離乳食のブリはいつから?下処理や冷凍方法、後期・完了期レシピ【管理栄養士監修】
脂がのったブリはとてもおいしいものですが、赤ちゃんもブリを食べることができるのでしょうか。今回は、離乳食でブリを取り入れる際の注意点や開始時期の目安などを解説します。赤ちゃんもほかの家族もみんなで楽しめるブリのおすすめレシピ、ぜひお試しください。
ブリ、赤ちゃんは離乳食でいつから食べていいの?
離乳食のブリは後期から
・後期の調理:茹でて、粗くほぐしてから調理
・完了期の調理:茹でて、ほぐしてから調理
青魚は赤身魚に比べると脂肪分が少し多めです。ブリは初期・中期には不向きな食材なので、後期(生後9ヶ月ごろ)から始めます。
ブリはどんな魚?
ブリは出世魚と言われ、関東地方では成長するにつれて「ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ」、関西地方では「ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ」などと名前が変わり、日本人にとってなじみの深い魚です。
一般的に「ブリ」は天然魚と養殖魚を含む総称、「ハマチ」は養殖魚の意味で区別されることが多いそうです。
ブリの栄養
ブリには筋肉や血液のもととなるたんぱく質が豊富に含まれています。また鉄分、骨形成に必要なビタミンD、身体に良い脂のDHA・EPAが補えます。ただし、「栄養が豊富だから」と過剰に取り入れるのではなく、野菜などと組み合わせて食べましょう。
離乳食には背の部分を
脂がのったブリはおいしいのですが、赤ちゃんには脂肪分が多いものを避けたいので、ブリの腹の部分は使用せず、背の部分を使って調理しましょう。
ブリの1回あたりの目安量は?
魚や肉は、1回あたりの目安量が同じです。ですが、この量にとらわれすぎるのではなく、あくまでもごはん(おかゆ)や野菜を食べているかな?というバランスにすぎませんし、母乳やミルクを飲んでいる量などにも関係します。なんとなくこのくらいかな?と不安になった時に考える目安にしてみてください。
離乳後期の目安量:15g程度
離乳完了期の目安量:15-20g程度
離乳食のブリ、下処理と調理のポイント
ブリの下処理
ブリに限らず、魚は骨や皮がありますので、しっかり骨を取り除きましょう。
取り除く時は、しっかり手で確認するのがおすすめ。手でさわることで、かたい骨をみつけやすくなります。箸だけでやろうとすると、見逃してしまうことがあるので気を付けてくださいね。
ブリは少し臭みがありますので、しっかり茹でて、茹で水は使わないほうがいいでしょう。
ブリは十分に加熱しよう
ブリは刺身で大人は食べることがありますが、赤ちゃんは食中毒菌には弱いので、ブリを十分に加熱して殺菌しましょう。
なお、ブリの骨は大きく、皮は厚みがあるので外しやすいのですが、加熱した方がより取り除きやすくなります。
ブリを離乳食用に冷凍保存する時は?
加熱してから冷凍保存
茹でてからほぐして、1回分の量ごとに小分けにして冷凍すると便利です。冷凍する時には、なるべく空気が入らないようにすることがポイント。空気が入ってしまうと酸化しやすくなります。しっかりラップで包むか、蓋つきの容器で冷凍するといいですね。
生のままで保存してもOK
大人用のブリの刺身などが少し余ったら、そのまま冷凍してもOK! 刺身1切れ分がだいたい離乳食の1回量くらいになりますので、1切れずつしっかり空気が入らないようにラップをして、さらに保存袋に入れて保存しましょう。
冷凍したものは1週間を目安に使い切りましょう。
ブリは青魚だけどアレルギーの心配は?
青魚は、アミノ酸の一種「ヒスチジン」が白身魚より多く含まれます。このヒスチジンを多く含む食品は、常温で放置するとヒスタミンが増えます。
ヒスタミンは、食べると痒みなどがみられたり、発疹が出たりしてアレルギー反応のような症状を起こします。これは本当のアレルギーではなく、ヒスタミン中毒などと言われる仮性アレルギーです。予防のためにも、新鮮な魚を選ぶことや保管が大切です。
ブリの離乳食おすすめレシピ! 後期・完了期
<離乳後期のレシピ>ブリ大根風
■材料(1回量)
・ブリ刺身 1切
・大根 30g
・醤油 少量
・砂糖 少量
・水溶き片栗粉 小さじ1/2(水:片栗粉=1:1)
・だし汁 大さじ3〜4(材料が浸かるくらい)
■作り方
① ブリは茹でてほぐす
② 皮をむいた大根はやわらかく茹でて、薄いいちょう切りにする
③ 耐熱容器に①②と醤油・砂糖、材料が浸るくらいのだし汁を入れてラップをかけ、電子レンジ(600W)で1分ほど加熱する
④ 水溶き片栗粉を混ぜて、電子レンジ(600W)で20秒くらい加熱してとろみをつけて完成
<離乳後期のレシピ>ブリのトマト煮
・ブリの刺身 3切程度(約40g)
・トマト 中1/10個(約40g)
・玉ねぎ 1/12個(約20g)
・オリーブ油 少量
・塩 少量
・水 適量
■作り方
① ブリは茹でてほぐす
② トマトは湯むきして種や皮を外し、玉ねぎは皮をむいてやわらかく茹でる。両方とも1cm角に切る
③ フライパンにオリーブ油を熱し、②と塩を入れて炒めて、①と材料がかぶるくらいの水を入れ水分が少なくなるくらい火を通して完成
■ワンポイントアドバイス■
<離乳完了期のレシピ>ブリの味噌煮
■材料(約1回量)
・ブリ 刺身3切程度(約40g)
・小麦粉 適量
・油 少量
・味噌 小さじ1/4
・砂糖 小さじ1/4
・水 大さじ2
■作り方
① ブリに小麦粉をまぶす
② フライパンに油を入れて熱し、①を両面焼く
③ 味噌・砂糖・水を入れて混ぜ合わせる
④ ②に③の調味料を入れて煮からめたら完成
まとめ
ブリを調理する時は、新鮮なものを選び、温度管理には気をつける必要があります。刺身を使えば骨や皮の心配もなく調理しやすいですし、焼き魚から赤ちゃん分を取り分けるのもおすすめです。同じ材料でも、味付けなどを変えるだけで家族みんなでおいしく食べられますよ。
なお、ブリの腹側の身は脂肪分が多いので大人が食べて、背側の身を赤ちゃんにあげましょう。手間が少なくなる取り分けメニューにぜひチャレンジしてみてくださいね。
(文:夏目千恵子 先生、監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです