相続後の親族関係はどう変わる?「疎遠になった」は約6割、関係改善ために有効なのは「距離感を保つ線引きを決める」が最多に
弁護士法人 東京新宿法律事務所は、40歳〜70歳以下で相続の経験があり、相続後に親族関係の変化を感じた人を対象に「相続後の親族関係の変化に関する調査」を実施しました。
同調査では、相続後の距離感の変化や、関係を整えるためにしたことなどを尋ねています。結果からは、相続後に疎遠になった人が一定数いる一方で、関係を整える行動に移せない人もいることがわかりました。
相続後、親族と「疎遠になった」と感じる人は約6割
相続が終わった現在、親族との距離感について「相続前より疎遠になった」(「かなり疎遠になった」33.3%+「少し疎遠になった」27.3%)は合計60.7%でした。
一方、「親密になった」(「少し親密になった」27.0%+「かなり親密になった」12.3%)は39.3%です。相続を経て関係が近づく人がいる一方で、距離ができたと感じる人のほうが多い結果となりました。
相続中の親族関係は「円満だが緊張もあった」28.7%が最多
相続の話し合いや手続き中の雰囲気は、「おおむね円満だったが、緊張する場面もあった」28.7%が最も多く、「協力的で、落ち着いて進められた」27.0%が続きました。
一方で、「意見の食い違いがあり、気まずい場面が多かった」22.0%、「もめごとが多く、関係が悪化していた」15.7%、「連絡を最小限にしないと進まない状態だった」6.7%も見られます。
「落ち着いて進められた」層もいる一方で、相続中に気まずさや対立を感じた人が一定数いることがわかります。
相続後まで影響が残った出来事は「言い方・態度」18.0%が最多
相続のやり取りの中で、相続後の関係にも影響したと感じるものは、「言い方・態度(心ない一言等)で感情が引っかかったこと」18.0%が最多でした。
続いて「感謝・ねぎらい・謝罪など、関係を整える言葉があった/なかったこと」16.0%、「必要な時間を持てず、十分に話せないまま結論になったこと」14.7%、「情報の出し方(財産・負債等)に偏りや不透明さを感じたこと」14.3%が上位です。
何を決めたかだけでなく、どうやり取りしたかが、その後の気持ちに残りやすいことがうかがえます。
相続後の関係改善で「特に何もしていない/できなかった」28.3%が最多
相続後に、親族関係を良い方向に整えるために実際にしたことは、「特に何もしていない/できなかった」28.3%が最多でした。
次いで、「いったん距離を置き、線引きを決めた」13.3%、「連絡の頻度・手段を意識して整えた」11.7%、「定期的に状況共有する場を作った(家族会議等)」11.3%、「役割分担(誰が何をするか)を決めた/見直した」11.0%が続きました。
相続が終わったあと、「何かしたほうがいい」と思っても、気持ちの整理やきっかけ作りが難しく、そのままになってしまう人も少なくないようです。
関係を良くするために有効だと思うことは「線引きを決める」23.3%が最多
振り返って「こうしておけば、もう少し関係を保てたかもしれない」と思うことは、「距離感を保つ線引きを決める」23.3%が最多でした。
次いで、「相続後に続く負担(実家・墓・費用等)まで含めて方針を決める」19.0%、「相続中に情報を見える化し、同じ前提で話す」15.7%、「相続中に「決め方(合意の取り方)」を丁寧に整える」14.0%が続きます。
また、「早い段階で専門家(弁護士・行政書士など)に相談する」も12.3%となり、当事者だけで抱え込まないことが助けになると感じた人も一定数いました。
まとめ
今回の調査では、相続後に親族関係の変化を感じた人のうち、「疎遠になった」と答えた人が60.7%でした。相続後まで気持ちに残りやすい出来事として「言い方・態度」や「感謝・謝罪などの言葉」の影響もうかがえます。
親族関係を保つためには、相続中に「情報を同じ前提で共有する」「役割分担を決めて負担を偏らせない」「決め方を先に確認する」などを意識するとよいかもしれません。整理が難しい場合は、早めに弁護士など第三者に相談することも選択肢になります。
調査概要
調査期間:2026年1月15日〜1月20日
調査方法:インターネット調査
調査対象:40歳〜70歳以下で相続の経験があり、相続後に親族関係の変化を感じた人
サンプル数:300
引用元:弁護士法人 東京新宿法律事務所 調べ( https://www.shinjuku-law.jp/ )
弁護士法人 東京新宿法律事務所
https://www.shinjuku-law.jp/
(マイナビ子育て編集部)
