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2026年09月03日 10:01

「そんな発想はなかった」高校生たちの地域活性化アイデアに唸る! 地元高校生11人が本気で考えた「まちの未来」@福井・鯖江

「市長をやりませんか?」というキャッチフレーズのもと、11名の高校生が鯖江市長になったつもりで未来創造型の地域活性化プランを考え、発表する「高校生版第19回鯖江市地域活性化プランコンテスト」の発表会が8月8日に開催されました。

自分たちのまちは自分たちがつくる

鯖江市では「自分たちのまちは自分たちがつくる!」というスローガンのもと、市民が主役になれるまちづくりを進めており、市民の活動を市役所がさまざまな形で支援しています。

その一つが「鯖江市地域活性化プランコンテスト」です。「市長をやりませんか?」をキャッチフレーズに、全国の大学生らが鯖江市に集まり、市長になったつもりで地域活性化プランを提案する合宿型のコンテストを2008年より開催しています。

2021年にはその高校生版がスタート。学校教育において総合的な探究の時間や地域探究が重視される中、学校の枠を超えて県内の高校生が集まり、実際の自治体を舞台に地域活性化プランを提案する注目の取り組みです。これまで提案内容が実施されたこともあるなど、鯖江市役所や住民からも大きな期待が寄せられています。

高校生がまちを歩いてアイデアのタネを探す

第6回目となる2026年は、鯖江市を中心とした近隣の高校に通う高校生11名が3チームに分かれてコンテストに参加しました。

キックオフとして7月18日には全体説明とアイデア出しの基礎講習を実施。実際に高校生たちが鯖江のまちを歩き、住民に話を聞いたうえで、初回のアイデア出しに臨みました。

参加した高校生たちは、自分たちがまちを歩いた感想や住民の言葉から、「イメージしていたまちの雰囲気とは異なり、活性化が求められていることを感じた」「たくさんの人が集まり楽しめるイベントが求められている」といった意見を持ったようです。

コンテスト全体をサポートしているのは、福井県の大学生が所属する学生団体with。メンバーに話を聞いてみると、「メンバーの多くは大学生になってからまちづくりに興味を持ちました。高校生のうちに興味を持つことは、まちづくりに新しい目線が生まれることにもつながり、本人にとってもまちにとっても貴重な存在だと考え、サポートしています」とコメントしてくれました。

キックオフに続いて、発表会に向けた具体的なアイデア出しが始まります。

学生団体withのメンバーをはじめ、鯖江市役所の職員、コンテストを企画・運営しているNPO法人エル・コミュニティ代表の竹部美樹さんのほか、withのOBも参加。高校生が主体的にアイデアを出したうえで、決まらなかったことや考えるべき宿題を各自が持ち帰り、次回に意見交換するというアイデアミーティングを繰り返しました。

何度もミーティングを重ねてきた高校生たち。14時の発表に先立ち、10時からの中間発表では、竹部さんや鯖江市役所の職員からアドバイスを受けてさらに内容を調整するなど、本番に向けて真剣に取り組む姿が印象的でした。

鯖江市長らを前に、寸劇形式でアイデアを発表

佐々木勝久鯖江市長

発表会の審査員を務めるのは、佐々木勝久鯖江市長、鯖江市の地域おこし協力隊出身で現在も市内で活動する合同会社ka-sa代表の川口サマンサさん、現役の鯖江市地域おこし協力隊である中川晴香さんです。

各チームの発表内容と審査員のコメント

チームジャック

春夏秋冬の季節ごとにイベントを企画し、空き店舗を活用したワークショップや期間限定ショップを展開。街全体をテーマパークのように楽しめる空間にすることで、商店街への回遊も促すアイデアを発表しました。

《発表内容》

テーマは「まち全体のテーマパーク化」です。これまで公園で開催されてきたイベントや祭りの会場を商店街まで広げ、出店者のバリエーションを増やすこと、鯖江市内の各地が会場となることで賑わいをつくることが狙いです。

自分たちが市内を歩いたとき、シャッターが閉まっている商店街の店舗が気になりました。こうした空き店舗を活用し、期間限定のポップアップストアを開設するなど、訪れるたびに発見がある場所にしていきたいと考えています。また、会場を分散させることでイベント時の渋滞緩和や、集客効果を市全体へ広げることも目指します。

