キッチン時間を楽しもう! 専門家が教える心地よい食器収納術
みなさんは、どんな食器収納がお好みですか? 食器棚に使いやすく収納する方もいれば、オープン棚で飾りながら見せる収納をされる方もいらっしゃいます。毎日のキッチンをより楽しむためにも食器をどう使いたいのか、どう見せたいのか、食器収納にこだわりを持つことで心地よい収納になります。
こんにちは。整理収納アドバイザー、ルームスタイリスト・プロの佐々木弓子です。
みなさまがお持ちの食器を拝見すると、その方の「好き」がとてもよくわかり刺激を受けます。でも、素敵な食器を持っているのに使っていない、使いたいけれど収納がうまくいかない……などのお悩みをよく耳にします。
食器の収納を見直すことで動作もラクになり、キッチン時間がちょっと楽しくなるはず! 今こそ手持ちの食器と収納を見直してみましょう。
心地よい食器を見極める
どんな食器が好きですか? 色・素材・形・軽い・重い・扱いやすさなど、心地よいと感じる要素はひとそれぞれです。
好きだけどどこか使いづらい、好みだけどラップがくっつかないから微妙、オシャレじゃないけど使いやすいからなくてはならない、など「好き」と「使いやすさ」は違うんですよね。
よく使う食器はどんなところが好きなのか、優先したい点、譲れない要素などを整理して、やっぱりこれはイイ! を見極めてみましょう。これがわかると、食器収納もうまくいきます。
どんな食器収納が好きですか?
食器収納には理想と現実がありますが、理想があるならば近づけることはできます。たとえば「扉のある棚に収納することでスッキリさせ、掃除もラクする」「インテリアとして飾りながら収納することで目でも楽しむ」など、収納方法ひとつで見た目も気分もコントロールできます。
使い勝手を重視したいのであれば、全体量を減らしてゆとりある収納にすることもできます。おもてなしやさまざまな料理を楽しみたいので、多少手間がかかっても食器をたくさん所有しておきたいという方には、食器を使用頻度やシーンで分けるなど、工夫することでメリハリのある収納にもできます。
食器とのつき合い方を知ることで、自分に合った食器収納を作ることができますよ。
筆者の食器収納は?
筆者の食器収納は「ザ・食器棚」です。
新築のときに天井まで造りつけにして収納量を重視、地震対策にも配慮しました。今流行りの背面オープン棚なども当時はアイデアがなく、少々悔やまれるところですが、現状の環境はどうであれ、今後はどうにでもアレンジできると前向きにとらえております。
現在の食器収納は観音開きでフルオープンになるので、1発でさまざまな種類の食器を出し入れできる、そして埃対策ができるところが大変気に入っています。
【我が家の実例】具体的な収納方法は?
お茶碗とお椀
ほぼ毎日使う一軍食器のお茶碗とお椀。腰高の一番いい場所にゆったりと鎮座させています。炭水化物を減らしている人のお茶碗は奥、よく食べる人のモノは手前です。お椀は同じ種類なので縦に並べ、すぐ隣にスープカップも収納しています。
食洗器からの動線も最高です。ちなみにお椀は食洗器対応のモノにしてラクしています。
超スタメンから食器棚の指定席を決めていくと、うまくいきます。
小皿やパン皿
取り皿としてもよく使う小皿やパン皿などの平皿も、同じ段で近くにまとめて収納しています。奥行がある棚であれば手前、目線の高さにすることで出し入れもラク、家族誰でも見れば分かります。
小皿や刺身皿などサイズの小さいお皿は手前、パン皿などは奥に収納し、重ねる場合は2種類まで、重さのあるお皿は1種類だけとしています。
深皿やサラダボウル
深さのある食器も隣合わせにしてまとめて収納しています。サラダや汁物、残り物をよそっておくなど、さまざまな出番があります。お鍋で使うとんすいも同じグループとしてまとめ、お鍋以外でもよく使っています。
手が届く、見える、を大事にすることで手持ちの食器をきちんと活用することができますよ。
大皿
大皿といってもさまざまな種類がありますが、浅いモノ、深さのあるモノ、耐熱ガラスのモノなど、おかずをドーンと盛るお皿を大皿としてまとめています。
出し入れをラクにするには重ねずに立てるのもオススメです。立てる場合はそれを叶えるためのグッズが必要になりますので、モノを増やしたくない方や、立てたくない方は重ねても億劫にならない場所や数にしておくといいですね。
ちなみに筆者は重ねて置きたい派です。
どんぶり
我が家では使用頻度が高めですので、いい場所に指定席を設けています。腰高ちょい目線下の引き出し収納にどんぶり大とボウル中をまとめて収納しています。重さがありますが、同じ種類だけを重ねているのでストレスはありません。しゃがんだり背伸びする高さであると辛い収納になりますので、重さがあるけれどよく使うモノはラクな場所にしておきましょう。
楕円や長皿
魚皿などの長角皿は持っていませんが、楕円や長いお皿など変形モノは好きなので数点所有しています。形もサイズもさまざまですが、縦方向に収納しています。ある料理の専用にはせずに、いろいろな料理に使っています。和でも洋でも使える食器がほとんどなので、枚数も少なくて済んでいます。
豆皿やココット
ソースやお菓子入れだけでなく、雑貨としても使える豆皿やココットも、食卓に並べると可愛く楽しくなります。高い棚板の奥などにはしまい込まず、見えるところであればどこでも大丈夫です。小さく邪魔にならないので、増えてしまいがちなのが危険なところ。使う数だけの所有をおすすめします。
子ども食器
小さいお子様がいる場合は、プラスチック製など軽くて扱いやすい子ども食器もありますね。お手伝いできる年齢ならば、自分で出し入れできる低め、手前などのポジションに配置してあげると家族の役割を担うこともでき、本人の自信にもつながります。
まとめ
使用頻度の高い順から出し入れしやすい場所に配置していけば、間違いありません。スペースに限りがあってうまくいかない場合は収納ラックなどの用品を使うのもありですが、かえって難しくなってしまったり、使いづらくなることもあるので注意が必要です。
ぎちぎちにはせず、手も腕も入る余白を作ることも心地よい収納のポイントです。サイズ別やシーン別、素材別など、自分と家族が心地よく使える分け方と配置が一番です。
毎日の食卓を彩るのに欠かせない食器。どんなに素敵な食器でも、使いづらいところに収納していては出番がなくなってしまいます。快適に使えるよう食器を収納して、日々の食事を楽しみたいですね。