【医師監修】喃語(なんご)はいつから?出ないときの注意点
喃語(なんご)という言葉を聞いたことがなくても、赤ちゃんが「アー」や「ウー」などと発声する様子を見たことがある人は多いのではないでしょうか。今回は赤ちゃんの喃語について、まとめてみました。
喃語とは
赤ちゃんの泣き声や笑い声以外の発声を、日本語では「喃語」と呼んでいます。
子供の言語の発達
生まれてすぐのころは泣き声だけですが、次第に「アー」や「ウー」のような声を発するようになります。さらに「アウ」や「バブ」など二つ以上の音声を出すようになりますが、意味のある言葉として出してはおらず、これらを総称して「喃語」と呼びます。
やがて身近なものには名前や呼び方があることを理解し、意味のある言葉を話すようになっていきます。
喃語が出ない!
喃語を発する様子が見られないと、何か問題があるのではないかと心配になってしまうかもしれません。3つのポイントに分けて様子を見ていきましょう。
もし心配があるなら…①発声に関わる問題?
泣き声が出ているなら問題はないでしょう。
もし心配があるなら…②聴力の問題?
医療機関で「新生児聴覚スクリーニング検査」を受け、問題がなければ大丈夫なことがほとんどですが、赤ちゃんが聞こえていないような気がするときは受診しましょう。
もし心配があるなら…③発達の遅れの問題?
たとえ喃語が出なくても、周囲の人が歌ったり声をかけたり、あやしたりすると反応する、働きかけに応えてくれる、という実感があれば大きな発達の遅れはないと考えられます。しかし、赤ちゃんの反応や応答に不安があるときは、かかりつけの小児科医などに相談してみましょう。
赤ちゃんとのお話を楽しもう
喃語の多さ、少なさには個人差があるので、喃語が見られないこともあります。赤ちゃんの喃語とどう関わればいいのかをまとめてみました。
たくさん声かけを
赤ちゃんは生後4ヶ月ごろになると、あやすと微笑み返すなど、ほかの人との関わりの中で反応を示すようになります。
「アーアー」など喃語を出したときにも、周囲の人が同じ声を出して返したり、「お話をしてるのね」など語り掛けたりすると、赤ちゃんは反応してくれたうれしさを感じるようです。言葉はまだ話せない段階でも、人とコミュニケーションを取るのが楽しい、という意識は芽生えているのかもしれませんね。
赤ちゃんの五感を刺激するコミュニケーションの機会をつくり、「お空がきれいだね」、「風が気持ちいいね」と語りかけたり、お世話のときにも「おしりをきれいにしようね」など声をかけたりしてみましょう。
テレビの長時間視聴をさせないようには注意を
一方、人との関わりが少ないと、喃語などを声に出す頻度や種類が少ないと言われています[*1]。乳幼児の言語能力は、周囲の人との関りの中で発達します。テレビや動画を長時間にわたって見せることはなるべく避け、起きている間は赤ちゃんとの関わりの時間を持てるようにしたいですね。
喃語のことで相談したいときは
特に喃語のことで心配する必要はありませんが、赤ちゃんの発達・発育に関して気になることや聞いてみたいことがあるときは、健診のときに医師や保健師・助産師に相談したり、普段診てもらっている小児科の先生に相談するといいでしょう。
まとめ
喃語は成長段階で必ず見られるものではなく、全く喃語を発しないまま、言葉をしゃべり始める子供もいます。子供の性格や性質はそれぞれ違うので、喃語のことで過剰な不安や心配になる必要はないでしょう。
一方、音に反応していない様子がある、親からの働きかけに無反応、というときは発達上の問題がある可能性もあります。気になるときは、小児科医に相談をしてみましょう。
(文:剣崎友里恵/監修:梁尚弘先生)
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