《コメント》

●鯖江市では年間に何度かイベントが開催されています。それらにぜひ参加してほしいですし、すでに開催されているイベントとの違いを明確にすることで、より効果的な取り組みにつながると思います。

●「テーマパーク」という言葉にインパクトがありました。この活動の運営母体は高校生の皆さんとのお話がありましたので、授業の一環、部活動、学生団体など運営について具体的に考えていくと、より実現性が高まると感じました。

チームクイーン

「スターになれる街、鯖江!」をキャッチコピーに掲げ、観光客が市内を巡る中で住民から歓迎を受けたり、写真を撮りたくなる仕掛けやSNS発信を促す演出を通して、訪問者が地域の主役になれるまちづくりを提案しました。

《発表内容》

皆さんがどこかのまちに出かけたとき、そのまちの人たちから歓迎されていると感じたことはあるでしょうか。旅行など短期間の滞在では、なかなか難しいと思います。そこで私たちが提案するのが「主役になれるまち鯖江」です。

まず、鯖江市の象徴でもある「めがね」につける「チャーム」を用意します。そして、それをつけている人は観光などで訪れていても「主役」になれるよう、住民が徹底的に盛り上げるという取り組みです。

例えば、写真を撮ってほしそうな人がいたら積極的に声をかけ、さらに「いい笑顔ですよ!」といった形で盛り上げます。気分良く過ごしてもらえれば、きっと鯖江市のことも好きになってくれるはずだというアイデアです。

《コメント》

●特別な体験は、人の記憶に残るものです。ラッピングバスなど、市としてさまざまな取り組みはしていますが、あくまでモノや場所を用意するという発想がベースでした。「住民が盛り上げる」という発想はなかったので、とても新鮮に感じました。

●アミューズメントパークって、とても楽しく心地よい空間ですが、そこには必ず出迎えてくれる人がいます。その考えを取り入れた、とても良いアイデアだと思います。ぜひ今日から、まずは皆さんが実践してほしいですね。

チームキング

「走れば鯖江が動き出す!」をテーマに、ARグラスなどの先端技術を活用した未来型スポーツを提案。スポーツ人口の増加を通じて地域の活力を高め、週1回以上スポーツに取り組む市民の割合を30%から60%へ引き上げる目標も示しました。

《発表内容》

提案するのは「テクノロジーとスポーツを掛け合わせた新しいまちの価値の創出」です。

私たちのチームは全員がスポーツ経験者で、スポーツを通して達成感や仲間の素晴らしさを感じてきました。それをより多くの方々に感じてもらいたいという思いから、このアイデアを発想しました。

鯖江市はIT産業も盛んなため、そのテクノロジーと掛け合わせ、VRを活用して年代を問わずスポーツを楽しめるイベントを開催します。楽しみながら健康維持にもつながり、世代を超えて一緒に活動することで世代間交流が生まれ、健康的で住み心地の良いまちづくりを目指します。

《コメント》

●鯖江市ならではのイベントにするために、鯖江市出身のスポーツ選手などに来てもらうというアイデアも含めて、実現できたらとても楽しいイベントになると思います。

●自分たちが好きなことをベースに置くというアイデアの土台が固まっているからこそ、より幅広く具体的な提案につながったのだと思います。ぜひ鯖江市の好きなところを増やし、そこからまた新しいアイデアが生まれるようなまちにしていってほしいと思います。

今回のアイデアが、実際の施策に反映される可能性も!

それぞれにワクワクするまちづくりのアイデアを提案してくれた高校生たち。最優秀賞に輝いたのは、「まち全体のテーマパーク化」を掲げたチームジャックでした。

チームジャックのメンバーは、「実際にまち歩きや住民の方に聞いた話からアイデアを発想しました。チーム内でたくさんのアイデアが出て、まとめるのは難しかったですが、自分とは異なる発想に刺激も受けました」と、今回の参加で得られた学びについて話してくれました。

鯖江市では大学生版の鯖江市地域活性化プランコンテストもスタートしており、9月13日に発表会が開催される予定です。

市民だけが主役ではなく、市内在住者以外も受け入れながら、若者がまちを歩き、アイデアを考え、発表し、それが市の活動に反映される。そんな「たくさんの主役」が生まれる、とても有意義なサイクルが生まれています。

(取材・文・写真 廣瀬達也/広瀬企画)

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