
うまみがつまった常備食材「切り干し大根」基本の戻し方&簡単活用レシピ5選
乾物の切り干し大根は保存期間も長く、備蓄向きの食材です。煮物のイメージが強いものの、びっくりするくらい簡単な使い方もでき、非常時でも手軽に切り干し大根メニューを作ることができます。今回は、基本の戻し方と普段の献立に取り入れやすいオススメレシピをご紹介します。
こんにちは♪ キャラ弁・フラワーケーキ講師のよんぴよままです。
切り干し大根は保存が効くため、おうちに常備しておけばさっと作ることもできますし、非常時用の備蓄食材としてもオススメです。古くからなじみのある身近な食材ですが、いつも煮物だけで使用頻度が少なかったりしませんか?
実は切り干し大根は、乾物らしいうまみと栄養が凝縮している優秀な食材。意外に合わせる食材や味つけを選ばず、定番のメニューだけでなくいろいろな味つけで楽しむことができるんです。
そこで今回は、切り干し大根の戻し方を改めて見直し、手軽に作れるメニューをピックアップしました。火を使わずに作れるレシピは、燃料が不足するような非常時にも活用できるので参考にしてみてください。
切り干し大根とは

切り干し大根とは、大根を千切りにして天日干しにし、乾燥させたもの。紫外線を当てることでうまみや甘み成分が増加し、水分が抜けることでその成分がぎゅっと凝縮します。さらにはカルシウムや鉄、カリウムなどのミネラルや食物繊維、ビタミンB類などが生の大根と比べて飛躍的にUP。かなり優秀な食材なんです!
日ごろから積極的に摂りたい栄養ばかりな上に、非常時には特に不足しがちなので、備蓄しておくと安心です。

せっかくの優秀食材、上手に使いまわしたいですよね。普段から活用して使い慣れておけば、無駄なく使いこなし、非常時でも必要な栄養や食べる楽しみを得られるように備えておくことができます。

乾物なのでカサが減って保存スペースを取らないメリットがありますが、食べるときには水で戻すひと手間が必須となります。戻した切り干し大根はカサが増えるので、1人分は乾燥の状態で10~15gくらいと覚えておくと戻す量の目安になります。
切り干し大根 基本の戻し方

切り干し大根は水分が抜けている状態なので、水分を吸収させて戻していきます。中には戻す作業が不要の商品もあったりしますが、まずは基本的な戻し方を覚えておくと安心です。
最初にやることは洗うこと。保存しているうちに酸化してえぐみや臭みが出たり、干す過程でゴミがついたりするので、水でもみ洗いしてあげましょう。

いったん水を捨て、新しい水をひたひたに入れて切り干し大根を浸けます。

20分ほど浸けるとふっくらしたやわらかい状態に。カサも4倍ほどに! 切り干し大根は水溶性の栄養成分も多いので、残念ながら戻す前と比べて半減してしまう栄養素もあります。
戻した切り干し大根は軽く水を切る程度にし、必要以上にうまみや栄養が抜けないように気をつけましょう。ただし、作る料理によってはしっかり絞って水気を切ることで味が染み、水っぽくならない場合もあるので、メニューによって調整してみてください。

あとは食べやすい幅にカットして調理します。

浸けた戻し汁は栄養とうまみがたっぷり含まれているので、できれば捨てずに活用すると◎。煮物なら煮汁として使ったり、ほかの料理に活用してもOK!
水に浸けて戻すのが基本の戻し方ですが、栄養が抜けてしまうのはもったいないので、水以外で戻す方法も! ヨーグルトや野菜ジュースなどに浸けて戻し、そのまま丸ごと使って調理するというアイデアもあります。
食感を残す戻し方

