「怒らない親が多すぎる」の声に杉浦太陽さんが明かした家庭内ルールとは。令和の子育てで必要な、親の線引き
親は子どもをどう叱るべきか――。家庭内での親子の向き合い方や、「しつけ」と「感情」の境界があらためて注目を集めています。こうした中、五児の父である杉浦太陽さんが自身のYouTubeで、令和の子育ての悩みに回答。「怒る」と「叱る」の違い、さらには他人の子をどう注意するかまで、率直な考えを明かしました。
■「食べてすぐ横になるな」
2007年に辻希美さんと結婚し、昨年次女が誕生して5人きょうだいの父となった杉浦太陽さん。自身のInstagramで募集した子育ての質問や悩みに対し「うちのルールで答えてみました」として、YouTubeで動画を公開しました。
杉浦さんはまず「令和の時代、怒らない親が多すぎる」という意見が寄せられたと紹介し、公共の場での子どもの振る舞いについて言及。杉浦家では、家族全員に加えて祖父母も含めた大人数で外食に行くことがしばしばあり、アットホームな雰囲気でつい気が緩んだ子どもが、食事のあとにそのまま横になってしまう場面があると明かしました。
これに対して杉浦さんは毅然と「注意します。周りから見ていい気分もせえへんし、『食べてすぐ横になるな』って言います」といい、家庭内の延長のような空気でも、外ではきちんと声をかける必要があると説明。その行動が周囲への配慮に欠けるものであることを、子ども本人に伝えていると明かしました。
飲食店によって子どもの行動の許容範囲が異なる点にも触れます。キッズスペースがある店舗であれば遊ぶ場所として成立するものの、「そういうのがないところは、ちゃんと親が子どものうちに言っとかんと」と話し、場所によって振る舞いを変える必要があると指摘しています。「その子が社会に出てから恥かくようなことになるかもしれんから」「怒鳴る必要はないと思うけど、ちゃんと注意するっていうのは必要かもしれませんね」と述べ、単にその場の問題ではなく、将来に向けた教育という視点から注意の必要性を説明しました。
■ゲームは「どう制限するか」ではなく…
その姿勢は一貫しており、子どもが食事中にYouTubeを視聴しようとするときも、「ご飯食べるんやったらちゃんと食べて、脳が“食べてる”って認識せなあかんから。会話を楽しめるような食事にしよう」と伝えているそう。この問題は子どもだけでなく親自身にも当てはまり、杉浦さんも食事中にスマホを触って子どもに注意されたことがあるといいます。「YouTubeは良し悪し。本当に見る時間、見ちゃいけない時間っていうのを分けて教育した方がいい」と述べ、メリハリのあるルールづくりの必要性を示しました。
また、子どものYouTube視聴と並んでゲームについても悩む親は少なくありません。特に問題になるのが「やめどき」です。杉浦さんは、「これが一番いいところでやめさすと喧嘩になるんですよ」と、ありがちな親子の衝突を挙げました。子どもにとってはちょうど面白くなってきた場面で止められるため納得感がなく、結果的に親子喧嘩に発展してしまうといいます。
そこで実践しているのが、親が一緒にゲームをすること。「子どもがどんなゲームで遊んでるのか一緒に遊んでみる」ことで、ゲームの区切り方を理解できるようになると説明します。実際、一緒にプレイしながら「あそこのキャラを倒したらやめようね」というように、ゲームの進行に合わせた具体的なゴールを共有する形で区切りを決めているといいます。このやり方であれば、単に「時間だからやめなさい」と一方的に止めるのではないため、子ども自身も納得しやすく、「両方とも機嫌よく終われる」状態になると語りました。
大切なのは「ゲームをどう制限するか」ではなく、「どう設計するか」という考え方。単純な禁止や時間制限ではなく、子どもが納得できるルールを共有することが重要そうです。
■「叱る」と「怒る」はどう違うのか
「怒ると叱るの違いを見極めるのが難しい」という悩みも取り上げました。
杉浦さんは、「怒るってさ、『さっき言ったやんけ!』みたいな感じで、感情論なんすよね」と、まず「怒り」の本質は感情の噴出であることを明言。たとえば注意するときに「前にも言ったのにまだできてないやん!」という言い方になった時点で、それは「叱る」ではなく、「怒る」に近い状態だと整理しました。
一方で「叱る」については、「あなたがこういうことをしたから、こういう理由でダメだって言ったじゃないですか」という言い方をすると説明し、あくまで“行動と理由をセットで伝えること”だとしています。子どもの行動そのものにフォーカスし、「なぜダメだったのか」を理解させるコミュニケーションが「叱る」だということですね。
ただ、この2つは頭では分かっていても、実際の場面では非常に混ざりやすいとリアルに明かした杉浦さん。「叱ってるつもりでも、感情が入ったらそれはもう怒ってるんですよね」と述べ、トーンや言葉に感情が乗った瞬間に“怒り”に変わってしまう難しさを認めています。
具体的には、「30分って言ったよね、もう1時間経ってるよね。だからちゃんとしようね」といったように、落ち着いて事実とルールを確認しながら伝える状態が「叱る」。ここで感情が入り「なんでできへんねん!」と強くぶつけてしまうと、それは一気に「怒る」に変わると指摘します。「ブチギレて叱ったら『怒る』です」と、両者の境界がいかにシンプルで、同時に崩れやすいかを語っていました。
そもそも「怒る」という感情の発露は子どもだけでなく親にとっても負担になっています。「怒ったあとは後悔する」と言及し、自分の状態を客観視して「今、自分って怒ってるなっていう自分の感情のブレーキ」を持つことが大切だと伝えました。
さらに杉浦さんは、「よその子どもを注意するか」という難しいテーマにも触れました。基本的には関係性次第としながらも、「あまりにもひどいときは言います」。ただし、言い方には気を付けているそうで、「ブチギレたらあかん」と強調。たとえば「ストップ」「足洗ってくださいね」等、さらっとした言い方で注意することを心がけていると明かし、「フレンドリーに注意していくのが大事かもしれないですね」と語りました。
■子どもの人格ではなく「行動」を叱る
子育てでは、子どもに「してはいけないこと」を伝える場面で悩むことが少なくありません。特に「怒る」と「叱る」の違いは、多くの親が悩むポイントです。杉浦さんが話したように、感情でぶつけるのが「怒る」、理由を伝えるのが「叱る」です。
命に関わるような危険な行動は、子どもが幼くてもはっきり「いけない」と伝える必要があります。そのとき大切なのは、怒鳴ることではなく、「普段と違う真剣さ」で伝えることです。それだけでも、子どもには「やってはいけないことだ」と伝わります。
叱るときは、子どもの人格ではなく「行動」に向けることも重要です。強い言葉で否定すると、内容よりもショックだけが残ってしまいます。感情的になりそうなときは、一度立ち止まり、「どう言えば伝わるか」を考えること。これは簡単ではありませんが、少しずつ意識することで変わっていきます。どんな理由があっても手を上げることは許されません。叩くことはしつけではなく、恐怖を生むだけで、伝えたいことは届きません。
そして、叱り方を考えるときに忘れてはいけないのが「褒めること」です。できたことや守れたことをきちんと言葉にすることで、子どもは安心し、自信を持てるようになります。叱るだけでなく、褒めることもある――その積み重ねが、子どもに「愛情からの言葉だ」と伝わっていきます。
参照:
【医師監修】子供のしつけはいつから?月齢・シーン別の怒り方
(マイナビ子育て編集部)
