子どもの日焼け止めはいつから? 開始時期・選び方・塗り方、習慣化のコツを解説 #子育てギモン相談所
近年、紫外線量は増加傾向にあり、子どもの肌への影響も無視できません。特にバリア機能が未熟な赤ちゃんや幼児には、早めのUV対策が重要です。そこで今回は、「子どもの日焼け止めはいつから?」「どう塗る?」「嫌がるときは?」といったパパ・ママのギモンをUVケアの専門家に聞いてみました。
お話をしてくださった方
藤枝 麻子さん
(資生堂ジャパン/アネッサグループ)
昔と何が違う? 子どもの紫外線対策が重要な理由
現役子育て世代が子どもだったころは、無防備に野原を駆け回っていた夏。ですが子どもが生まれてから、産院をはじめさまざまなメディアなどで、子どものUVケアの大切さについて聞く機会が増えた実感があるはず。
「私たちが子どものころは大丈夫だったのに、なぜ? 」
そんな疑問符が浮かびますが、それもそのはず、気象庁が公表しているデータによると、1990年の観測開始以降、観測値のつくばの地表に到達する紫外線量が右肩上がり(※)であることが示されています。
そこで今回、資生堂のUVケアブランド「アネッサ」を担当している藤枝麻子さんに、子どもの紫外線対策について話を聞きました。
ーー昨今の紫外線の増加は、UVケアの現場にいる方々から見ても実感がありますか?
藤枝麻子さん(以下、藤枝) そうですね。どんどん猛暑化が進んでいるなかで、紫外線についても同じように増加傾向があります。12ヶ月間それぞれの紫外線の量を見てみると、5月、6月ですでに真夏並みなんです。
ーー紫外線は、子どもの肌にどんな影響がありますか?
藤枝 子どもの肌は、大人よりもバリア機能が未成熟なんです。一般的に、肌のバリア機能が完成するのが10〜12歳と言われていて、それ以前はより紫外線のダメージを受けやすい状態になっています。
ーー未就学児から低学年は、特にしっかりと対策すべき年齢なんですね。実際に子育て世代は、どれほど子どものUV対策を意識していると思いますか?
藤枝 なかには「日焼け止めって肌に悪いのでは?」と思われている方もいらっしゃいます。そう思うのは、自分が子どものころにやってこなかったことで、根深い懸念があるのかもしれません。
ーーたしかに、子どものころ習慣ではなかったですもんね。そういった理由で「日焼け止めって大丈夫なの?」と躊躇してしまう方がいるのは頷けます。
藤枝 いまの時代は必要だということがわかってはいつつも、感覚的に「どうなんだろう?」と考え、後回しにしてしまうのかもしれません。
ーー「曇りの日は対策しなくてもいい」という考え方はいかがでしょう?
藤枝 そもそも紫外線って曇りでもあるものなんですよね。「曇っているから塗らなくていい」と思われる方もいらっしゃると思いますが、カンカン照りでも、曇りでも、度合いの違いがありますがどちらも紫外線は地表にしっかりと届いています。
ーー日傘を差したり、ベビーカーのシェードをしていれば防げますか?
藤枝 日傘を差していても、紫外線は空気中のホコリや塵に反射しさまざまな方向から飛んでくるので、万全とはいえないんです。ベビーカーのシェードも、肌に日焼け止めをしっかりと塗った上でシェードをしたほうがいいですね。地面からの照り返しも大きいので。
子どもの日焼け止めはいつから? 子ども向け日焼け止めの選び方
ーーいざ日焼け対策をするにあたり、日焼け止めの使用開始目安を教えてください。
藤枝 一般的に、ものすごくお肌が弱くなければ、3歳から大人と同じ物を使っていいといわれています。アネッサですと、新生児を除く赤ちゃんから使えます。外遊びをする機会が増える年齢から、しっかり始めていただいていいかなと思います。たとえば「アネッサ パーフェクトUV マイルドミルク NA」「アネッサ ミネラルUV マイルドジェル」は、赤ちゃんから大人まで同じようにお使いいただけます。
ーー「マイルドミルク」「マイルドジェル」は、赤ちゃんでも使えるという点でどんなこだわりがありますか?
藤枝 どちらも低刺激で敏感肌向けに作られていて、「マイルドジェル」のほうはノンケミカル処方となっています。
ーーよく「ノンケミカル」と書かれてる日焼け止めを見ると「なんとなく肌に良さそう」と曖昧に考えがちです。具体的にはどういった処方ですか?
