今の家は、便利だけど治安がよくないエリア。子どものために安全なところへ引っ越すべき? #古坂大魔王のモヤズバッ! Vol.32
お笑い芸人や音楽プロデュース、テレビ番組のMCなど、多忙な毎日を送りながら、2児のパパとして育児に奮闘する様子をSNSで積極的に発信している古坂大魔王さん。同じように育児や夫婦関係のことで悩んでいるパパ・ママのお悩みに、ズバッと切り込みます。
今回のお悩み
minminさん(31歳/機械・精密機器/事務系専門職)
現在1人目の子どもを妊娠中です。現在住んでいるエリアは、買い物や交通の便はいいのですが、あまり治安がよくありません。
生まれてくる子どものことを考えると、もっと安全で、公園や自然が多い場所へ引っ越したほうがいい気もするのですが、今の便利さも捨てがたくて……。何を優先すべきでしょうか?
古坂さんの回答
・まったく同じことで悩んだ経験あり
今回のご相談は、以前、僕が悩んでいたこととまったく同じです。
じつは僕は、我が子が生まれるまで都会のど真ん中に住んでいて、住宅街や郊外に住む理由が全然わからなかったんですね。都心のほうが買い物もしやすいし交通の便もいいのに、どうしてみんな住宅街や郊外にわざわざ引っ越すのだろうと思っていたくらい。
特に僕はお笑い芸人だから、住むべき場所は静かな住宅街じゃないだろうと! ごった返した都会の街に住んでるのがぴったりだと自認してたわけです。
ところが、いざ子どもが生まれてみると、都会のど真ん中は多様性が多様すぎた(笑)! 本当にいろいろな人がいます。
保育園や学校の近くでもタバコを吸っている人がいたり、道端に座ってお酒を飲んでいる人がいたり、危なそうなゴミが落ちていたり、ちょっと怖そうな人がいたり。なんだか心配になることが多いことに気づきました。さらに交通量も多くて、事故のリスクもあります。
しかも、都会のど真ん中には保育園や学校が少なく、子どもが遊べるような公園もあまりない。近所の人との繋がりも希薄というか、しょっちゅう入れ替わるからよくわからなかったりします。それでminminさんと同じように、本当にこの環境でいいのかと悩んだんです。
・守るべき子どもがいると敏感になる
このときに初めて気づいたのが、守るべき子どもがいたら、周囲の環境が気になって当たり前だということ。子どもがいなかったときは、夜中の物音も気になりませんでした。ところが、子どもがいると「ガタッ」と外で音がするだけで敏感に察知し、警戒態勢になります。
そして「治安がいいかどうか」「安全かどうか」というよりも、実際どうなのかはわかりませんが、親である自分と奥さんが「ここなら安心して子育てできる」と思える場所で暮らすのがいいと思うようになりました。
ちなみに引っ越し先を決めるに当たって重視したのは、親の私たちが周辺の環境を見て安心できるかどうか、評判のいい保育園や公立の小学校があるかどうか、です。保育園や小学校についてはネットで調べたり、友人や知人にリサーチしたりしました。
一方、あまり気にしなかったのは交通の便です。もう自転車や車を使えばいいと割り切ることにしました。保育園もすごく近いわけではないのですが、妻と2人で自転車で送迎をしていて、それはそれで楽しくやっています。
・騒音問題が起こりにくいどうか
子育て中、もうひとつ大事なのが「騒音問題」によるトラブルが起こりにくい環境かどうか、じゃないかと僕は思っています。
子どもは普段からちょっと楽しいとテンションが上がって叫び、嫌なことがあれば大声で泣き、じっとしていられなくて飛び跳ねたりするもの。ところが、誰もが子どもに寛容なわけではありません。ほんの少し子どもが大声を出しただけでも、隣近所から怒鳴り込まれるかもしれません。
実際、友人が住んでいたマンションは少しでも音を立てると、階下の人から「静かにしてください」と苦情を言われてしまうので、深夜じゃなくてもできるだけ足音を立てないよう歩く必要があって大変なのだとか。そんなの困りますよね。
まあ、実際に住んでみないとわかりませんが、子どもが小さいうちはマンションなら1階に住む、一戸建てなら隣近所と少し離れていると安心かもしれません。また家を決める前に何回か偵察に行って、近所の人に話を聞くのもいいと思います。
最後に、僕は住宅地に引っ越して本当によかったと思っています。隣近所の人の入れ替わりが少なく、しかも交流があったりするので、トラブルになりづらいのも理由のひとつ。minminさんも、ぜひいろいろ調べて検討してみてください。
今回の結論!
古坂大魔王さんプロフィール
1973年7月17日生まれ。青森県出身。1992年にお笑い芸人「底ぬけAIR-LINE」でデビュー。現在は、芸人、音楽プロデューサーのほか、文部科学省・CCC大使、総務省・異能vation推進大使、国連環境計画「UNEP」アンバサダーを務めるなど、マルチな才能を活かして活躍中。2児の父。NHK Eテレ『すくすく子育て』では5年間MCを務めた。現在は、多数のバラエティ・情報番組に出演中。プロデュースするピコ太郎の幼児向けコンテンツ「ピコスタキッズ」のYouTubeチャンネルを開設。
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Twitter @kosaka_daimaou
(取材・文:大西まお、撮影:天田輔[インタビュー]、佐藤登志雄[タイトル・結論]、編集:マイナビ子育て編集部)