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2022年05月23日 10:01 更新

生姜の食べ過ぎリスク|腹痛や下痢に注意⁉ 正しく効果を得るための適量の目安【管理栄養士監修】

生姜(しょうが)はスッキリとした辛みと特有の香りを持つ野菜で、香辛料としておかずからスイーツ、ドリンクなど、さまざまな料理に活用されます。「体を温める」などをはじめ健康効果への注目も高く、たくさん食べている人もいるかもしれません。食べ過ぎによるデメリットはあるのでしょうか。

生姜を食べ過ぎるとどうなる?

おろし生姜

香辛野菜として代表的な生姜。ピリッとした辛みがあり、料理をさっぱりさせたり、薬味になったりと活躍しますが、食べ過ぎてしまうとどんな影響があるのでしょうか。

1.腹痛や下痢

生姜に含まれる辛み成分には胃や腸を刺激する作用があります。そのため、大量に摂取すると消化不良を起こし、腹痛や下痢といった症状に見舞われる恐れがあります。

2.胃の不快感や胸やけ

腹痛や下痢以外にも、生姜の食べ過ぎで胃が刺激を受けて消化不良を起こすことで、胃のあたりの不快感や胸やけといった症状が起こることも考えられます。特に、体調がすぐれないときなどは量を控えた方がよいかもしれせん。

3.口やのどの刺激感

胃や腸の不調だけでなく、口の中や喉の刺激感を引き起こす場合もあるでしょう。辛みを楽しむ生姜には刺激成分が含まれることを忘れずに、量を考えて摂取することが大切です。

妊娠中・授乳中も同様に注意して

しょうがはつわりの軽減効果があるとされるので、妊娠中によく食べることもあるかもしれませんね。しかし、やはり食べ過ぎには注意してください。授乳中も含め、多量摂取による赤ちゃんやママの体へのリスクについては十分な情報がありません。あくまで香辛野菜としての通常の食べ方で摂取するのが安心です。

Lazy dummy

なお、血液疾患や糖尿病、心臓疾患のある場合は病状に影響する場合があるので、医師に相談するとよいでしょう。

生姜の適量はどのくらい?

生姜 スライス

刺激のある生姜は適量の範囲でおいしく食べるといいですね。普通の野菜などと同じ感覚で食べると多いといえます。どのくらいがちょうどよいのでしょうか?

適量の目安|1日5~10g

生姜の1日の摂取量について決められたものはありませんが、おいしく食べられる量としては、生の状態で5~10g程度がよいでしょう。スライスショウガで5~8枚くらい、おろししょうがなら小さじ1~2杯ほどになると思います。

また、最近はパウダータイプもありますが、生の生姜を乾燥させてパウダー状にしているので成分が凝縮されています。ショウガパウダーは1~2g程度にしておくとよいでしょう。

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料理の味付けに使う場合はもう少し多く使うこともあると思いますが、毎日大量に摂り続けるのでなければ大丈夫です。

生姜の健康効果

生姜の食べ過ぎは体への刺激が強くなるので注意したいですが、適量を守れば生姜の成分の効果を得ることが期待できます。

辛み成分「ショウガオール」の効果

生姜の独特な辛みのもとはジンゲロール、ジンゲロン、ショウガオールという成分です[*1,2]。ジンゲロンやショウガオールは加熱などによりジンゲロールから生成されます。ジンゲロールに期待できるのが、殺菌効果や消臭効果、消化を高める効果です[*1]。

肉や魚の下処理で生姜を使うと生臭みが消えるのは辛み成分の効果によるのですね。豚肉の生姜焼きなどは消化を助けてくれつつ、食欲増進にもつながる組み合わせといえます。

たんぱく質分解酵素「ショウガプロテアーゼ」

生姜焼き

生姜にはたんぱく質分解酵素の1つであるショウガプロテアーゼ(ジンギパイン)も含まれます。プロテアーゼはパイナップルに含まれることでも知られますが、それと同じような効果が生姜にもあります。肉の下処理で生姜に漬け込むことで、肉を柔らかくする生姜の作用が期待できます。

つわりの軽減効果も

生姜には、つわりの症状をやわらげる効果も期待されています。

生姜の辛み成分がつわり軽減にプラスに作用すると考えられており、たとえば、生姜1gを4日間摂取したところ、悪心などのつわり症状の軽減などに対して有効であったというタイの研究報告などがあります[*3]。つわりがつらいときには生姜入りの紅茶や味噌汁を飲んだり、薬味に利用してみるのもよいかもしれませんね。

ただし、お伝えしたとおり刺激が強いので、くれぐれも適量を心がけてください。また、薬や持病によっては避けた方が良い場合もあるので、事前にかかりつけの産婦人科医に相談しましょう。

なお、つわりのときの食べ物については以下の記事で詳しく解説しています。

生姜で冷え性が改善する?

生姜は身体をあたためて冷え性を改善するのではないかと俗に言われていますが、はっきりと証明されているわけではありません。日本で冷え性の女性19名を対象とした実験では、ショウガエキスの摂取によりエネルギー消費量は増えたものの、手や足の親指先の体温には変化がみられなかったという研究があります。生姜が冷え性の改善に役立つのかはわかっていません[*4]。

まとめ

生姜の持つ効果を期待してたくさん食べたくなるかもしれませんが、摂り過ぎると胃腸の機能などに悪影響となる場合があります。少量でも生姜の作用は期待できるので、適量をおいしく楽しみたいですね。

(文:宗政祥子 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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