【時短料理術】災害時だけじゃない! パッククッキングの実例
パッククッキングという調理方法をご存知ですか? 湯せん可能なポリ袋に食材を入れて、湯せんで火を通す調理方法のことです。災害などでライフラインがストップしても、カセットコンロ・鍋・水・ポリ袋があれば、温かい食事をとることができます。もしもの時にも役立ちますが、日頃から便利に使える調理方法ですので、ご紹介いたします。
パッククッキング、わが家での使い方
こんにちは。ライフオーガナイザーの佐藤美香です。
被災時の調理方法として知られることの多いパッククッキングですが、実は日頃の暮らしにとても取り入れやすい調理方法です。ポリ袋で少量ずつ作れるので、食物アレルギーのお子様がいたり、離乳食を進めている場合など、家族の食事を別々に作らなくてはいけないような時にとても便利。
そんなパッククッキングについて、いくつかの例をご紹介します。
パッククッキングとは、「真空調理」の家庭版で、食材をポリ袋に入れて加熱する調理方法です。
調理の際は、ポリ袋に材料を入れたら、中の空気を抜きます。ポリ袋の余った部分をクルクルと巻き、ポリ袋の端を結ったら準備完了です。湯せんする時間は、鍋の大きさや、火力、材料などによっても変わりますので、実際にやってみてください。
なお、パッククッキングに使用するポリ袋ですが、耐熱性のものをご使用ください。「高密度ポリエチレン」の表示があるもので、食品包装用、食品・冷凍保存用などの表示がしてあるものを選びましょう。透明な袋は熱には耐えられないので使用できません。半透明な袋をチョイスしてください。また、ポリ袋にはマチがないほうが扱いやすいです。
離乳食・食物アレルギーに対応しやすい
離乳食がはじまると、毎回一人分だけ別に作らなくてはいけません。たくさん作って冷凍しておく方法もありますが、パッククッキングでしたら、同じ鍋でいくつかの料理が作れるので、他の家族の食事と一緒に作ることができますよ。
乾麺や乾物なども利用しやすいので、ちょっと疲れて買い物に行きたくない時などに、湯せんだけで調理できるるのは魅力的!
写真は、同じ鍋で作ったそうめんと高野豆腐の煮物です。そうめん20g、水1カップ、めんつゆ大さじ1、ネギ少々を5分程度湯せんしました。高野豆腐は、普段の調味料と水をポリ袋に一緒に入れて、湯せんしています。
レトルト食品がわりにも使える
ご主人の帰りが遅い場合や、お子様が塾やバイトで帰りが遅い場合など、夕食を作っておいても、外で食べてきてしまい無駄になったなんて経験はありませんか?
パッククッキングなら、材料をポリ袋にセットしておいて、必要なら湯せんにかけるなんてこともできるので、せっかく作った材料やかけた労力が無駄になるのを防げます。
お弁当のおかずも作れる
ひとつの鍋で何種類も作ることができるので、いくつかの食材を少しずつ入れたいお弁当にも向いています。
わが家は、お弁当におかずを3種類入れているので、味付けした肉、野菜、乾物を湯せんにかけることが多いです。それぞれ別のポリ袋に調味料と一緒に入れて、湯せんしますが、油を使わないので、ダイエット中の方にもオススメです。
パッククッキングが時短になる! メリットとは
パッククッキングは、時短につながる調理方法でもあります。忙しい朝の時間や、疲れて帰ってきた時に、ぜひ取り入れてみてください。
洗い物が減る
なんといっても、調理した時の洗い物が少ないのは魅力です。お鍋ひとつで作れるので、調理で出る洗い物は鍋ひとつです。また、パック(ポリ袋)に入れて湯せんをしているだけなので、鍋自体も汚れません。ということで、私は洗いもせずに、さっと拭いてしまう程度です。
洗い物を減らすことは、時短だけでなく、エコにもつながってくれます。
他のことができる
ポリ袋に、朝食やお弁当の材料を入れ、湯せんにかけたら、でき上がるまでの間に、夕飯の準備や、身支度など他のことをすることができます。とはいえ、火の扱いにはくれぐれも気をつけてください。1分でも惜しい忙しい朝には、利用しない手はないですね。
家族に頼める
究極の時短は、「やらない」または「他の人にやってもらう」だと思っています(笑)。
パッククッキングなら、材料を袋に準備しておけば、料理が苦手なご家族にもお願いしやすいです。ご家族に頼む場合は、あらかじめ湯せんにどれくらいの時間がかかるかが分かるものをお願いするようにしましょう。どれくらいででき上がりか分からないと、頼まれたご家族も不安ですし、何度も聞かれ、そのたびに手をとめなくてはいけなくなると、かえって時間がかかってしまいます。
パッククッキングで「ちょっと困った」を解決できたこと
他にもパッククッキングを取り入れるメリットは、たくさんあります。日頃のちょっと困ったことや、面倒だなと思うことも解決してくれるので、ご紹介いたします。
少しだけ残った食材を利用しやすい
何かのお祝い事や、お客様が来客時など、張り切ってお料理する際は、普段購入しない食材を購入することがありますよね。使い切れれば良いですが、少しずつ残ってしまった場合、冷蔵庫の奥に入れたまま忘れてしまうことも……。パッククッキングなら、少量ずつ作れるので便利です。
わが家では、もち米など、炊飯器で炊けない量が残ることがあります。そんな時は、パッククッキングでおこわにして消費しています。
写真は、もち米1/2カップ、水3/4カップ、豚挽き肉50g、めんつゆ小さじ2、砂糖小さじ2、桜えび・干し椎茸大さじ1程度を、30分ほど湯せんしたものです。最初にポリ袋に、調味料とひき肉・桜えび・干し椎茸を入れ、混ぜてから、米と水を入れています。
同じ材料で別々のものを作りやすい
家族が多い場合、食事の好みが分かれることも多いですよね。例えば、カレーやシチューの場合は、同じ材料を使えるので、ポリ袋に同じ材料を入れ、ルーだけ別にするということもできます。合わせて、肉じゃがをプラスしてもいいですね。
少量ずつ別の鍋で作るのは面倒ですが、パッククッキングなら袋を別にするだけで済みます。毎日皆の意見をきくのは大変ですが、たまには皆が好みのものを食べるのもいいですよね。
小さな手間をなくしてくれる
サンドイッチや、ロールサンドを作る時に、具を入れるのが面倒だと思ったことはありませんか? 特に卵は、ゆでて、潰して、味付けして、挟むと工程が多く、ポロポロこぼれたものを拭く作業も面倒と感じてしまいます。ですので、ポリ袋の利点を最大限活用しています。
ポリ袋に入れ湯せんした後、少し冷ましたら、袋の上から玉子を潰し、ポリ袋の中に塩コショウ・マヨネーズを入れて混ぜます。後は、袋の端をハサミで切ったら、パンの間に絞り出すだけです。この方法なら、手も汚れませんし、お子さまにお願いすることもできますね。
まとめ
防災時の調理方法と思うと、取りかかりにくいかもしれませんが、普段の暮らしに取り入れてこそ、もしもの時に役立てられるのではないでしょうか? 暮らしを楽にすることもできる調理方法ですので、ぜひお試しください。