「朝はやく起きて読む」「夜じっくり読む」読書にベストな時間帯|いまの科学でいちばん正しい 子どもの読書 読み方、ハマらせ方 #3
朝活で読書するか、夜寝る前にベッドで本を読むか。なんとなく「朝型」が体にも脳にも良さそうなイメージがあるけれど……?
\「子どもが読書にハマる」方法を大公開!/
年間数千本の論文を読む「科学論文オタク」の言語学者・堀田秀吾氏が、最新の研究から導いた、“子どもにとっての最高の読書法”をわかりやすく解説します。
書籍『いまの科学でいちばん正しい 子どもの読書 読み方、ハマらせ方』(Gakken)は、子どもの読書に関する親の疑問をひとつひとつ解消しながら、読書が子どもにもたらすメリットや、どんな子どもも「読書好き」に導く、とっておきのメソッドが満載の一冊です。
今回は、朝と夜、読書に適した時間帯は? と言う疑問についての解説をご紹介します。
「朝」VS「夜」 本を読むならどっち?
「夜はダラダラしがちだから、読書にせよ勉強にせよ、朝にしたほうがいい」。こんなアドバイスをたまに耳にします。でもそれは本当でしょうか? 「時間帯」と「学びの効果」の関係について、最近の研究がヒントをくれています。
まず、私たちの体には体内時計があります。この時計に従って注意力や集中力が一日の中でゆるやかに変化します。その変化のことを「概日リズム」と呼びます。概日リズムは遺伝により人それぞれなので「朝のほうが頭がスッキリしている人」もいれば、「夜のほうが調子がいい人」もいるということ。
ここで興味深いデータがあります。ベルン大学のローテンとマイアーの研究によると、小学生の段階では約半数が朝型なのに対し、中学生では朝型の割合が20%まで低下。中・高・大と「夜型」の割合が増えていくことがわかっています。
この研究結果はある単語が具体的か抽象的かを判断する思考テストを行った結果ではありますが、読書も内容を理解したり、人物の気持ちを想像したり、著者の主張を考えたりと深い思考力と集中力が求められる行為であることを考えれば、読書に適した時間も人によって変わってくると結論づけることができそうです。
なお、こうした高い集中力が求められる思考を「深い学習」といいますが、長年、深い学習は「朝型の人ほど得意」とされていました。だからいまだに「朝型最強説」が根強いのかもしれません。さらにそこに「朝は脳のワーキングメモリがすっきりした状態だけど、夜はごちゃごちゃした状態」といった脳科学的な話を持ち出されると「たしかにそうかも」と感じやすいのです。しかし、実際には夜のほうが頭が冴える人もいること、そして中高生にはその傾向が強いことはぜひ覚えておいていただきたいと思います。
prospective memory differently in younger and older adults.
Neuropsychology, development, and cognition. Section B,
Aging, Neuropsychology and Cognition, 24(6), 600‒612.
朝型か夜型かは人によって異なるため
大人が読書時間を一律に決めないことが大切。
ただし、夜型の子どもは睡眠不足に注意しよう!
「ベストな時間帯」は自分で判断してもらう
もちろんリズムは日によって違うこともあるでしょう。趣味の読書と学校の勉強では適した時間帯が違うかもしれません。大事なことは「一律ではない」ということです。脳のパフォーマンスにはリズムがあることを知り、子どもにとってどの時間が一番集中できるかを自ら見つけていくことが重要だと思います。
お子さんが小さいなら親御さんが手伝えばいいのですが、基本的には子ども自身で見つけてもらうのがいいでしょう。それはメタ認知力と自己管理力を養うことにもつながります。
親御さんにお願いしたいことは2点あります。ひとつは「朝に読ませるべきだ!」といった決めつけを避けること。もうひとつは、子どもが夜型の場合、睡眠不足にならないように気をつけてあげることです。いくら夜型であったとしても、睡眠不足の状態では脳のパフォーマンスは低下しますし、記憶も寝ている間に定着しますので、せっかくの読書(や勉強)の効果が薄れてしまうのです。
JUDGMENT
人の体内リズムはそれぞれ違う。中高生には夜型が多い
続きは書籍でお楽しみください。
※本記事は、『いまの科学でいちばん正しい 子どもの読書 読み方、ハマらせ方』<著:堀田秀吾/Gakken>より抜粋・再編集して作成しました。
