板野友美さんインタビュー/「娘にとって自慢の母でいたい」周囲に振り回されず、ブレない自分を作る強さの秘訣とは?
9月7日にさいたまスーパーアリーナで開催された『第39回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2024 AUTUMN/WINTER』でヘリテージジュエリーをテーマにしたランウェイを歩いた板野友美さんにインタビュー。どんなライフステージにいても「かわいい」マインドを持ち続けられる秘訣とは?
結婚するときに母から受け継いだジュエリーは「お守り」
ーーキッズクリエイターの望蘭ちゃんと親子コーデで、トップバッターで歩きましたね。TGCは、4月開催時に8年ぶりだったそうですね。
板野友美さん(以下、板野) そうなんです。今回は私が代表取締役/ディレクターをしているブランド「Rosy luce」のお洋服を着て歩けたので、感慨深いですね。
ーーリボンとフレア感がガーリーなワンピースでしたが、もうリリースしていますか?
板野 はい!(※現在はソールドアウト)今まではほかのブランドのお洋服を着て歩くことが多かったので、自分のブランドのお洋服を着て歩いたことは、ひとつの夢が叶ったような気持ちですごくうれしかったです。
ーー華奢で上品なジュエリーとの相性も抜群です。
板野 そうですね。ペンダントもリングもブレスレットもオシャレなデザインで、爽やかにつけられるところがお気に入りです。流行にとらわれるデザインではないので、もっと年齢を経ても、若くても、どんな年代でも身につけられそうだなと思いました。
ーー今回のテーマは「親から子に受け継ぐヘリテージジュエリー」ですが、ステージでは板野さんご自身も「母からジュエリーを受け継いだ」と話していました。
板野 そうなんです。私が結婚したときに譲り受けました。小さな石の華奢なデザインのネックレスで、普段から身につけるというよりも、「お守り」という感覚で大切に保管しています。
ーーそのとき、お母様からなにか言われましたか?
板野 母も自分の母親から「大切なときにもらったもの」だと言っていて。だから「娘がお嫁に行くときに渡したかった」と言っていましたね。
ーー板野さんがお子さまに受け継ぐとしたら、どんなものをチョイスしますか?
板野 色やデザインの好みはそれぞれだと思うので、主張が激しくない、どんなお洋服にも似合いそうなジュエリーを引き継げたらいいなと思います。
疲れていても「なりたい自分」のためのスキンケアが上回る
ーーお子さまは今2歳ですが、顔出ししていたころは「かわいすぎる!」と話題になっていましたね。
板野 かわいい一方で、最近は娘自身の意思がはっきりしてきたので、反抗されてしまうときは大変さを感じます。ただ、頭ごなしに「ああしなさい」「こうしなさい」ということは言わないようにしていて。その子の個性を生かしたいし、やりたいことや思っていることを尊重してあげたいと思っています。
「親の言うことが絶対」なんて思っていても、子どもと接していて「そうか、そういう考え方もあるんだな」と子どもから学ぶこともたくさんあるので、お互いに成長できたらいいなと。
ーーお子さまからどんなことを学びましたか?
板野 子どもが「ママ、だいじょうぶ?」と気遣ってくれたり、「ママ、おふろでたの?」と話しかけてくれたりするとき、「そういうコニュニケーションって、素直でステキだな」と気づくんですよね。それで、私も常にそういう声かけをしようと、「おはよう」「ただいま」はもちろん、「ママは今からお仕事でこういうことをするよ」と、きちんと伝えることの大切さを学びました。
ーーていねいにコミュニケーションを取ることで、お互いの心をほぐしているようですね。
ーーどんなライフステージにいても、アイドル時代からずっと変わらず「かわいい」でいる板野さんですが、心がけていることはありますか?
板野 周りから「かわいくいなきゃいけない」「きれいでいなきゃいけない」と言われるなど、他人のそういった言葉に振り回されていたら疲れてしまうと思いますが、私は自分自身で「こうありたい」という"自分像”を強く持っています。だからこそ、「夜、パックをする」や「スキンケアをていねいにする」などの「キレイになりたい自分」が、「今日は疲れたからやりたくない自分」を上回ることができているんです。だから、まず「自分がどうなりたいのか」を考えることが重要なのかなと思います。
ーー板野さんの“なりたい自分”、どんなイメージですか?
