「やる気がない」は、性格の問題じゃなかった。子どものイライラ・無気力の正体
最近、すぐ不機嫌になる。何度言っても動かない。ダラダラしているように見えるわが子に、「どうしてうちの子は!」とイライラしてしまうことはないでしょうか。その様子を「性格」や「やる気」の問題として捉えてしまうことは、少なくありません。しかし、その状態の裏側で、親が気づきにくい“ある変化”が起きているとしたらーー
書籍『子ども脳疲労』(著:成田奈緒子/日本文芸社)は、小児科専門医である著者が、現代の子どもに起きているその“見えにくい変化”と、回復に必要な生活習慣を解説した一冊です。
今回は、子どもの不機嫌や無気力の背景にある「見えない疲れ」と、がんばらせるよりも大切な“休ませる”という視点について、一部抜粋してお届けします。
親の気がつかないところで、子どもはとても疲れている
子どもはいつでも元気。この考え方はもはや時代遅れです。現代の子どもたちは、親御さんが思っている以上に忙しく、大人と同じくらい疲労がたまっています。
学校が終わると塾や習い事へと向かい、帰宅すれば宿題に取りかかります。ようやく机から離れても、ゲームや動画視聴などであっという間に時間は過ぎていきます。週末にも習い事や家族の予定が入り、気づけば一日が活動でいっぱいです。
親は、子どもの力を伸ばしたい、可能性を広げたいという思いから、習い事や勉強を次々とやらせてしまいがちです。こうして予定が増えるほど、子どもが何もせずにゆっくり過ごせる時間は減っていき、気づかぬうちにかなりのハードワークを与えてしまっているのです。
このような「詰め込み」に心当たりはありませんか?
現代の子どもは超ハードスケジュール
学校に習い事に宿題にと、次々にやることが重なると、子どもの脳は休む間を失ってしまいます。目に見えない疲れが、毎日少しずつ積み重なっている状態です。
不機嫌・ダラダラの原因は「子ども脳疲労」だった
多くの親御さんから、子育て中の大きな悩みとして「子どもが急に不機嫌になる」「勉強をする時間でも机に向かわずダラダラしている」「すぐに集中力が切れてしまう」という相談をよく受けます。何度注意しても変わらず、「どうしてだろう」と困ってしまった経験を持つ方も多いのではないでしょうか。
実は、この不機嫌やダラダラの正体こそが「子ども脳疲労」です。とても忙しい今の子どもたちは、一見元気そうに見えても「見えない疲れ」が蓄積しています。大人が多忙で疲労するのと同じように、子どもの脳も休めずに疲れてしまっているのです。
脳に疲労がたまると、感情をコントロールする働きが弱まり、不機嫌やダラダラの原因となります。つまり、子どものそういった状態は脳が疲れているサインといえます。
脳の疲れが行動にあらわれる
子どもも大人と同じように、負担が重なると脳の働きは落ちていきます。集中力が続かなくなったり、不機嫌になったり、ダラダラしてしまったりするのは、脳が疲労しているサインです。
子どもの脳は「頑張らせる」より「休ませる」ほうが育つ
子どもが無気力になったり、不調が続いたりすると、「性格の問題だろうか」「才能がないのではないか」と考えてしまいます。さらに、「自分の子育てが間違っているのでは」と不安になる親御さんも少なくありません。その結果、もっと声をかけよう、もっと丁寧に見ようと、関わりを強めがちです。
しかし、脳が疲れているときに努力を重ねても、思うような変化は起こりにくいものです。ここで必要なのは、さらに「頑張らせる」ことではなく、脳をきちんと「休ませる」ことです。正しく休ませてあげると、子どもの脳の働きは少しずつ回復します。すると、驚くほどに子どもの意欲や集中力が上がっていくのです。
子どもへの関わりを増やすのではなく、脳が自然に回復できる環境を整えることが、子どもの脳を育てます。
休むとよい変化が訪れる
脳が疲れているときは、いくら努力してもなかなか伸びません。まず休ませることで、本来の働きが戻り、興味ややる気が自然と湧き上がってきます。
親が一歩引いてあげると、子どもの脳は伸びはじめる
子ども脳疲労を回復させてあげるにあたって、何か特別なことをする必要はありません。むしろ、今まで「子どものために」と思いあれこれとやっていた「やらなきゃ育児」を正しくやめて、子どもを適切な距離感で見守る姿勢が大切です。声かけを少し減らし、予定を詰めすぎず、結果を急がない姿勢でいることで、意外にも子どもは勝手に、そしてしっかりと育っていきます。
さらに、頑張りすぎなくてよいと気づくと、子どもだけでなく親自身の負担も軽くなり、もっと楽に子どもと向き合うことができます。子どもの脳の仕組みを知っていれば、あれこれ詰め込まなくてもしっかり育てていくことができるのです。
本書では「子ども脳疲労」の仕組みと脳を伸ばす関わり方を解説し、子どもを元気に賢く育てる方法を紹介します。
続きはぜひ書籍でご覧ください。
※本記事は、『子ども脳疲労』<著:成田 奈緒子/日本文芸社>より抜粋・再編集して作成しました。
