妊娠 妊娠
2021年04月19日 11:38 更新

【医師監修】卵白のようなおりものが……これって妊娠超初期⁉ 妊娠とおりものの関係とは

「おりもの」の状態が変化したら、なんとなく気になりますね。それが、妊娠検査薬が使えるようになるまで待っている期間であれば、妊娠と関係あるかどうかで、余計気になります。妊娠超初期に「卵白のようなおりもの」が出る可能性はあるのでしょうか?

「おりもの」はどうして出るの?

妊娠超初期?おりものが気になる女性
Lazy dummy

「おりもの」は、「帯下(たいげ)」とも呼ばれ、おもに子宮や腟から出る分泌物のことです。

腟のなかに適度なうるおいを持たせると同時に酸性に保つことで、外から雑菌などが侵入して増えるのを防ぐ役割があります。これを腟の自浄作用と言います。また、セックスのときは潤滑剤の役目を担ったり、精子が腟から子宮に入り卵子と受精するのを助けたりする働きもあります。

おりものは、実は、女性の生理周期や体調によって、その性状や量などが変化します。くわしくは次の項で説明します。

妊娠超初期とは

「妊娠超初期」は、俗に使われている言葉で医学用語ではありませんが、生理開始予定日より前の期間を指して使われることが多いです。

このころは妊娠していた場合、妊娠0~3週にあたりますが、妊娠2週の始めに「排卵」が起こり、その数日後に「受精」、妊娠3週ごろに「受精卵の子宮への着床=妊娠の成立」が起こります(生理開始予定日は妊娠4週にあたります)。

妊娠超初期のおりものには特徴があるの?

さて、「おりもの」は妊娠していないときも変化していますが、妊娠したことによって何か特徴的な変化は起こるのでしょうか?

妊娠していないときのおりものの変化

まずは、通常の生理周期でよく見られるおりものの変化について解説します。なお、おりものの色や量は個人差が大きいので、あまりはっきりとした変化が見られない人もいます。

・生理後~排卵まで

無色透明で、サラッとしてよく伸びるおりものが出ます。量はだんだん増えていき、排卵直前がピークとなります。これはこの期間に増加するエストロゲンによる影響で、精子が子宮にたどり着きやすくなるように、こうした変化が起こるとされています。

・排卵後~生理前まで

粘り気が強く、あまり伸びないおりものが出ます。また、色も不透明になります。精子や細菌などの異物が子宮の中に入りこむのを防ぐため、ネバネバとしています。プロゲステロンがこの期間に増加する影響でこうした性状に変化すると言われています。

なお、ストレスや加齢、腟の洗いすぎや病気によっても、おりものは変化します。のちほど、病気による変化も説明します

妊娠超初期に「卵白のようなおりもの」は出る?

さきほど説明したとおり、妊娠超初期は生理開始予定日前までを指します。つまり、妊娠していれば、「排卵後~生理前まで」に見られるようなおりものが見られることが多い期間です。

一方、個人差は大きいのですが、妊娠するとおりものの量が増えたと感じる人がいるようです。妊娠すると、エストロゲンの分泌量が増え、それによりおりものが増える傾向にあると考えられています。ですから、妊娠超初期に、「量が多くてよく伸びる=卵白のような」おりものが出ても不思議ではありません。また、妊娠すると、妊娠週数が進むごとにおりものは増えていくと言われています。

おりものの変化を引き起こす病気に注意

ここまででは妊娠とおりものの変化について解説してきましたが、最後に病気が引き起こすおりものの変化についても紹介しておきます。

細菌性腟症

腟の中で複数の細菌が増殖することで起こります。灰色の比較的サラサラとしたおりものが出たり、悪臭がすることもありますが、約半数以上は無症状と言われます[*1]。子宮内膜炎や卵管炎、骨盤腹膜炎といった病気の原因になったり、妊婦さんでは早産などのリスクを高めることがあります。

腟トリコモナス症

トリコモナス原虫によって起こる感染症で、セックスで感染することが多いです。悪臭がある泡状の黄色や黄緑色のおりものとともに、外陰部にかゆみが出ます。

性器カンジダ症(外陰腟カンジダ症)

多くの女性が一生に一度は経験すると言われるよくある病気です。カンジダというカビの一種が外陰部や腟で異常に増えすぎて症状が出ます。おりものはカッテージチーズや酒粕のような状態になり、外陰部の激しいかゆみ・腫れも伴います。

性器クラミジア感染症

クラミジアという細菌によって起こる病気で、若い女性に多い性感染症です。水っぽいおりものが流れ出るくらい大量に出ます。症状があまりなく、感染しているのに気づかないことも多いのですが、放っておくと不妊症や子宮外妊娠(異所性妊娠)の原因になるとされています 。

その他、「子宮筋腫」「子宮頸管ポリープ」などの良性腫瘍や、子宮や腟の悪性腫瘍(がん)などが原因で、出血を伴うおりものが見られることもあります。

通常範囲内のおりものの変化は、量が多少増減する、無色透明だったのものが白く濁る、程度のことが多いのですが、悪臭がしたり、黄緑色になったり、ボロボロとカッテージチーズ状になったりしたら、上記で説明した病気の可能性もあります。いつもと違うと感じたら、医療機関を受診しましょう。

まとめ

妊娠超初期に、卵白のようなおりものが出ても不思議ではないことがおわかりいただけたでしょうか。ただし、おりものの状態は個人差が大きいものです。ストレスや体調の変化にも影響を受けるので、「おりものの変化=妊娠した!」というように、それによって妊娠の有無を判断することはできません。妊娠の可能性があるなら、適切な時期に妊娠検査薬を使用してみましょう。また、妊娠初期にいつもと違うおりものが続く場合は、医療機関を受診するようにしましょう。

(文:マイナビ子育て編集部/監修:宋美玄先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-