【助産師解説】新生児のゆるゆるうんちは下痢?回数・色・状態は?
新生児のうんちは、大人とはかなり違うんです。少々緑がかっていても、下痢かと思うほどゆるゆるでも、多くの場合は心配なし! ではどんなときが心配? 健康のバロメーターでもある赤ちゃんのうんち、どこをチェックすればよいか、助産師さんが解説します。
新生児のうんち、どうだった?(体験談)
新生児のうんちの特徴
新生児のうんちは、生後3~5日ほどで粘り気がある黒褐色~緑色から黄色に変化します。その後は、その子の母乳やミルクの飲み方などにより、回数や状態が違ってきます。
どんどん変わる新生児期のうんち
新生児のうんちは、3~5日ぐらいの間に、胎便→移行便→普通便と変化していきます。
胎便とは、生後48時間以内に新生児がするうんちのこと。飲みこんだ羊水や、腸管の分泌物、胆汁色素や脂肪などが含まれ、ねばねばで黒褐色~緑色をしています。生後24時間までに初めてのうんちが出て、その後2、3回排泄されます。
母乳やミルクを飲み始めると、緑色~黄色の水っぽいうんちが出ます。これが移行便です。その後、生後3~5日ほどで黄色っぽいドロドロした普通便と呼ばれるうんちになります。
母乳栄養の赤ちゃんのうんちは水分が多くゆるめで、ミルクを飲んでいる赤ちゃんはやや硬めのうんちになります 。
うんちのにおいがしないうんち
生後初めてのうんちは無菌なので、においがありません。その後は菌が増え、黄色便になると徐々ににおいが出てきます。母乳栄養の赤ちゃんのうんちは甘酸っぱい、お米を炊いた時の匂いやヨーグルトのようなにおいがします。これは、新生児のうんちにビフィズス菌が多く含まれるためです。ミルクの赤ちゃんのうんちは少し便臭があります。
新生児はゆるゆるうんち
新生児のうんちはゆるゆるで、大人でいうと下痢のような水っぽい状態が普通です。特に母乳の場合は「母乳便」という水分の多い便が出ます。
うんちの回数も頻繁で、1日に10~20回ぐらい出ることもあります。生後1ヶ月ぐらいまではまだ腸に便をためておくことができないため、授乳するとすぐに腸が動いて排便することも多いからです。
新生児のゆるゆるうんちは下痢?
母乳を飲むとすぐにうんちが出たり、まるでおしっこかと思うような水っぽいうんちが出たりすると、「この子、大丈夫かな?これは下痢?」と不安になるママも少なくないようです。生後1ヶ月ぐらいまでの新生児のうんちについて、状態などを知っておきましょう。
新生児のうんちはゆるいもの
新生児のうんちはゆるゆるで、大人でいうと下痢のような水っぽい状態が普通です。特に母乳の場合は「母乳便」という水分の多い便が出ます。
新生児のうんちが水っぽいのは、便を作る腸が未発達で、水分を吸収する機能がまだ弱いからです。
うんちの回数も頻繁で、1日に10~20回ぐらい出ることもあります。生後1ヶ月ぐらいまではまだ腸に便をためておくことができないため、授乳するとすぐに腸が動いて排便することも多いからです。
うんちがゆるくても、体重が順調に増え、機嫌よく元気に母乳やミルクを飲んでいれば、心配の必要はないでしょう。
こんなうんちは大丈夫?
