軽くておしゃれで機能的! ランドセルリュックの選び方とおすすめ5選!
ランドセルの重さや高価さが気になる方、ランドセルリュックという手もありますよ! 圧倒的に軽く、価格も安いことが多いランドセルリュック。近ごろはおしゃれで機能的なモデルや、百貨店が手掛けたアイテムも登場しています。ランドセルリュックって本当にありなの?という話から、実際選ぶにあたっての注意点も解説します。
ランドセルリュックとは?ランドセルとはどう違うの?
新しい通学かばんの選択肢、「ランドセルリュック」。この言葉を初めて聞いたという方も多いでしょう。まずは、ランドセルリュックとは何か、ランドセルやリュックとの違いは何かをご説明します。
ランドセルリュックって何?
ランドセルリュックとは、通学用につくられたリュックサックのこと。ランドセルとリュックサックの中間のような見た目をしています。呼び方は、「リュック型ランドセル」「リュックタイプのランドセル」「通学用リュック」などさまざま。各メーカーからいろいろなタイプのデザイン、カラー、フォルム、機能をもった製品が発売されています。
ふつうのランドセルとはどう違うの?
ランドセル工業会が、ランドセルとして認め、認定証を出しているランドセル規格[*1]は、次のとおりです。
ランドセル工業会が定めるランドセル規格
1.すべての縫製が日本国内で行われ6年間の使用に耐え得るもの。
2.日本鞄協会発行の「信頼のマーク」を縫着したもの。
3.素材は皮革又は人工皮革とする。
4.形状はかぶせ部が本体を覆う長さで縦型であるもの。
5.サイズは大マチ部分の内寸の縦(最高部)が31cm前後、幅が23cm前後であること。
もちろん、この規格に外れたからといってランドセルではないというわけではありませんが、ランドセルとは何か、定義を考える際の参考になるため紹介します。
代表的なランドセルの特徴としては、素材が皮革もしくは人工皮革で、形状がタテ型で全かぶせ型、マチ部分のサイズがタテ31cm前後、幅23cm前後ということがいえそうです。
一方、ランドセルリュックには、決まったルールがありません。さまざまな素材・形状・サイズなどから好みのものを選べます。とはいえ、ランドセルリュックといえば、素材は布製など革より軽いもの、形状としては「かぶせ」はあるものとないものがあり、サイズはランドセルに近いものの、より幅があることが多いでしょう。
ランドセルもランドセルリュックも、通学用を目的としている、背中に背負うバッグであることは大事な共通点です。
ふつうのリュックサックとはどう違うの?
リュックサックとは、主に荷物を入れて担ぐための袋のことをいいます。ランドセルのような素材・形状・サイズなどの規格はなく、見た目や機能はさまざま。使用する人も、小さな子どもからおじいちゃん・おばあちゃんまで幅広くいます。
そんなリュックサックに、耐久性や背負いやすさ、周りから浮かないデザイン性、子どもにとっての使いやすさなど、通学バッグに必要な要素をプラスしたのが、ランドセルリュックです。
ランドセルリュックはどの小学校でも使えるの?
そもそも、小学生はみんなランドセルを使わなくてはならないのでしょうか。そういうルールはあるのでしょうか。ランドセルリュックを通学かばんとして使っていいのかどうかを解説します。
基本的にはOK、学校の独自ルールは要確認
ランドセルの使用についての法律や、文部科学省の指導要領などによる規定はありません。つまり、基本的には、ランドセルリュックなど、ランドセル以外で通学してOK!
