【教育費の貯め方】教育費は学資保険で貯めたほうがいい?『共働きにピッタリな一生モノの家計管理』Vol.5
夫婦でお金の話ができない、今の貯金額でいいのか不安など悩みがつきない共働き家庭の家計管理。そこで、家計の悩みをクリアにして「貯まる」仕組みづくりができる書籍『書けば貯まる!共働きにピッタリな一生モノの家計管理』(翔泳社)から、教育費や、お金についてのよくある相談をご紹介します。
学資保険に入るなら元本割れしないものを
学資保険は子どもの教育費を準備するために昔から利用されてきました。「教育費=学資保険」というイメージがあるためか、子どもが産まれたら加入しなければいけないのかと心配するご相談もあります。
学資保険は「保険」とついていますが、一般的には保険の機能より貯蓄性を求めて加入していることがほとんどです。預金より増えることで人気でしたが、近年の低金利では増える機能はほとんど期待できなくなっています。何を求めて学資保険を利用するかにもよりますが、教育費を準備するために必ずしも学資保険に加入する必要はありません。
もし学資保険に加入するなら、元本割れしないためにも払込金額が祝い金や満期保険金などの総額を超えるものを選びましょう。最低でも元本以上になれば、親の万が一の時の教育費の準備ができる保障を兼ねた上で、定期預金などで教育費を準備するより有利なこともあります。
外貨建て・変額保険は注意が必要
最近の保険販売の傾向として学資保険の代わりとして「外貨建ての終身保険」や「変額保険(有期型)」を学資用にと保険会社から勧められることもあるようです。
外貨建ての保険は円建ての保険より高い返戻率が期待できるため一見良さそうですが、学資として使う場合はいくつか注意が必要です。外貨建ての保険は円安や円高など為替の影響を受けます。高い返戻率や元本割れしない時期が「外貨で計算したとき」となっているときは日本円でも元本割れしないとは限りません。受け取り時期の為替を予測するのは難しく、実際に2000年代からでも1ドル125円台(2002年)から79円台(2011年)と大きく動いています。
保険の中で株や債券などの金融商品で運用する「変額保険」も同様に学資金の準備として使うには注意が必要です。変額保険は運用の成果によって受取額が変動するため、掛金以上に増える可能性もありますが、運用成績が良くないと受取額が掛金を下回ることがあります。運用は自己責任になりますので最低何%で運用できたときに元本を割らないかなどをしっかり把握した上で、必要な資金が足りなくならないようにする計画が必要です。
受け取れる時期に気を付ける
学資のための保険は「何歳まで払うか」「何歳で受け取れるか」が大事です。円建ての学資保険の場合「10歳までに払い込む」「17歳まで払い込む」などいくつかに分かれていて、短い期間で払い込み、据え置き期間が長いほど返戻金は増えていきます。
受け取りについても18歳で満期保険金として受け取るタイプや、中学入学・高校入学のタイミングで祝い金を受け取るタイプ、18~22歳まで分割して受け取るタイプなどがあります。入学費用に使いたいと思っていても20歳まで返戻率が100%を超えないものだと予定がずれてしまうこともあるかもしれません。
外貨建てや変額保険も同様に為替の値動きや運用の成果によって、希望していた時期に学資に充てられなければ意味がありませんから、家計の状況に合わせて保険以外でも貯めていくなど計画的に準備したいところです。
(塚越菜々子『書けば貯まる!共働きにピッタリな一生モノの家計管理』(翔泳社)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)
書籍『書けば貯まる!共働きにピッタリな一生モノの家計管理』について
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夫婦のお金の話し合いのきっかけとしても活用してみてください。
【4ステップで「貯まる仕組み」づくり! 】
◆わが家の家計の健全度合いをチェック!
家計の現在地を確認し、目的地までの距離を把握します。
◆何にお金を使ってきたかチェック!
わが家のお金の使い方に合わせた予算を考えます。
◆貯める必要のあるお金をチェック!
「いくらお金を貯めたらいいか」を計算します。
◆家計で見直せるところをチェック!
支出を減らし、貯金を増やすポイントを探ります。
塚越菜々子さんのプロフィール
YouTubeやSNS等でもわかりやすい情報を積極的に発信している。
オフィシャルサイト:「ママスマ・マネー」