実は切り干し大根、加熱しなくても食べられる食材なんです。もみ洗いした後、ザルにあげてそのまま20分ほど置くと、洗ったときの水分を吸収してコリコリポリポリ食感に。適度に水分を含んで戻すので、煮物のようなやわらかさはありませんが、この食感がクセになるんですよね。
この方法であればうまみや栄養をできるだけ残し、切り干し大根のおいしさをしっかり楽しむことができます。サラダや和え物などに向いています。
切り干し大根を使ったレシピ
切り干し大根の煮物

切り干し大根の煮物は、じんわりうまみが染みてほっとする味わい。切り干し大根のおいしさを堪能できる定番中の定番です。同じ乾物の干し椎茸を入れることで、うまみがUPします。
材料(4人分)
・切り干し大根……40g
・干し椎茸……4枚
・にんじん……1本
・油揚げ……2枚
・ごま油……大さじ1~2
・顆粒だし……小さじ1
・砂糖……大さじ2
・しょう油……大さじ2
・水……適量

作り方
① 切り干し大根と干し椎茸は水に浸けて戻す(戻し汁は取っておく)。油揚げは熱湯をかけて油抜きし、短冊切りに。にんじんは千切り。戻した椎茸は薄切りにする。
② フライパンにごま油を入れて、切り干し大根、干し椎茸、にんじん、油揚げを軽く炒める。
③ 戻し汁を注ぎ、材料がひたひたになる程度の水と顆粒だしを加えて煮る。
④ やわらかくなってきたら砂糖、しょう油を加えて汁気が少なくなるまで煮る。
※お好みで仕上げにごま油で香りづけしてください。
切り干し大根と水菜のシーザーサラダ

和の食材のイメージがある切り干し大根ですが、実は洋風の味つけにも合うんです。マヨネーズに粉チーズやガーリックパウダーも混ぜてシーザーサラダにすると、大根の甘みがより引き立ちます。
材料(4人分)
・切り干し大根……60g
・ハム……4枚
・コーン……50g
・水菜……1株
・マヨネーズ……大さじ4
・粉チーズ……大さじ1
・牛乳……大さじ2
・ガーリックパウダー……小さじ1
・レモン汁……小さじ1~2
・塩こしょう……適量
・ブラックペッパー……お好みで

作り方
① 切り干し大根を揉み洗いし、ザルにあげて20分置いてから食べやすい幅に切る。
② ハムは半分に切ってから太めの千切りに、水菜は4cm幅に切る。
③ 材料をすべて混ぜる。
※お好みで仕上げにブラックペッパーをふりかけてください。

ポリポリ食感の切り干し大根は食べ応えがあります。クリーミーなシーザードレッシング味なので、洋食に合わせても◎。ハムをツナにしたり、水菜をきゅうりに変えてもイイですよね。
切り干し大根とゆで鶏の中華和え

鶏むね肉をゆでたり、錦糸卵を作ったりと、手間をかけて具だくさんで栄養満点の中華和えにしました。さっぱりしているので、食欲のないときや暑い季節にオススメ。
材料(4人分)
・切り干し大根……60g
・鶏むね肉……1枚
・卵……1個
・油揚げ……1枚
・小松菜……1株
・しめじ……1株
・ねぎ(青い部分)……5cm
・しょうが……薄切り1枚
・ごま……大さじ1~2
・ごま油……大さじ2
・中華だしの素……小さじ1
・砂糖……大さじ2+小さじ1
・しょう油……大さじ3
・酢……大さじ3
・塩こしょう……適量
・ゆで汁……大さじ1
・油……適量

作り方
① 鶏肉、ねぎ、しょうがを鍋に入れ、多めの水を注いで加熱し、沸騰したら弱火にして12分ゆでる。
② ゆで汁につけたまま冷まし、冷めたら食べやすく割く。
③ 切り干し大根を揉み洗いし、ザルにあげて20分置いてから食べやすい幅に切る。
④ 小松菜をゆでて水に取り、4cm幅に切ってしっかり水を絞る。