板野 「娘にとって、自慢の母でありたい」という自分や、「どんなときでも女性としてずっとブレずにいたい」という自分でしょうか。それは「若々しくありたい」とは、必ずしも比例しないように思います。
アスリートの夫のために、決めたことは守り続ける
ーー子育てのモットーはありますか?
板野 モットーは「お互いに、毎日楽しく生活する」です! 周りの「育児とはこうあるべき」という声に惑わされず、お互いにリラックスして楽しめる時間を作ることが大事だと思うので、娘と常に楽しい時間を共有できるように心がけています。
ーー板野さんも周りの声に惑われる瞬間がありますか?
板野 あまりないですが、親などのいろんな人から「こうしたほうがいいよ」「こうしなきゃいけないよ」「あれしちゃいけない」と言われることってよくあることだと思います。私は、子どもがハッピーでいることが一番いいことだと思っているので、「こうしなきゃいけない」とガチガチに考えを固めず、楽しく子育てしていきたいですね。
ーー2021年に結婚した東京ヤクルトスワローズ所属の高橋奎二投手とは、SNSやテレビ番組などで仲の良い姿やエピソードを披露していますが、円満の秘訣はありますか?
板野 夫婦になると、小さなすれ違いはよくあることかと思います。そういった小さいことをスルーせずに、そのつど話し合ったり、常に気遣いを大事にしています。あとは、彼はアスリートなので、「毎日ご飯を作る」など、忙しくても自分がやると決めたことに関しては、ずっと続けています。
ーー決めたことを守り続けることで、信頼関係が強固になるのかもしれないですね。喧嘩したときは、どうやって仲直りしていますか?
板野 向こうが歩み寄ってくれたらそれに沿うこともあるし、長引かせないように私自身から歩み寄っていくこともあります。
ーー最後に、この記事を読んでいるママ、パパにメッセージをお願いします!
板野 AKB48時代もそうでしたし、今は経営もしていて、大変な仕事をしつつ忙しい日々を過ごしてきましたが、でも「どんな仕事よりも子育てが一番大変だな」と常に実感しています。母になり、とくに新生児のころは「これをやっているお母さん、お父さんって、本当にすごいな……」と思いました。世の中のお母さん、お父さんのこと、いつも尊敬しているんです。しかも、2人、3人育てている方もいて、常に目が離せず、24時間ずーっと働きっぱなしという感覚の方もいるかと思います。今は、国や都の助成もあるので、さまざまなサポートをうける選択肢もあります。頑張りすぎずに、息抜きの時間も作ってほしいですね
ーー板野さんご自身も、自分の時間を作っていますか?
板野 私はそういうとき、子どもを置いて自分の時間を作ることに罪悪感を持ってしまうこともあります。でも、お母さん、お父さんが元気じゃなかったりハッピーじゃなかったら、一緒にいる子どもは悲しいのかなと思いまして。だからそういうときは、「子どもが家以外の環境で、ほかの子どもや親以外の大人と触れ合える、新しい刺激をもらえる機会」とポジティブに捉えています。みなさん、とにかくがんばりすぎず、自分を大切にしてほしいなと思います。
ーーありがとうございました!
板野友美さん/歌手・起業家
1991年7月3日生まれ、神奈川県出身。2005年に1期生としてAKB48に所属。“神セブン”のひとりとして国民的アイドルに。ソロ歌手、モデルなど多方面で活躍し、2013年にAKB48を卒業した。2021年に東京ヤクルトスワローズの高橋奎二投手と結婚、同年10月に第一子出産を発表した。現在はライフスタイルブランド「Rosy luce」、スキンケアブランド「peau de bébé」の2社を起業し、経営を手掛けている。
(取材・文:有山千春 撮影:松野葉子 編集:マイナビ子育て編集部)