3~4歳への語りかけのポイントは? 数や理解力を育てるあそびも『ことばをひきだす親子あそび』vol.7
子どものことばを育てるには、親子あそびや語りかけが大切。頭ではわかっていても、具体的にどうすればいいのか悩んでしまうママ&パパも多いのでは? SNSで話題の言語聴覚士・なな先生こと寺田奈々さんの『ことばをひきだす親子あそび』(小学館)より、年齢ごとのことばを育てるおすすめのあそびを紹介します。
【3歳~4歳】この時期の語りかけのポイント
質問には肯定メッセージで
「なんで?」とたくさん聞いてくるお子さんの親御さんに「答えるのが難しい質問にはどう返してあげたらいいのでしょうか?」と、相談されることがあります。お子さんの「なぜ?」にじっくり向き合うべきときもありますが、常に正しい答えを返さなくては、と気負う必要は必ずしもありません。大切なのは、お子さんが「不思議だな」「気になるな」と感じたその気持ちに対して、「ほんとだね!」「素敵な疑問だね!」という肯定メッセージを伝えていくことです。
オススメのおもちゃと絵本
ルールを理解できるようになってきたら、簡単なすごろくにチャレンジしてはいかが? 人形あそびや数を数える練習にも使える動物のフィギュアをコレクションしてみるのも楽しいです。体幹を鍛える身体遊びには、床に置いてけんけんで跳ぶコースが作れるミニフラフープが便利。繰り返しが楽しい『おおきなかぶ』(福音館書店)、詳細な絵のあちこちを指さししながらお話ししたい「バムとケロ」(文溪堂)シリーズで素敵な親子の読書タイムを。
【見せない高度なかけひきを】どーっちだ?
飴などを片方の手に隠し、両手をグーにして「どーっちだ?」と聞きます。
お子さんが「こっち!」と選んだら「ピンポン」や「ブッブー」で答え合わせ。遊びながら「選ぶ」や「当てたら勝ち」「隠すと相手は見えない」などを学んでいます。
うながしのヒント
◎ 隠す役になることで、「相手から見えないように上手に隠す」難しさに気がつくかも。あそびから「相手の視点を想定する」ことができるように。
【1~6の数を理解する練習に】サイコロあそび
サイコロを振って、出た目の数だけおはじきやペグさしのペグなどを集めます。
6までの数の理解が難しいときは、サイコロの目を1~3に変えて(4~6の面に、1~3の数字を書いたビニールテープを貼る)トライしてみましょう。
うながしのヒント
◎繰り返すうちに、3が出たとき赤いおはじきが2個しかなければ、黄色をひとつ加えて3になればよい(数の合成)、ということがわかってくる。
(寺田奈々『ことばをひきだす親子あそび』(小学館)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)
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書籍『ことばをひきだす親子あそび』について
親子で遊びながら赤ちゃんや子どものことばを育てる方法、実はたくさんあるんです。
本書の著者は言語聴覚士の「なな先生」こと寺田奈々さん。年間100症例以上のことばの相談・支援に携わりながら、SNSや育児雑誌で子どものことばについて発信しています。本書は「なな先生」が、ことばの専門家としておすすめしたい100の親子あそびを紹介。0歳・1歳・1歳半・2歳・3歳にわけて、それぞれのステージのことばの特徴やおすすめの遊びが掲載されています。
ひとつひとつのあそびの進め方や隠された意図、促し方を、イラストを交えてわかりやすく説明。さらに次にやりたいあそび、難しかったら戻ってやりたいあそびも記載されているので、お子さんのペースにあわせて進められます。
おもちゃや絵本、体を使ったあそびだけでなく、日常生活の中でできる「ながらあそび」も多数収録。仕事で忙しくお子さんと過ごす時間が限られたママ&パパにもおすすめです。
ことばの発達が心配な場合はもちろん、「遊びながら発達を促したい」「赤ちゃんとどうやって遊んでいいのかわからない」というときにも参考にしたい一冊。
寺田奈々さんのプロフィール
言語聴覚士。慶應義塾大学文学部卒。養成課程で言語聴覚士免許を取得。総合病院、プライベートのクリニック、専門学校、区立障害者福祉センターなどに勤務。年間100症例以上のことばの相談・支援に携わる。臨床のかたわら、「おうち療育」を合言葉に「コトリドリル」シリーズを製作・販売。専門は、子どものことばの発達全般、吃音、発音指導、学習面のサポート、失語症、大人の発音矯正。
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