⑤ しめじの石づきを落としてほぐし、軽くゆでる。
⑥ 油揚げを短冊切りにしてフライパンでさっくり焼く。
⑦ 卵に砂糖小さじ1を加えてよく溶き、薄焼き卵を焼く。
⑧ 冷めたら千切りにして錦糸卵にする。
⑨ ごま油、中華だしの素、砂糖(大さじ2)、しょう油、酢、塩こしょう、ゆで汁をよく混ぜてタレを作る。
⑩ すべての材料を混ぜる。
※ゆでる作業やフライパンを使う作業は、連続して使うと洗い物も少なく効率的です。
※ゆで鶏だけはしっかり冷まさないとしっとりしないので、あらかじめ作って冷蔵庫で保管しておくと◎。加熱しすぎたり、熱湯からゆでたりするとパサつきが出てしまうので、必ず水からゆでて、ゆで汁につけたまま冷ましてください。

具だくさんで食べごたえはしっかり。大人は食べるラー油をかけてちょっとピリ辛にするのもオススメ!
切り干し大根の豚キムチ炒め

うまみの強い豚肉キムチと切り干し大根を炒めて、メインおかずにしました。ごはんが進む味で野菜もたっぷり摂れます。
材料(1~2人分)
・切り干し大根……30g
・豚肉……100g
・キムチ……80g
・もやし……100g
・にら……3本
・ごま油……小さじ2
・顆粒だし……小さじ1/4
・しょう油……小さじ1~2
・塩こしょう……適量
・しぼり汁……100ml
※戻した切り干し大根は炒めやすくするために一度しぼりますが、しぼり汁はとっておき、あとで使います。100mlに足りない場合は水で補ってください。

作り方
① 切り干し大根を揉み洗いし、ザルにあげて20分置いてから食べやすい幅に切り、ぎゅっと水分をしぼる(しぼり汁はとっておく)。
② フライパンにごま油を引き、豚肉を炒める。
③ キムチを加えて炒める。
④ ①を加えて炒める。
⑤ 全体が混ざったらしぼり汁、顆粒だし、しょう油を加えて水分が少なくなるまで煮る。
⑥ もやし、4cm幅に切ったニラを加えて軽く炒め、塩こしょうで味を整える。

しゃきしゃきの食感が残る切り干し大根ともやしは、豚キムチとの相性抜群! きのこや青菜などほかの具材を合わせてもOK。切り干し大根と豚キムチは相手を選ばずおいしくしてくれるので、そのときにあるものを組み合わせてみてください。
切り干し大根と塩こんぶのツナ和え

常備菜に作っておきたい切り干し大根と塩こんぶの和え物。ツナのコクとうまみが切り干し大根になじむと、さらにおいしくなってきます。今回は白だしで和風味にまとめましたが、ナムル風の味つけにしても◎
材料(4人分)
・切り干し大根……60g
・塩昆布……20g
・ツナ缶……1缶
・きゅうり……1本
・ごま……大さじ1
・しょうが(すりおろし)……1片
・白だし……小さじ1/2
・塩こしょう……適量

作り方
① 切り干し大根を揉み洗いし、ザルにあげて20分置いてから食べやすい幅に切る。
② きゅうりを斜め切りにしてから千切りにする。
③ 材料を全部和えて、しばらく置いてなじませる。
※塩こんぶも水分を吸ってやわらかくなってきます。作りたてより少し置いてなじんできたくらいがオススメ。

切り干し大根ときゅうりは間違いない組み合わせですが、ゆでた青菜やキャベツ、にんじんやもやしなどでもOK。切り干し大根と塩こんぶがあれば、もう一品ほしいときにもサッと作ることができますよ。
まとめ
切り干し大根は保存も効き、栄養も豊富な食材です。常備しておけば、普段のごはん作りや非常時にも使えて何かと重宝します。
今回は基本的な戻し方と活用レシピを紹介しましたが、どれも普段から作りやすく、燃料や水が不足しがちなときでも作れるものもあります。意外に味つけや組み合わせも自由な食材なので、さまざまな活用レシピを増やしておくとイイですよ♪