実際、ランドセル販売会社VONDS(ボンズ)が2018年に行った調査[*2]によると、およそ4人に1人が小学校卒業前にランドセルをやめ、ほかのバッグに切り替えて通学しているそうです。
ですが、なかには学校指定バッグを設けるなど、独自のルールがある学校もあるので注意しましょう。
ランドセルリュックが主流な地域もある
地域によっては、ランドセルよりランドセルリュックが主流となっているところもあります。
たとえば、北海道小樽市では、多くの子どもたちがナップサックとランドセルを掛け合わせた「ナップランド」を使っています。また、茨城県日立市では、かぶせ部分がなく軽いオリジナルランドセルを新入生に配布[*3]。
さらに、京都府の一部地域で主に使用されている、ランドセルとリュックサックを掛け合わせた「ランリック」は、 連続テレビ小説(NHKの朝ドラ)『カムカムエヴリバディ』に登場したことで、一躍話題になりました。(マイナビ子育て編集部の京都出身Nさんも、「ランリック」を愛用していたそうです)
海外キッズはランドセルを使わない
ランドセルを通学かばんとして使うのは、日本独自の文化です。海外では、各国さまざまな通学スタイルが見られます。
たとえば、韓国ではランドセルに似たかたちの革製の黒いかばんが使われており、中国では「ツーパオ」と呼ばれるやや小さめのショルダーバッグが主流です。
また、アメリカやカナダでは手ぶら通学が基本で、オーストラリアでは背負い式から手提げ式までさまざまなタイプの「スクールバッグ」から好みのものが使用されています。
ランドセルリュックのメリット|軽くて安い!
では、ランドセルリュックを通学かばんとして使うことには、どんなメリットがあるのでしょうか。
リュックはランドセルより軽い
ランドセルの重さは、平均1,100〜1,300gと言われています。天然皮革の商品だと、1,500gを超えるものも少なくありません。一方、ランドセルリュックの多くは、1,000gを切るものばかりです。
教科書の重量化や、それによる子どもたちへの悪影響が問題視されている昨今。ランドセルリュックのこの圧倒的軽さは、今後ますます注目されていくのではないでしょうか。
参考記事>ランドセルの「重さ」が気になる! 小学生に適した重さは何グラム?
ランドセルより安い
ランドセルの価格は、2万〜10万円を超えるものまで幅広くあります。一方、ランドセルリュックは3万円台以下の商品が主流で、なかには、1万円を切るものも。
最近は、5万〜7万円の高価格帯のランドセルが人気傾向にありますが、それは6年間同じものを使用し続けることを前提とした場合のこと。実際には、およそ4人に1人が途中で通学かばんを変えているのが現状です。買い替えを視野に入れ、予算をおさえるのもかしこい選択といえるかもしれません。
参考記事>ランドセルの相場はどれくらい? 価格帯別おすすめ23選
ランドセルより容量の大きいものが選べる
ランドセルには、サイズの規格があります。一方、ランドセルリュックにはこうした規格がありません。なかには、B4サイズが入る大きめタイプのランドセルリュックも売られています。大きな荷物を運ぶ必要があるとき、わざわざサブバッグなどを用意しなくて済むならうれしいですよね。
荷物をよりたくさん詰めたい、あるいは、詰めたときの余裕がほしいなら、容量の大きいランドセルリュックを選ぶとよいでしょう。
ランドセルにはない実用性・機能性も
ランドセルリュックは個性的で、ランドセルにはないおもしろい機能が搭載された商品も多く揃っています。
たとえば、次世代リュックランドセル『NuLAND』には、「お弁当を傾けずに入れたい」「リコーダーもしまいたい」といったママたちの「あったらいいな」を叶える多彩なポケット・収納スペースが搭載されています。
また、登山リュックの機能をヒントにつくられた『ERGORANSEL』は、身体にフィットさせる胸バンド・腰バンドなど、人間工学に基づいた構造になっています。
かゆいところに手が届く、ユニークな機能に惹かれるママ・パパも多いようです。
ランドセルリュックのデメリット|壊れやすい? 悪目立ちする?
逆に、ランドセルリュックを通学かばんとして使うことには、デメリットも。どんなことに気をつければいいのでしょうか。
耐久性・背負いやすさはランドセルが上?