藤枝 紫外線を防ぐ成分には「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」のふたつがありまして、「吸収剤」を使わずに「散乱剤」だけのものを「ノンケミカル」と呼んでいます。「散乱剤」はUVを鏡のように反射する働きがあり、「吸収剤」は紫外線を浴びたときに吸収して、熱エネルギーとして放出する、という働きがあります。
ーーこちらのふたつは、それぞれ「SPF」の違いもあります。
藤枝 はい、それぞれ、シーンに合わせて選ぶことをオススメします。「SPF35+」の「ジェル」は日常的な公園遊びやお出かけに、「SPF50+」の「ミルク」は1日中外にいるような海水浴やバーベキューなどでも、これくらいあれば安心という数値です。
ーー日常づかいなら、「SPF35+」で十分なんですね。
藤枝 そうですね。さらに肌のハリを失わせ、シミやシワなどの原因となる、UV-Aを防ぐ効果を表す「PA」という表示ありますが、「ジェル」が「PA+++」、「ミルク」が「PA++++」で、どちらも防御効果が非常に高いことを表しています。これくらいあれば安心ですね。
また、それぞれテクスチャーがまったく違います。
ーー特に子どもは、テクスチャーによって塗らせてくれたりそうじゃなかったり、好き嫌いが激しいですよね。
藤枝 そうなんです。ちょっとでもイヤだとなかなか塗らせてくれないこともあります。「ベタベタするのがキライ」「これはサラサラしているからいい」とお子さまによって好みがあると思いますので、いくつか試してお選びいただいてもいいと思います。
ーーそういった点では、子育て世代が学生だったころはなかったジェルは、とても塗りやすいですよね。
藤枝 そうですね。ジェルは年代問わず人気があります。年々いろいろな人が日常的に塗るようになってきたので、肌心地がすごく重視されるようになってきたんです。
塗るのを嫌がる子にはどうすべき? 日焼け止めの塗り方のコツ
ーー最近では「ウォータープルーフ」も当たり前になっていますが、どちらにも処方されています。海水浴やプールでの必要性はわかりますが、日常でもウォータープルーフがあったほうがいいのでしょうか。
藤枝 日焼け止めは、しっかり塗っていても少しずつ落ちていくものではあるんです。特にお子さまは汗をかきやすいですよね。そういう意味では、お子さまは日常的にウォータープルーフが必要かなと思います。うちの子どももすぐに汗だくになるので、子どもは日焼け止めが落ちやすいことを実感します。
ーーお子さまはおいくつですか?
藤枝 今年5歳です。
ーー何歳から塗っていますか?
藤枝 生後半年くらいから、お出かけのたびに塗っていました。ただ、やっぱり赤ちゃん時代は塗らせてくれますが、2、3歳ごろに自我が芽生え始めるとなかなか塗らせてくれなくなったりしますよね。
ーー塗らせてくれないとき、どうしていますか?
藤枝 塗らせてくれなくなった時期と、電車や車が大好きになっていった時期が重なったので、腕に線路や道路を描いてから塗り広げていました。「線路描くよー」と言うと嫌がらずに塗らせてくれます。
ーーいいですね! 子どもの好きなものを描くと、自ら「やって」と言いに来てくれそうです。
藤枝 ほかには、「ごしごし」よりも「ぎゅっぎゅ」と握りながら塗るとまんべんなく塗れるので、オススメです。うちの子どもも「ごしごし」はくすぐったい感じがするからか、「ぎゅっぎゅ」のほうが嫌がらないんですよね。
ーーなるほど! マッサージのような、スキンシップのような感覚があるんでしょうね。
藤枝 塗りムラにもなりにくいのでオススメです。
ーー一方で、保育園に行く前など、忙しい朝の時間帯に塗るのが難しいこともあります。毎日のルーティンに取り入れるコツはありますか?
藤枝 ご家庭それぞれのルーティンがあると思いますが、個人的には玄関で塗るのがオススメです。うちでは、顔を洗って歯を磨いて靴を履いて、そのときに玄関に置いてある日焼け止めをささっと塗ってお出かけ、という流れです。
一緒に外出する場合は、たとえば公園遊びのとき、これからの時期は定期的に水分補給の時間を取ると思います。塗り直しの目安は2、3時間おきですが、水分補給のたびに塗り直していただくのがスムーズかなと思います。
ーー子どもに塗る際に、大事な部位はありますか?
藤枝 塗り忘れが多いのが、耳、首の後ろ、生え際ですね。首の後ろは帽子を被っているから大丈夫かなと思いきや、帽子だけでは防ぎきれないことが結構あります。
ーー水遊びの場合、塗り直しの頻度を多くする必要があるなど、注意点などありますか?
藤枝 水遊びの場合も、基本的には2、3時間ですね。どのシーンでも2、3時間経つと肌に吸収されていったり、汗で落ちたり、服や指のこすれで落ちたりするものです。
石けんで大丈夫? 子ども用日焼け止めの落とし方
ーー日焼け止めの落とし方についてもお聞きしたいです。「石けんで落とせる」とありますが、たとえば子どもひとりで入浴した場合の洗い方でも落とすことはできますか?
藤枝 いつも使っている一般的なボディソープで、しっかりと落ちる処方になっています。入浴後は、普段通りしっかりとスキンケアしていただくと、より安心して長く使い続けられるかなと思います。
ーー大人用のものだと、専用のクレンジングを推奨する日焼け止めもあります。そういった日焼け止めは、ボディソープだけだと「本当に落ちているんだろうか」と不安になるときもあります。
藤枝 アネッサの場合さまざまなシリーズがありますが、いずれも「ご家庭の一般的なボディソープで落とせる」とご案内しています。
ーー誰もが日常的に使う機会が増えたことで、日焼け止めの処方も進化しているんですね。
藤枝 そうですね。いまは夏だけではなく、紫外線量から見ると1年中塗ることがオススメですしね。
ーー1年中! 冬でもですか?
藤枝 紫外線量はゼロにはなりません。ゼロにならない限り塗ることを推奨したいですね。それが子どもにとっても親にとっても、習慣化に繋がると思っています。
ーーたしかに、そもそも親が習慣化することが大切だと実感しました。ありがとうございました!
アネッサ
https://www.shiseido.co.jp/anessa/
(取材・文/有山千春、取材協力/資生堂ジャパン)
気象庁「紫外線の経年変化」
