
赤ちゃんに牡蠣はいつからOK? 離乳食での注意点【管理栄養士監修】
今回の離乳食テーマは「牡蠣」。濃厚な味わいが魅力で栄養価が高い食材なので、赤ちゃんにも食べさせたいと思うご家庭もあるでしょう。でも、離乳期の赤ちゃんは牡蠣を食べられるのでしょうか。牡蠣を離乳食に使う際のポイントなどについて解説します。
牡蠣、赤ちゃんは離乳食でいつから食べていいの?
牡蠣は濃厚な旨味が特徴の二枚貝で、世界各国で食され、ヨーロッパでは「海のミルク」と呼ばれています。 糖質をしっかり含むほか、亜鉛などのミネラル類も豊富です。 赤ちゃんはいつから牡蠣を食べられるようになるのでしょうか。

・完了期の調理:弾力がある部分は避け、食中毒防止のため中心部までしっかり火を通しましょう
かたさと食中毒に注意

牡蠣は初期の赤ちゃんが食べられるようなペーストにしにくく、また、弾力があるため後期になっても嚙み潰しにくい食材です。弾力がある部分を避ければ、離乳完了期ごろから加熱した牡蠣を食べることはできます。
牡蠣はノロウイルス食中毒の原因食品となる頻度が高く、感染した場合の症状が重いため、抵抗力が低い離乳期はいつも以上に加熱時間を意識して調理した物を与えるようにしましょう。調理に自信がない場合は避ける方が無難かもしれません。
離乳食の牡蠣、調理のポイント
離乳期の赤ちゃんに牡蠣を与える場合は、加熱方法と部位選びが重要となります。
中心までしっかり火を通す

牡蠣はノロウイルスを含む可能性があります。与えたいと思った場合は牡蠣の中心までしっかり火を通します。中心部の温度を90℃まで上げ、その温度を1分30秒以上維持するようにします。
加熱だけでなく調理器具の洗浄も大事
牡蠣を調理する際に、まな板や包丁がノロウイルスで汚染されることがあるので、使用後は洗浄や熱湯消毒等を行いましょう。まな板などをよく洗わないまま別の食材に使ってしまうと二次汚染の危険があります。また、調理した人の手指も調理の前後にしっかりと洗浄を行いましょう。
なお、ノロウイルスは主に牡蠣の内臓(特に黒く見える中腸腺)に存在しているので、牡蠣の表面を洗うだけではほぼ除去できません。
参考:厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」

かたく弾力がある部分は避けて
貝殻との接着部分などはかたくて弾力があります。やわらかい部分を切り分けてあげましょう。
牡蠣の離乳食、よくある疑問
「牡蠣を使ったソースは?」「ナマ食は?」など、牡蠣の離乳食についてよくある疑問について見てみましょう。
離乳食にオイスターソースは使っていい?


オイスターソースなどの調味料は製造時に加熱殺菌工程が入るため、ノロウイルス食中毒のリスクはないでしょう。ただし、味が濃いので離乳食に使う場合はほんの少しするといいですね。オイスターソースを使った料理を取り分けする際も、茹でこぼす※などして薄味にしましょう。
※茹でこぼす:材料を茹でて、茹で汁は捨てること
生牡蠣はいつから食べさせていい?

加熱しない牡蠣をいつごろから食べさせていいのかについて、明確な決まりはありません。牡蠣の生食はノロウイルス感染リスクが非常に高い食べ方です。生の貝は消化もよくないので、乳幼児期にはお勧めできません。
まとめ

クリーミーで旨味たっぷりな牡蠣。離乳完了期であれば食べられなくはないですが、食中毒の原因となるリスクが高いため、抵抗力が低い赤ちゃんは、万が一のことを考えて避けた方が良い食品と言えます。もう少し大きくなったらカキのグラタンなど、家族一緒に楽しんでくださいね。
(文:奥野由 先生、監修:川口由美子 先生)
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