2語文を話し始めたら。2~3歳の語りかけのポイントとことばを育てるあそび『ことばをひきだす親子あそび』vol.6
子どものことばを育てるには、親子あそびや語りかけが大切。頭ではわかっていても、具体的にどうすればいいのか悩んでしまうママ&パパも多いのでは? SNSで話題の言語聴覚士・なな先生こと寺田奈々さんの『ことばをひきだす親子あそび』(小学館)より、年齢ごとのことばを育てるおすすめのあそびを紹介します。
【2歳~3歳】この時期の語りかけのポイント
ことばがけはプラスワン・ワードで
大人のまねをしてことばを覚える「復唱」が盛んになります。周囲からことばを聞いてぐんぐん吸収しているので、口調までそっくりで驚くことも。ことばがけでは「ひとつつけ足して返す」に取り組んでみてください。「でんしゃ 来た」とお子さんが言ったら、「かっこいい でんしゃ 来たね」のように、ことばをひとつ増やして返します。自分が話したことをキャッチしてもらえたことが実感しやすく、ほどよいことばのお手本となります。
オススメのおもちゃと絵本
100円ショップでも見かける絵カードは、ものの名前を覚えるのにぴったり。2つ買うと、ペアにしたり、親子で見せ合ったりと使い道も広がります。電話ごっこはおもちゃの電話があると雰囲気がでます。絵本では「靴=はくもの」「シャツ=着るもの」のように動詞と名詞の結びつきを学べる『どうすればいいのかな?』(福音館書店)、「上」などの位置の表現の獲得にもつながる『ぞうくんのさんぽ』(福音館書店)が人気の定番絵本です。
【声を出す感覚をつかむ】どんな声かな?
メガホンを使って「おーい」と声を響かせて遊びます。
声が小さい、裏返る、ことばが不明瞭などの不安があるお子さんも、
自分の声の振動をびりびりと感じることで、声を出す感覚をつかんでいきます。
うながしのヒント
◎自分の声や声を出すこと、話すことに注意を向けるきっかけになる。
◎スマホで録音した声を、お子さんと一緒に聞いてみるのも楽しい。
【「スタート」「ストップ」を言う】毛布でゆらゆら&ストップ
毛布など厚めの布の上にお子さんを乗せ、大人ふたりが両端を持ってハンモックの要領で左右にゆらゆら。ストップ、再開を繰り返します。お子さんには「スタート」「ストップ」の号令役をやってもらって。「もう一回」ということばやアイコンタクトなどのサインで再開!
うながしのヒント
◎あそびのなかに、「激しく動く」「静かにする」の緩急をつけると、活発なお子さんでもことばあそびに喜んで参加しやすい。
(寺田奈々『ことばをひきだす親子あそび』(小学館)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)
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書籍『ことばをひきだす親子あそび』について
親子で遊びながら赤ちゃんや子どものことばを育てる方法、実はたくさんあるんです。
本書の著者は言語聴覚士の「なな先生」こと寺田奈々さん。年間100症例以上のことばの相談・支援に携わりながら、SNSや育児雑誌で子どものことばについて発信しています。本書は「なな先生」が、ことばの専門家としておすすめしたい100の親子あそびを紹介。0歳・1歳・1歳半・2歳・3歳にわけて、それぞれのステージのことばの特徴やおすすめの遊びが掲載されています。
ひとつひとつのあそびの進め方や隠された意図、促し方を、イラストを交えてわかりやすく説明。さらに次にやりたいあそび、難しかったら戻ってやりたいあそびも記載されているので、お子さんのペースにあわせて進められます。
おもちゃや絵本、体を使ったあそびだけでなく、日常生活の中でできる「ながらあそび」も多数収録。仕事で忙しくお子さんと過ごす時間が限られたママ&パパにもおすすめです。
ことばの発達が心配な場合はもちろん、「遊びながら発達を促したい」「赤ちゃんとどうやって遊んでいいのかわからない」というときにも参考にしたい一冊。
寺田奈々さんのプロフィール
言語聴覚士。慶應義塾大学文学部卒。養成課程で言語聴覚士免許を取得。総合病院、プライベートのクリニック、専門学校、区立障害者福祉センターなどに勤務。年間100症例以上のことばの相談・支援に携わる。臨床のかたわら、「おうち療育」を合言葉に「コトリドリル」シリーズを製作・販売。専門は、子どものことばの発達全般、吃音、発音指導、学習面のサポート、失語症、大人の発音矯正。
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