくりの知恵や工夫が息づいていること。勘と経験だけを頼りにしょうゆをつくりあげてきた先人たちの知恵や工夫を、現在の機械生産に存分に生かし、「全力でお客さまにおいしいしょうゆを届けたい」という強い想いが伝わってきました。

子どもにはちょっぴり難しい「発酵」の話や「しょうゆの製造工程」も分かりやすい解説でバッチリ学べたのもよかったです。【キッコーマンもの知りしょうゆ館】は「しょうゆのことがなんでもわかる場所」と書かれているのを見かけましたが、まさにその通り! お子さんとしょうゆについて学びたい方は、真っ先に訪れてほしい場所のひとつです。
今回我が家は「御用蔵」の見学ができなかったので、ぜひまたの機会にリベンジしに行きたいです!
(文・撮影:あゆーや/アソンデミエータ)
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