一般的に、ランドセルは6年間毎日使うことを前提に、最大限長持ちするようつくられているもの。そのランドセルと比べれば、商品にもよりますが、ランドセルリュックの耐久性は劣る可能性はあります。
とはいえ、ランドセルリュックもすぐ壊れてしまうわけではありません。通学かばんとして使われるのを目的につくられたものであり、むしろ耐久性をウリにしている商品も少なくありません。
「ランドセルか、ランドセルリュックか」ではなく、商品ごとの違いを比べるとよいでしょう。
ランドセルほどメーカー・商品ラインナップが多くない
ランドセルリュックは、今でこそ通学かばんの選択肢として認知され始め、地域によっては多くの小学生に愛用されていますが、全国的にはまだマイナーなものです。取り扱っているメーカーも限られていて、商品ラインナップもランドセルほど豊富ではありません。ランドセルのようにイオンに巨大な売り場ができたり、大きな合同展示会があったりということもありません。
なるべくたくさんの候補のなかから選びたい、という場合は、ランドセルから選ぶほうがいいでしょう。
ランドセルリュックは目立つ可能性も
ランドセルリュックを通学かばんとして使うことは基本的に禁止されていませんが、実行している小学生はそう多くありません。ランドセルで通学している子どもが多数派を占めています。
そんななか、ランドセル以外のかばんを背負って登校すれば、変に目立ってしまうのではとの心配ももっともです。「子どもが目立つのを嫌がりそう」「友だちのなかで浮いてしまうのでは?」「子どもをねらう不審者に覚えられてしまうのでは?」なんてことを考えるママパパもいらっしゃるでしょう。
最近は、ランドセルのデザインに極力似せたり、色味をおさえたりしたランドセルリュックも増えています。目立ちたくない場合は、目立たないようなデザインを厳選することをおすすめします。
また、実際に目立つかどうかは、地域性やその小学校の文化にもよります。ランドセルやリュックを買う前に、通学する小学校たちを実際に見て、雰囲気をつかんでから決めるといいですね。
子どもはランドセルにあこがれているかも
「ランドセルを背負う」というのは、ある意味、小学生の特権ともいえます。卒業してから、あるいは大人になってから、「ランドセルを背負っている写真がないな〜」と後悔しないようにしたいところ。
子ども本人がランドセルに少しでもあこがれを抱いていたり、「ランドセルで通いたい」という気持ちがあったりするなら、それを尊重してあげることも考えて。買う前に、親子で話し合ってみましょう。
注意! ランドセルリュックを買う前に
ランドセルリュックのメリット・デメリットを踏まえ、ランドセルリュック購入を決意したご家庭もあるでしょう。ですが、ちょっと待って! 購入前に、確認しておいたほうがいいことを3つご紹介します。
その1. 通う学校への確認は必須
まず、学校への確認は済んでいますか?
ランドセル使用についての法律などはありませんが、学校ごとにルールを設けている場合があります。ランドセル以外のかばんで通学することを認めていない学校もあるので、必ず事前に確認しておきましょう。
その2. 通学路の様子を確認してみて
次に、通学路の様子を見たことはありますか?
通学・下校の時間帯に歩いてみると、周りの雰囲気がよくわかります。ランドセルの子たちだらけかもしれないし、ランドセル以外のかばんの子も意外とたくさんいるかもしれません。
そのなかで、我が子がランドセルリュックを背負って歩くことをイメージしてみましょう。違和感なければ、OKです! 親子で試してみてくださいね。
その3. 子ども本人の納得を大切に
最後に、子ども本人の意思を最終確認しておきましょう。ランドセルリュックで通学するメリット・デメリットは、子どもにもきちんと説明してありますか?
本人がそれらを理解したうえで、納得していることが重要です。ランドセルでも、ランドセルリュックでも、6年間毎日使うのは子ども本人なのですから。
ランドセルリュックを選ぶ5つのポイント
「ランドセルリュックで通学しよう!」と決めたら、次は具体的なランドセルリュック選び。どんなランドセルリュックを選べばいいのでしょうか。チェックすべきポイントを5つご紹介します。
①軽さを重視するなら、背負いやすさも
ランドセルリュックは、ふつうのランドセルと比べ、もともと軽いのが特徴です。そこに背負いやすさがプラスされれば、さらに体感重量が軽くなります。
一般的に、背負いやすいと感じられるのは、重心が高く背中に近い位置にあり、身体にフィットするランドセルリュックです。たとえば、荷物を背中側に固定するブックバンドが付いていたり、ランドセルリュックを身体に密着させる調整ベルトが付いていたりする商品を選べば、より快適に背負うことができるでしょう。
②いろんなパターンのサイズ・容量あり
ランドセルリュックのサイズ・容量は商品によってさまざまです。ランドセルと同じA4クリアファイル・A4フラットファイル対応はもちろんのこと、B4サイズ対応など、より大きなサイズも。また、高学年用・低学年用の2サイズある商品や、ファスナーで幅を拡張したり、ポーチをあとづけしたりすることでサイズ・容量を調整できる商品もあります。
選択肢が豊富にあるので、いろいろ見て、希望に合うものを探しましょう。
③耐久性とともに、保証もチェック
一般的に、重さが軽いぶん、耐久性に劣るといわれているランドセルリュック。ですが、商品によっては丈夫な特殊ナイロンを使ったり、部分的に人工皮革を採用したりして強度を高めているものもあります。
また、万が一壊れてしまったときの無料修理を保証しているメーカーも。なお、保証期間を3年などに縮小し、成長に合わせた買い替えを推奨しているメーカーもあります。
④子どものために、収納しやすいものを
持ち物の種類も量も多い小学生にとって、収納のしやすさも大切なポイントの1つです。たとえば、今の小学生には、タブレット端末など取り扱いに注意が必要な持ち物もあります。それらを持ち運ぶとき、かばんに専用のポケットが付いていたら安心ですよね。
ランドセルリュックにも、商品によってさまざまな種類の仕切りやポケットがあります。実際の持ち物をイメージしながら、要・不要を吟味しましょう。
⑤安全性確保はぜったいに!
