妊娠中の「見えないゆらぎ」をいっしょに学ぶ。Mint⁺ Meetingイベントレポート
妊娠中、女性の身体とこころには、目には映らない小さなゆらぎが日々起こっています。その「見えない変化」を学ぶ場として開かれたのが「Mint⁺ Meeting 〜今、この瞬間が未来をはぐくむ〜 presented by あすか製薬」。当日のイベント模様をお届けします。
妊娠期の「見えないゆらぎ」を学ぶ一日
2026年6月28日、東銀座の歌舞伎座タワーにて「Mint⁺ Meeting 〜今、この瞬間が未来をはぐくむ〜 presented by あすか製薬」が開催されました。当日はプレママ・プレパパを中心に14名が来場。登壇したのは、長崎大学病院 産婦人科 病院教授で産婦人科医の長谷川ゆり先生と、すみれ出張専門助産院 代表で助産師の坂田陽子先生。プログラムは、主催であるあすか製薬 経営企画部 女性のための健康推進室の倉本卓さんの挨拶で幕を開け、両先生による講演、講演内容を自分ごとに落とし込む「Hug Letter」、参加者の声を匿名で共有する「ほんねトーク」と続きました。「支える」でも「任せる」でもなく、いっしょに歩むという選択を、改めて考えるひとときになりました。
正しく知っておくことがこれからの安心につながる
イベントの冒頭、主催であるあすか製薬 経営企画部 女性のための健康推進室の倉本卓さんから挨拶がありました。
「あすか製薬は、今年で創立106年を迎える製薬会社です。女性ホルモンや甲状腺ホルモンといった、女性のライフステージに深く関わる薬を製造・販売しています」と紹介したうえで、2020年の創立100周年を機に立ち上げた社会貢献活動「女性のための健康ラボ Mint⁺」について語りました。
「Mint⁺のキーメッセージは、“知ることは、自分を守ること。”です。妊娠・出産・子育てはうれしいことも多い反面、不安もつきもの。SNSやAIで情報があふれる今だからこそ、専門家が監修した正しい情報で安心してほしい。そのために、女性のための健康ラボ『Mint⁺』、ティーンズのカラダとココロに寄り添う『Mint⁺ teens』、そして妊娠期から子育て期を支える『Mint⁺ Hug』の3つの情報サイトを運営して情報発信しています。さらに今年は、『Mint⁺ Hug』内で先輩パパへのアンケートをもとにしたコンテンツ“パパたちのリアル白書”もスタートしました。妊娠期から子育てまで、ふたりで歩むためのヒントにしてもらえたらうれしいです」(倉本さん)
「気合いで乗り切る」はもう古い。産婦人科医×助産師が語る、妊娠中の“本当のからだ”
続いて、産婦人科医の長谷川先生と助産師の坂田先生によるトークセッションへ。
長谷川先生は、つわり・貧血・便秘という妊娠期の代表的な3つの症状を挙げ、「つわりは13週ごろまで続くことが多く、ひどい場合は妊娠悪阻という病名がつくほど。気持ちの問題でも根性でもありません」ときっぱり。「妊娠中は血液量が増えて多くの方が貧血になりやすく、腸の動きが鈍るために便秘も起こりやすい」と、しくみから丁寧に解説しました。
「パートナーに理解されにくい不調」については、長谷川先生は腰痛とお腹の張りを挙げました。「妊娠するとリラキシンというホルモンが出て、靭帯がゆるみます。これは産道を柔らかくするためですが、姿勢を保ちにくくなり腰痛が起こりやすくなります。痛みを伴うお腹の張りは、必ず受診してほしいサインです」とコメント。
一方、坂田先生は「目に見えないだるさ・眠気と、心の不調」と語りました。「妊娠中、寝ても寝ても眠いから横になっていると、パートナーから『また寝てるの?』と悪気なく言われて傷ついた、という声をよく聞きます。ホルモンの影響で気分の波も出やすい時期。"察する"は難しいので、パートナーから声をかけてあげてほしいですし、ご本人からも『こうしてほしい』と言葉にしてほしい」と、双方向のコミュニケーションを呼びかけました。
学びを“自分ごと”に変える「Hug Letter」
講演のあとは、聞いた話を自分の言葉に置きなおす「Hug Letter」の時間。各テーブルに置かれたレターには「今日新しく知ったこと」「印象に残ったこと」「これから気をつけたいこと、大切にしていきたいこと」を書き込む欄が並びます。聞いて終わりではなく、自分のなかに落とし込んでみる。Hug Letterは、その小さな一歩を後押ししてくれました。
匿名だから、言えた。聞けた。リアルな声が交差した「ほんねトーク」
続く「ほんねトーク」は、参加者がスマートフォンで匿名コメントを投稿し、それに先生方が答えていくスタイル。会場からは、普段聞きにくいリアルな声が次々と寄せられました。
「産婦人科や助産師外来に、もっと早く相談してほしいことは?」という問いに、坂田先生は「実家が遠い、不安が大きい、パートナーと意見が食い違う、そんな時は“限界”を感じるもっと前に相談してほしい」と回答。長谷川先生も「胎動が少ないかも、と感じたら、迷わず連絡してください。『何でもなくてよかったね』で帰れるなら、それが一番です」と、迷わず病院を頼ってほしいと語りかけました。
産後ケアの利用については「育児が順調でも、ぜひ利用を」と両先生が同意見。長谷川先生は、「気づかない疲れはどんな方にもあります。使えるものは全部使うつもりで」と話します。
立ち会い出産については、「そばで気持ちのサポートを。喉が乾いていそうならお水を、唇が乾いていたらリップを出す。ママにとっては、そんな先回りの気遣いがうれしいと思います」と坂田先生。一方で「立ち会いはお互い無理をしないで。スマホをずっといじっているのはNGです」とユーモアを交えた本音も。
このほか、無痛分娩のメリット・デメリット、軽い不調の周囲への伝え方など、普段聞きづらいテーマにも、両先生は率直な言葉で応えていました。
「支える」でも「任せる」でもなく、「いっしょに歩む」へ
最後に長谷川先生は、「産婦人科は、妊娠・出産だけでなく、女性のライフステージ全部をサポートする場所です。寄り添ってくれる先生も増えていますから、ぜひ相談してほしい」と語りました。
坂田先生からは、「一番伝えたいのは、産後のサポート体制を妊娠中から整えておくこと。産後3ヶ月は“記憶がない”と言う方も多いほどです。妊娠中のうちに、頼れる先をリストアップし、登録・予約まで済ませておいてほしい。生まれたばかりの赤ちゃんは、本当に小さくて尊い存在。サポートを受け取りながら、“かわいい”を味わってほしい」と応援のメッセージを伝えました。
「支える」でも「任せる」でもなく、「いっしょに歩む」。その選択を、あらためて見つめなおす時間となりました。
(マイナビ子育て編集部)
