- 掲載
- 2026年08月11日 17:01
数字好きの3歳児が宇宙博士を志す。その背景にあった親の関わり方とは
「早く行くよ」「もう行こう」と、つい次の行動を促してしまう――そんな場面は、子育ての中で少なくありません。しかし、「息子が好きなことは、とにかく一緒に」を夫婦のモットーにしてきた大森さん夫妻は、「もう終わり」と大人が区切るのではなく、子ども自身が満足するまで見守り、一緒に楽しんできたといいます。
6歳で天文宇宙検定3級に最年少合格、小学3年生で数学検定2級――“宇宙少年”として注目を集める、小学6年生の大森陽生さん。
大森家が実践してきたのは、“ほめる・叱る”に頼らず、親の「リアクション」にフォーカスした独自の子育てメソッド。この考え方をまとめた書籍書籍『みるみる自走する! 子育てはリアクションが9割』(著:大森治幸、大森陽生/新潮社)が、このたび刊行されました。の実体験をもとに、子どもの主体性や知的好奇心を育むヒントを紹介しています。
本記事では、数字に夢中だった3歳の陽生くんが宇宙飛行士を目指すまでのエピソードを、一部抜粋してご紹介します。
数字に夢中だった3歳児が 「宇宙博士」を目指すまで
「大森列車」で買い物へGO!
息子は小さい時から、ものを数えたり、情報を整理したりするのが好きです。
近所にあった大きめの公園には、さまざまな木が植わっていました。その公園に繰り出すと、木が植えられた散歩コースにいの一番に向かい、「ブナ!コナラ!」と指さし確認をしながら歩きます。その目は、まるで植木職人か植物学者。あまりに真剣なまなざしで指さしするものですから、水を差す訳にもいきません。ゾーンに入っている息子を滑り台や砂場に誘うのは悪手。息子が満足するまで一緒に歩き、「せーの!」と声を合わせて私も指さし確認に加わっていましたし、妻が連れて行った時も同じように指さし確認を見守っていました。
息子が好きなことはとにかく一緒に。それが私たち夫婦のモットーでした。話は少し脱線しますが、ある時、息子が電車ごっこに夢中になっていたことがありました。複数人で縦一列にならんで立ち、長い輪っか状にしたひもを持って「連結」して歩くあの遊びです。息子があまりに好きそうだったので、
「この電車でお買い物に行こう!」
と提案したことがあります。妻にもお願いして、「車両」の一部になってもらいました。先頭車両が息子、その後ろに妻、私の順で並び、3人でひもを持つと、なんだか気分が高まってくるではありませんか。三人寄れば文殊の知恵という言葉があるように、人が3人集まるとなんだか物事が好転しそうな、ワクワク感が出てくると常々思っています。
「大森列車、出発しまーす!」
発車の合図をすると、息子も気分が高揚してきたのか、「ガタン、ゴトン!ガタン、ゴトン!」と声を上げ、私たち親も声を重ねます。電車の真似をしながらてくてく歩く親子の姿は、ほかの人たちから見ると珍妙な光景だったでしょう。それでも、大森列車はとまることなく、終着駅のスーパーにたどり着きました。時間にして5分ほどだったと思いますが、電車旅を終えて、「プシュー! とうちゃ~く!」とアナウンスした息子の満足そうな表情をよく覚えています。
数字好きの息子が宇宙好きになった場所
さて、そんな息子が特に好きだった数字。木の指さし確認が好きだったように、数字も息子の目には情報を整理する道具として映っていたのかもしれません。スーパーに並んでいる商品の値段から、電車の時刻表まで、世の中は数字によって成り立っていると言っても過言ではありません。日常生活に秩序を与えている数字が、息子にとっては特別なものに映っていたのではないかと思うのです。
そこで、妻が見つけて来てくれたのが、100円均一ショップのスポンジ製の数字のおもちゃです。息子が小さい頃のお風呂係は妻の役割でした。それを使ってお風呂で簡単な計算を妻が教えていたこともあり、息子の数字好きはますます加速していったのでした。
息子が保育園の頃、週末は夫婦ともに仕事に行くことも多かったので、息子の世話は祖父母である妻の実家の両親にお願いすることも多くありました。両親が息子をあちこちに連れて行ってくれたなかの一つが、福井県児童科学館「エンゼルランドふくい」でした。広い芝生や遊具に加えて、科学館と名前がついているとおり、科学や天文などに関する展示も豊富な施設です。
息子曰く、そのなかの展示の一つに、太陽系の惑星のパネル展示があったそうです。赤茶色の表面だったり、リングを持っていたりと、それぞれ特徴の異なる魅力的な惑星の写真に加えて、直径や公転周期、表面温度などの説明が書かれていて、それらの説明に用いられているのはもちろん数字です。
地球の外に広がる壮大な宇宙。人類がいまだに足を踏み入れたことがない未知の世界を説明するのにも、やはり数字が使われている。大好きな数字と、それによって説明された宇宙の姿。地球とはまったく違う惑星の神秘と、未知の世界。おそらく、そうした要素がないまぜになって息子の中で化学反応を起こし、宇宙への興味がわき始めたのだと思います。
さまざまなインタビューでも、3歳ごろに見たこのパネル展示が宇宙好きになるきっかけだったと本人は話していますが、残念ながらその瞬間を妻も私も知りません。
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続きはぜひ書籍でご覧ください。
※本記事は、『みるみる自走する! 子育てはリアクションが9割』<著:大森治幸、大森陽生/新潮社>より抜粋・再編集して作成しました。