通学に防犯は必要不可欠。多くのランドセルに防犯ベル取り付け用のDカンや、ドライバーに存在をアピールできるリフレクター(反射板)が付いていますが、それらはランドセルリュックにも必要なものです。
なるべく付いている商品を選ぶことが望ましいですが、付いていない場合は、別売りしているものを購入するなどしてカバーしましょう。
おしゃれで機能的! ランドセルリュックのおすすめ5選
ランドセルリュックの選び方のポイントをおさえたら、今度は実際の商品を見てみましょう。現在、各メーカー・ブランドから発売されている、おしゃれで機能的なランドセルリュックたち。そのなかから、おすすめ5商品をご紹介します。
ダイワホーサン「RD-24」
小学校の先生や保護者の要望から生まれたランドセルリュック。6年間、安心して使えることを目指してつくられており、軽さと丈夫さ、防水性を兼ね備えています。6年間の修理保証付きなので、長く使いたい方におすすめです。
NuLAND 「NuLAND < M > 」
ママたちの声から生まれたランドセルリュック。軽さとデザイン、機能性にいたるまで、細部にこだわりが感じられます。また、生地には循環型リサイクルポリエステルを採用。環境にやさしいランドセルリュックを使いたい方に。
PORTER(Baby&Kids)「<リ・スタイル キッズ×ポーター>ランドセル」
人気ブランド「PORTER」と、伊勢丹新宿店が運営するセレクトショップ「リ・スタイル・キッズ×ポーター」のコラボ商品。生地には、防弾チョッキにも使われる強度が特徴のバリスターナイロンを使用。高級感を求める方にぜひ!
ERGORANSEL「ランドセル」
登山リュックからヒントを得て、子どもの身体に負担がかかりにくい構造を目指してつくられたランドセルリュック。背負いやすさを重視する方におすすめです。フィット感やデザイン、拡張性にも優れており、6年間の無償修理保証も付いています。
COLORFUL CANDY STYLE「通学リュック」
ヨーロッパの小中学生をイメージした、シンプルかつかわいらしいデザイン。おしゃれさんにおすすめです。人間工学に基づいた設計で身体の負担を軽減したり、8つのリフレクター(反射材)で安全性を高めたりと、機能的にも優れています。
HELLO DRAGON「ランランリュック」
体感重量が30%も軽減される「AGS機能」搭載。加えて、背面や肩ひもはクッション性・通気性を兼備。背負い心地のよさを重視する方におすすめです。各所に反射板、バックルにホイッスルが付いていて、防犯対策もバッチリ。
まとめ
子どもたちの通学かばんの選択肢を広げてくれる「ランドセルリュック」。調べれば調べるほど、「子どもたちのために」という製作者や発案者の方の思いが伝わってきます。
実は筆者も、小学生時代に途中でランドセル通学を断念した一人。理由は、「身長が伸びすぎて似合わなくなったから」なので、あまり関係ありませんが……。それでも、ランドセル以外に「選択肢がある」ということに、魅力を感じずにはいられません。
固定観念にとらわれず、子ども一人ひとりにぴったりの通学かばんが見つかりますように!