「毎日学童は可哀想」? ワーママの「罪悪感」を考える #岩橋ひかりのキャリアの引き算
ワーママの頭の中は、育児や家事や仕事……すべてが同時のマルチタスク。日々そんな状態で、みなさん疲れてしまっていませんか? キャリアコンサルタントの岩橋ひかりさんが、忙しいワーママたちに「引き算」の考え方や岩橋さんが実践している方法をお伝えしていく連載です。
今日の引き算は「罪悪感の引き算」
夏休みがはじまりました。
緊急事態宣言が発令される中での東京オリンピック開催と、経験したことのない非日常な状況が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?
非日常な状況であっても、その年齢で過ごす夏は人生一度だけ。
夏休みは貴重な時間です。
とはいえ、子どもたちの夏休み期間中も、大人は通常稼働。
「仕事がなければ、もっと子どもと一緒に過ごしてあげられるのに」
「毎日学童は可哀想」
「塾の夏期講習で埋め尽くされる夏休みでいいのだろうか?」
そんな葛藤を抱いたり、
「毎日、お弁当つくるのは大変すぎる」
と辛く感じたり。
ともすれば、自分が仕事をしているせいで……と罪悪感を感じてしまいがちな夏休み。
夏休みをどう過ごすのかは、小学生のお子さんを持つワーキングマザーにとってなかなか難しいテーマでもあります。
我が家は、長男が小5、長女が小1と、子どもたち2人ともが小学生になって迎える初めての夏休み。今となってはそんな罪悪感を感じることもぐっと減りましたが、長男が小学生になる前は、小1の壁、特に夏休みの過ごし方に戦々恐々でした。
「小学生の夏休みを子どもと一緒に過ごしたい」そんな思いもあって、長男が保育園年長の頃に働き方を変える選択をしたほどです。
働くママへの処方箋「罪悪感を成長するきっかけに」
そして今年も夏休みを迎え。「小学生の夏休みを子どもたちと一緒に過ごしたい」と思っていたはずの私は、ほぼ毎日仕事をして過ごしております。
というのも、働き方を変えた結果、自分の仕事が楽しくなりすぎてしまい、仕事をせず子どもとどっぷり一緒に過ごす夏休みは一度もないまま今に至ります。
当初、「仕事がなければ、もっと子どもと一緒に過ごしてあげられるのに」と思ってましたし、そう出来るために働き方を変え、会社員を卒業、独立しました。
ですが、自分でコレと選んだテーマで仕事し始めた結果、子どもたちと過ごす以上に楽しくなってしまった。私にとっては「子どもと過ごす夏休み>仕事」ではなく、「没頭できる仕事>子どもと過ごす夏休み」であり、コレが好き!楽しい!と思える仕事が大切だったのです。
「仕事がなければ、子どもともっと一緒に過ごせるのに」と罪悪感を抱いてしまうこともきっとあるでしょう。ですが、それは「母親だから子どもと一緒に過ごすべき」「子どもは母親と一緒に過ごしたいと思っているに違いない」というある種の思い込みにより引き起こされるものだったりもします。
小学生にもなると、子どもたちは自分の世界を持ち始めます。
「夏休みなのに、狭い学童に閉じ込めて可哀想」と思うかもしれませんし、私もそう思っていました。ですが、娘は大好きな友達と一緒に過ごせると喜んで通っています。
また、夏休みとは話が逸れますが、少し前にニュース番組で「学校では給食中も会話は禁止、子どもたちが一人で食事をしているなんて可哀想」という論調で報じていたので、娘に「給食の時間、一人で食べて寂しくない?」と聞いてみました。
すると「ごはんだけに集中できて、おいしいなーと思いながら食べてるよ!」と笑顔で答えてくれました。
思いがけない回答に驚きましたが、大人が可哀想だと思っていることだって、それは大人の思い込みである場合もあるんですよね。子どもたち一人ひとりの受け止め方は違うし、可哀想だと決めつけるのは良くないなと、娘の笑顔に考えさせられました。
「大人になるって楽しい!」「仕事って楽しい!」
私は子どもたちにこんな希望を持ってもらう役割だと思い、妙な使命感すら抱き、夏休み期間中も仕事に没頭しています。
子どもと過ごす時間より、仕事をしている時間の方が多くなりがちで、「悲しい思いをさせてごめんね」そんな想いがよぎるときは、今の仕事に対する熱意を改めて見直してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
夏休みを、母親自身も成長するきっかけに活用してみてくださいね!
(文:岩橋ひかり)