
【医師監修】着床出血が起こるころ、生理痛があったら? 着床と何か関係はあるの?
着床出血が起こるのは、生理周期がずれなければ、生理開始予定日より少しだけ早いころから。いつもより早めに生理痛が出てきたな……と思っていたら少しだけ出血が! そんなとき、これが着床出血である可能性はあるのでしょうか? ここでは、着床出血と生理痛の関係について考えてみましょう。
着床出血が起こるのはいつ?


まず、着床出血が起こるのは普通、だいたいいつごろなのかを確認しておきましょう。
生理開始予定日、またはその数日前から
着床出血は、文字通り「着床」によって起こります。着床は「受精卵が子宮内膜にもぐり込んでいくこと」で、受精卵が着床し始めるのが受精後5~6日ごろ、着床完了するのが12日ごろです。
つまり、生理開始予定日の数日前から着床は起こっており、そのころから生理開始予定日あたりにかけて、着床出血はみられます。
なお、着床出血は「出血」というほどの量はなく、少量の血が混じって薄いピンクや茶色に見えるおりものが、下着やトイレットペーパーに少し着く、という程度のことが多いようです
着床出血はない人のほうが多い
なお、妊娠をいまかいまかと待っているとき、着床出血がないと妊娠していないのでは……?と心配になるかもしれませんが、着床出血は実はない人のほうが多いのです。
着床出血があるのは、妊娠した女性のうち8~25%[*1]とされています。
着床出血には生理痛のような痛みもある?
着床出血が起こる時は、生理痛のような腹痛も起こるのでしょうか。
基本的にはないが、違和感を覚える人も
着床出血の時、痛みを感じることはあまりないとされていますが、中には、下腹部にごく軽い違和感やひきつれのある人もいます。ただし、それは生理前に起こるPMS(月経前症候群)でも起こりうるので、着床に関係するかどうかを症状だけから知ることはできません。
その他の生理との違い
さきほど紹介したとおり、着床出血は普通、生理より軽い出血です(もともと生理の出血量がだいぶ少ない人では、着床出血との違いがはっきりしない可能性はあります)。また、着床出血が続く期間は生理より短く、数時間~3日間程度のことが多いとされています[*2]。
着床出血なのかどうかを調べる方法
さきほど紹介したように、着床出血で腹痛を覚えることは通常あまりないとされていますが、中には軽い違和感やひきつれを感じる人もいるかもしれません。ただ、そういった症状は生理痛でも起こる可能性があります。両者を区別するにはどうすれば良いのでしょうか。
妊娠検査薬か基礎体温を調べる
妊娠検査薬を使ってみる
ひとつの方法は、妊娠検査薬を使ってみることです。ただ、着床出血が見られてすぐだと、通常タイプの妊娠検査薬を使うにはまだ早すぎます。生理開始予定日の1週間後になったら試してみましょう(生理開始予定日から使用できる「早期妊娠検査薬」というタイプも)。
通常タイプの妊娠検査薬を推奨期間より早く「フライング」で使う人もいますが、その場合、実際は妊娠しているのに陰性と表示される可能性があること(偽陰性)には十分注意してください。
基礎体温の動きを確認する
基礎体温を記録していて、高温期と低温期に分かれている人なら、基礎体温から妊娠の可能性を知ることもできるでしょう。高温期が17日以上続いていると妊娠の可能性が高くなります。この状態を確認したら、妊娠検査薬を使ってみましょう。
まとめ
着床が起こるころは、たとえ妊娠していたとしても、体には微妙な変化しか現れないことが多いものです。生理による症状となんとか見分けて「妊娠しているかどうか知りたい!」と願う女性は多いかもしれませんが、残念ながら症状だけから妊娠の有無を知るのは難しいのです。正しい使い方で妊娠検査薬を試してみて、陽性が出たら、産婦人科で妊娠を確定してもらってくださいね。
(文:マイナビ子育て編集部/監修:窪 麻由美先生)
※画像はイメージです
[*1]池ノ上克ほか「NEWエッセンシャル産科学・婦人科学」(医歯薬出版)p.327
[*2]American Pregnancy Association:What is Implantation Bleeding?
※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
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