普通便になっても緑色っぽいうんちが出ることがありますが、心配ありません。これは黄色のビリルビン(胆汁色素)が腸内で酸化されて緑色になるためです。
また、白いつぶつぶ(顆粒)が混じっているのは、乳成分が固まったもので、これもよくあります。
便秘かな?と思ったとき
うんちが出ないとき、吐くことなく母乳やミルクを飲んでいれば2~3日様子をみてもいいですが、綿棒でおしりを刺激してあげる方法も試してみてください。
・綿棒刺激
綿棒にベビーオイルをつけ、肛門をつつく。変化がなければ、肛門から1~2cmほどの深さまで綿棒を入れ、2~3回ゆっくりと回す。
母乳やミルク不足でうんちが出ない場合もあります。飲む量に不安がある場合や、綿棒刺激の効果がない場合などは医師に相談してください。
「普段のうんち」を知っておく
赤ちゃんのうんちの色、かたさ、回数などは個人差があります。1日に10回出る子も、1回の子も、それがその子の「普通」のペースで、機嫌よく過ごしているのなら心配はいりません。
うんちは健康のバロメーターでもあるので、異変に早く気づくには、日頃からその子のうんちを観察して、「普段のうんち」の状態を知っておくことが大切です。
こんなときは小児科受診を
いつもよりうんちの回数が多く、より水っぽい、においが強い・臭い、色が違うというときは注意深く観察しましょう。次のような状態のときは受診が必要です。
・水のような便で、あやしても笑わずぐったりしている
脱水症状を起こしていることが考えられます。すぐに受診しましょう 。
・赤や黒のうんち
腸管の出血で血液が混じっていることが考えらえます。赤ちゃんの腸管は刺激に弱いため、うんちが固くて一時的に出血したならすぐ元に戻ります。
・白い便
胆のうの病気が原因の場合があり、注意が必要です。灰白色で固さが普通の便、お米のとぎ汁のような白っぽい下痢便のようなときは、すぐに受診しましょう。また、ロタウイルスに感染した時も白い下痢便が出ます。
排便の様子がいつもと違い、嘔吐を伴うとき、熱があるときも、ウイルスや菌に感染していることがあるので、早めに受診しましょう。
便の色や状態に異変を感じたら、スマホなどで写真を撮り、おむつをビニールに入れ、口を閉めて持参して受診すると診断の役に立ちます。
ただし、感染症の場合は隔離が必要なことがありますし、うんちを持ち歩くのにもリスクがあるので、受診前に病院にまず電話をしてから行くといいでしょう。
新生児のうんちのときの上手なおむつ替えのコツ
赤ちゃんの皮膚はとってもデリケートです。うんちは皮膚への刺激が特に強いので、うんちが出たらすぐにおむつを替えてあげましょう。
おむつかぶれを防ぐ拭き方
おむつかぶれ(おむつ皮膚炎)を防ぐには、清潔と乾燥が必要です。
女の子のデリケートゾーンは上から下(肛門)方向に拭き、割れ目の部分も毎回広げてやさしく拭きます。 男の子は陰のうの後ろもきれいに拭きます。
拭き終えたら、ママ(パパ)の手をアルコールで消毒し、清潔を保ちましょう 。
おしりが赤くなってきたら臀部(でんぶ)浴がおススメ
おしりが赤くなってきたら、おむつかぶれの前兆です。おしり拭きでぬぐうだけでなく、ぬるま湯で洗ってあげるとよいでしょう。洗面器にお湯をはり、おしりだけをお湯につけて、ガーゼなど柔らかい布で汚れを軽く取り除く「臀部浴」がおすすめです。ビデ容器か霧吹きにぬるま湯を入れて洗ってもいいです。洗ったあとは乾いた布やキッチンペーパーで水分をよく拭き取るなどして乾かします。おしりが赤くなくても、おむつかぶれの予防としてベビーローションやワセリンをおしりに塗っておくのも効果的です。
おむつかぶれがひどく、赤くただれたり出血があるようなら、小児科か皮膚科を受診しましょう。
まとめ
赤ちゃんのうんちは個人差があるので、その子の日頃の回数や色、状態をよく知っておくことが大切です。機嫌や母乳やミルクの飲み方、量とあわせて観察しましょう。回数が多いときは、おむつ替えをこまめにして保湿を保ち、おむつかぶれを予防しましょう。
(文・構成:マイナビウーマン編集部、監修・解説:清水茜先生)
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※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます