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2022年12月08日 16:52 更新

【助産師解説】新生児の赤ちゃんがうなる原因は?睡眠中や苦しそうな場合の対応

新生児期のうなり声を気にするママは意外に多いもの。1ヶ月健診での相談も少なくないようです。この頃の赤ちゃんがうなるのには、どのような原因があるのでしょうか?対応も含め、助産師が詳しく解説します。

新生児がうなる原因

うなることもある睡眠中の新生児
Lazy dummy

新生児のうなり声に関する質問は少なくありません。もしかして自分の赤ちゃんだけ?何かおかしいの?と心配しているママは、そんなに珍しい現象ではないので安心してください。では、この頃の赤ちゃんがうなるのには具体的にどのような理由があるのでしょうか?考えられる3つの原因についてまとめました。

1. 生理現象のひとつ

この頃の赤ちゃんがうなり声を出すのは、よくあることのようです。特に、夜寝静まったときや明け方に「う~」とうなることは、多くの赤ちゃんに共通して見られる現象といわれます。このような現象がなぜ起こるのか、はっきりとした原因はわかっていませんが、病気の兆候や苦しんで出している声でない場合がほとんどなので、他に気になる症状がなく、赤ちゃんが元気に過ごしているようなら特に心配することはないでしょう。

赤ちゃんによっては、産後1ヶ月近く経つと、明け方になると眠りが浅くなる睡眠リズムになってくる子がいます。もしかしたら、半分覚醒したような状態になったことで単純に声を出している可能性もあります。筋力が発達してきたら、眠りが浅いときは体をくねらせたり、足を持ち上げるような行動が見られることもあるようです。

いずれにしろ生理現象のひとつなので、心配しなくても大丈夫です。

2. 母乳やミルクの飲みすぎの可能性

ミルクの与えすぎはうなり声の原因の一つ
Lazy dummy

ひとつのケースとして、母乳やミルクの飲み過ぎでうなっていることもあります。
母乳やミルクの飲みすぎによって、吐き戻しが多くなったり、苦しくて泣いたりすることがあります。多くの場合、母乳が不足しているのでは? との考えから、必要以上にミルクを足してしまうことで招いてしまいます。

授乳直後なのに赤ちゃんが泣いたり、いつまでもぐずったりしていると、もしかして飲む量が足りていないのでは? と心配になり、ミルクを足してしまいがちになります。でも、本当は飲み足りなくて泣いているのではなかったら、赤ちゃんは飲みすぎた分を勢いよく吐き、再び泣くことでまたおっぱいやミルクを与えられ、また吐き……という悪循環が生まれます。この状態になると、赤ちゃんは吐いたり泣くとともに、苦しくてうなり声をあげることも多くなります。

赤ちゃんが苦しそうに顔を真っ赤にしてうなる、お腹がぱんぱんに張っている、反り返る、飲んだ後に鼻をぐずぐずさせるなどの症状が見られるときは、母乳やミルクの飲みすぎの可能性があります。心配なことがあれば、かかりつけの医師などに相談しましょう。

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赤ちゃんの飲み過ぎについて、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎過飲症候群とは? 母乳・ミルクの飲みすぎによる症状と泣き止まないときの対処

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3. いきんでいる可能性

赤ちゃんがうなる要因として、もうひとつは、いきむときの声がうなり声に聞こえている可能性も考えらえます。この頃の赤ちゃんは寝ているとき、起きているときに関わらず、よくいきむことがあります。こちらもはっきりした理由はわかっていないのですが、生後1ヶ月(生後4週)までが新生児期ですが、それ以降には消化器官も発達してくるので、うんちが腸にたまるようになったことで、それを出そうと反射的にいきんでいるのでは?との見解があります。

うなり始めたのが生後1ヶ月前後で、起きているときもよく「う~」としているという場合は、単純にうなっているだけなのか、身体に力を入れているかを確かめてみましょう。

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新生児ごろの便秘について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎新生児の便秘の症状って?

赤ちゃんがうなるときの対応方法

では、赤ちゃんがうなるときはどう対応すればいいのでしょうか。要因によって対処は変わってくるので、まずはうなり声以外の症状や赤ちゃんの状態である程度原因を見極めておき、それによって対応を決めるようにしましょう。

うなる以外の症状が見られないときは

うなる赤ちゃんを抱き上げたママ
Lazy dummy

うなるという以外に他の症状が見られず、赤ちゃんの機嫌や飲みっぷりもよくて、特に気になるところがないという場合は、生理的なうなり声の可能性が高いです。この場合は積極的な対応は特に必要ありませんが、夜中や明け方にうなるようであれば一度抱き上げたり、背中をさすってみましょう。体勢が変わったり気持ちが落ち着くことで、またすやすやと眠りにつくことがあります。

はっきり目覚めてしまったときは、何かしらの不快感があってうなっている場合もあるので、オムツの交換や授乳など、お世話が必要でないか確かめてみてください。起きてしまったことで単純に声を出して遊んでいるだけのようであれば、放っておいても大丈夫でしょう。パパやママに元気があれば一緒に相手をしてあげてもいいですね。

いきみや飲みすぎによるうなり声の可能性がある場合は

うなり声とともに苦しい様子が見られるときは、
 ・吐き戻しが多くないか
 ・うんちは定期的に出ているか

など、気になる症状がないか確かめましょう。

うんちが毎日出ていなくても同じペースで排便があり、よく飲んで体重の増え方も順調であれば、便秘の心配はありません。身体に力を入れてうなっている様子が見られても、発達過程での生理的ないきみと考えられます。気になるときは、かかりつけの小児科を受診してみてください。

吐き戻しが多いなど母乳やミルクの飲みすぎが疑われるときは、まず飲ませたあとに必ずしっかりゲップをさせましょう。お腹がぱんぱんでよくぐずったり、苦しそうにしていることが多いときは、ミルクを足し過ぎていないかなどを確認しましょう。授乳直後に泣いていてもすぐに空腹と判断せず、抱っこであやしたり、オムツを交換したりと、授乳以外のお世話をためしながら赤ちゃんの機嫌をチェックしましょう。赤ちゃんが泣くのにはさまざまな理由があるので、何を求めているのかを感じ取ってあげることが大切です。

これらでなかなか改善せず、苦しそうな様子も見られる場合は一度かかりつけ医に相談してみるといいでしょう。

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ゲップの方法やお腹の張りについて、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎新生児のゲップが出ない時の対処法|簡単な方法とコツ
関連記事 ▶︎新生児のお腹がパンパンに!主な原因と対処法

まとめ

うなり声の後にあくびをする赤ちゃん
Lazy dummy

新生児期や生後1~2ヶ月頃の赤ちゃんがうなるのは、珍しいことではありません。多くの赤ちゃんに見られる現象なので、自分の赤ちゃんだけと心配せず、その理由が何かを見極めましょう。赤ちゃんがうなるはっきりとした原因はわかっていませんが、飲んだ直後のうなりは、排気不足が原因なことが多いのでまずはしっかりげっぷをさせてあげることも大切です。ただ、中には飲みすぎがうなりの原因になっていることもあるので、母乳量やミルク量をたしかめるどの対応をしてみましょう。。

(文・構成:マイナビ子育て編集部、監修・解説:佐藤裕子先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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