子育てをしていて、自分の趣味が何かわからなくなった。やりたいことはどう見つければいい? #古坂大魔王のモヤズバッ! Vol.31
お笑い芸人や音楽プロデュース、テレビ番組のMCなど、多忙な毎日を送りながら、2児のパパとして育児に奮闘する様子をSNSで積極的に発信している古坂大魔王さん。同じように育児や夫婦関係のことで悩んでいるパパ・ママのお悩みに、ズバッと切り込みます。
今回のお悩み
双子母さん(32歳/金融・証券/営業職)
子どもがいると、自分の趣味ややりたいことの時間が持てません。その結果、自分の趣味が何なのか、ふと時間ができたときに何をしたらいいのか、わからなくなります。
自分の時間の確保の仕方、育児から手の離れたときにやりたいこと、どうやって見つけていますか?
古坂さんの回答
自分に目を向けられてよかった
双子母さん、初めまして。子育て、いつもお疲れさまです。
子どもって、赤ちゃん時代は自分では何もできませんし、授乳におむつ替え、寝かしつけ、夜泣きの対応などのお世話があまりに頻繁で手がかかりますよね。だから最近までは、とりわけ忙しかっただろうと思います。
しかも双子の場合はいっぺんに2人分ですから、本当にもう目が回るような忙しさだったことでしょう。「双子の手のかかり方は2倍ではなく、4倍だ」と聞いたことがあります。地球上でもトップレベルの忙しさだったことは想像に難くありません。
この連載の担当編集者の女性も双子のお母さんなのですが、子どもが生まれてから1年くらいはあまり外出さえできず、旦那さんと2人がかりでもスーパーに出かけるのもやっとだったそうです。お子さんが3歳になるころまでは、特に大変だったという話でした。
双子母さんが、お子さんが少し成長した今「自分の趣味ややりたいことはなんだろう」と考えたということは、やっとご自身にも目を向けられるようになったということだと思います。じつは僕も同じで、下の子が3歳になった今、少し余裕が出てきたところです。
そういう意味でいうと「険しい山の中をさまよいながらサバイブしてきて、やっと街の光が見えた」という感じかもしれません。ですから、まずはここまでがんばってたどり着けたことに「おめでとうございます!」と伝えたいです。
死ぬまでにやっておきたいこと
さて、双子母さんが「趣味ややりたいこと」がわからなくなったのは、子育てに追われてほかのことができず、親という役割だけに集中したことで一時的に自分を見失ったからかもしれません。そういう意味では「自分とはなんぞや」という根源的な問いでもあります。
じつは僕は仕事が趣味なので、「自分」を見失ったことがなくて……。でも、趣味ややりたいことを見つける方法を提案してみたいと思います。ちょっと極端かもしれませんが、ひとつは「もしも来年、自分が死ぬとしたらやっておきたいこと」を考えてみるのはどうでしょうか。
仕事が趣味の僕ですが、こうやって考えてみると、ほかにも絶対にやっておきたいことがあります。まずはアニメの『キングダム』や『ワンピース』や『鬼滅の刃』を全部ゆっくり見たいんです。そうしてインプットしてから、次はアウトプットへ。子どもたちと一緒に曲を作ったりしたいな〜と思っています。
趣味とかやりたいことといっても、別にSNS映えしたり、立派に見えたり、役に立ったり、新しいことだったりする必要はないんです。むしろ過去の自分に「これまでやっていないこと」を聞いてみてもいいかもしれません。それが「死ぬまでにやっておきたいこと」だったりするかもしれません。
「友だちに会いたい」でもよし、「ハワイに行きたい」でもいい。「ショッピングしたい」でもいい。まずは、どんどん紙に書き出してみてはどうでしょうか。意外と本当にやりたいことにたどりつけるかもしれません。
家族共通の趣味を持つのもよし!
もうひとつの提案は、家族共通の趣味ややりたいことを持つことです。それなら時間がとりやすいのではないでしょうか。これからお子さんたちにも好きなもの、やりたいことや趣味ができてくると思うので、それを共有するんです。親の側から提案してもいいと思います。
アンパンマン、LEGO、LaQ、ディズニー、Nintendo Switchなどのゲーム、トランプ、かるた、昆虫採集、旅行やスポーツ……選択肢は無限にあります。家族で工作やDIYを趣味にするのもよさそうです。今はYouTubeに作り方動画がたくさんあるので挑戦しやすいですよ。
ちなみに、うちの家族全員共通の趣味はプリキュア! みんなで放送を見るのはもちろん、ショーを見にいったり、プリキュア展に行ったり、グッズを買ったり。娘たちのおかげで、私も妻もプリキュアが大好きになりました。
これから家族で一緒にやってみたいことは、奥さんの好きなパズルです。家族で何万ピースかの巨大なパズルを完成させて玄関に飾ったらいいかもしれないな、なんて思っています。
こうして家族で趣味を共有すると、それぞれの趣味の幅が広がるし、何より一緒に楽しめるのがいいんです。親子で長時間一緒に遊べる時期はそう長くないので、期間限定のお楽しみだったりもします。ぜひ家族で楽しめる趣味も、探してみてくださいね!
今回の結論!
古坂大魔王さんプロフィール
1973年7月17日生まれ。青森県出身。1992年にお笑い芸人「底ぬけAIR-LINE」でデビュー。現在は、芸人、音楽プロデューサーのほか、文部科学省・CCC大使、総務省・異能vation推進大使、国連環境計画「UNEP」アンバサダーを務めるなど、マルチな才能を活かして活躍中。2児の父。NHK Eテレ『すくすく子育て』では5年間MCを務めた。現在は、多数のバラエティ・情報番組に出演中。プロデュースするピコ太郎の幼児向けコンテンツ「ピコスタキッズ」のYouTubeチャンネルを開設。
YouTube ピコスタキッズYouTubeチャンネル
TikTok ピコスタキッズTikTokチャンネル
Twitter @kosaka_daimaou
(取材・文:大西まお、撮影:天田輔[インタビュー]、佐藤登志雄[タイトル・結論]、編集:マイナビ子育て編集部)