遅延でぎゅうぎゅうの満員電車。マタニティマークを隠して乗っていると…… #「ありがとう」を伝えたい
産休に入るまで電車で会社に通勤していたというNさん。周囲に気を遣いマタニティマークを隠して電車に乗っていたそうですが、ある日、乗った電車が遅延。ぎゅうぎゅう詰めの中、声をかけてきたのは・・・・・・。
妊娠初期、マタニティマークを隠して通勤
フルタイムで働く中で、第一子を身ごもりました。
当時はリモートワークも普及しておらず、妊娠中でも出社が基本。
「何かあったとき妊婦だとわかると役立つから」と、産科の看護師さんにはマタニティマークをつけることを勧められていたのですが、妊娠初期でお腹もまだ大きくなっていなかった私は周囲の目が気になり、カバンにつけたマタニティマークを隠すようにして電車通勤していました。
遅延で満員の電車、気分が悪く耐えながら立っていると
その日も、いつものようにマタニティマークを隠して電車へ。
満員電車を避けるため通勤ラッシュとは少し時間をずらして通勤していたのですが、その日は電車が遅延し、すぐに車内は超満員に。まさにぎゅうぎゅう詰め状態でした。
密閉された車内には熱気とにおいが充満しています。
ちょうどつわり症状が出ていた時期だったこともあり、私は暑さとにおいで気分が悪くなってしまいました。
「あなた、ここに座って!」
電車が駅に停車するたび、車内の人口密度は増すばかり。
私もどんどん気分が悪くなり、めまいと吐き気もしてきました。
しかし混雑する車内で「席に座らせてください」と言えず、お腹をガードしながら必死で立っていました。
そのとき、「あなた、ここに座って」と声が。
見ると、斜め向かいの席に座っていた女性が、立って席を空けてくれていました。
女性は席を譲ってくれただけでなく、「無理しちゃだめよ。お腹に赤ちゃんがいるんだから、堂々と席を譲ってもらっていいのよ」と、やさしく声をかけてくれました。私が隠していたマタニティマークに気づいてくれていたのです。
あのときお腹にいた赤ちゃんも、現在は小学生。
私も今ではあの女性のように、電車で妊婦さんを見かけたら迷わず席を譲るようにしています。
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※本記事は、編集部に寄せられた実際のエピソードを元に再構成しています。
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