
離乳食のトマト缶いつから?後期・完了期レシピ【管理栄養士監修】
スーパーなどで簡単に手に入り、保存もきくトマト缶は家庭で料理する際の強い味方ですね。そして離乳食でも大活躍しますよ。今回は赤ちゃんにトマト缶をあげるときの調理のコツやおいしいレシピなどをご紹介します。
トマト缶、赤ちゃんは離乳食でいつから食べていいの?

・初期の調理:裏ごしすると、より食べやすくなる
・中期の調理:そのまま料理に使える。大きな果肉などはつぶしたり、種が気になるなら取り除く
・後期の調理:そのまま料理に使える
・完了期の調理:そのまま料理に使える
トマト缶はどんな食材?

トマト缶は離乳食に使っていいの?
トマト缶は、トマトを水煮したものを缶詰にしています。種や実のかたいところなどを裏ごしすれば、初期から使えます。
食塩などが入っている製品もあるので、塩分や調味料の含まれていないものを選びましょう。
トマト缶に豊富な栄養素は?
生のトマトとトマト缶の栄養成分はほとんど変わりませんが、トマト缶は真っ赤な色が特徴の加工用トマトという品種を使用しており、一般の生食用トマトと比べてリコピン濃度が2~3倍高いといわれています 。
トマト缶、選び方・下ごしらえの方法

リコピン豊富で使い勝手のいいトマト缶。上手に活用するために選び方や下処理のコツを知っておきましょう。
トマト缶の選び方
トマト缶には、ホールトマトとカットトマトがあります。離乳食には塩分無添加のものであれば、どちらを使ってもOK。なお、トマト缶は水煮してありますが離乳食では加熱調理が原則です。
トマト缶の下ごしらえ
トマト缶はやわらかく煮てあるものの、種や果肉が残っています。初期・中期のころは、裏ごしたり種を取り除くことで食べやすくなりますが、後期以降は他の食材と一緒に煮込むことで食べやすくなります。
トマト缶の離乳食、よくある疑問
トマト缶を離乳食に取り入れるときによくある疑問について解説します。
生のトマトの代わりになるの?
水煮のトマトなので、煮物やスープなど加熱する料理にトマトの代わりとして使うことができます。トマトを煮る時間がない時や、手早くトマトソースを作る時に便利ですね。また、生のトマトよりも凝縮していてうま味や味が濃いので、使用する量は生のトマトより少なめがいいでしょう。
トマト缶にはどんな種類があるの?

ホールトマト缶とカットトマト缶があります。ホールトマトは煮込み料理に向くといわれ、カットトマトは食感を残したいときに使うといいでしょう。どちらでも離乳食に使うことができますが、ホールトマトは品種として濃厚なうま味をもつものが多いようですので、調理によって使い分けられるといいでしょう。
また、離乳食には食塩無添加で、ハーブなどの入っていないもののほうがいいでしょう。食塩が入っているタイプを使う時には、調味料と考えて使用量に気を付けましょう。トマト缶は価格が一定なので、野菜価格が高騰しているときには便利に使えますね。
どんな料理に向いているの?
トマトにはうま味成分である「グルタミン酸」が含まれますので、いろいろな食材で「うま味を足したい」と思ったときに利用できます。どんなものにもあいますが、地中海沿岸地域では、肉や魚のうまみを引き出し、炒め・煮込み料理に最適とされています。
肉・魚介類の「イノシン酸」との相乗効果で、よりおいしく食べることができます。意外とかつお出汁などにもあうので試してみてください。
トマト缶の離乳食レシピ! 中期・後期・完了期
では最後にトマト缶を使った離乳食レシピをご紹介します。うま味たっぷりで手軽に使えるトマト缶は、いくつかストックしておくとサッと使えて便利ですよ。一度試してみてくださいね。
<離乳中期のレシピ>トマトのスープ

材料(作りやすい分量)
・トマト缶(ホール、無塩) 1缶
・玉ねぎ 1玉
・にんじん 1本
・じゃがいも 1個
・ブロッコリー 1/2株
・水 野菜がかぶるくらい
作り方
① 野菜は2cm角くらいに切る
② トマト缶は種を取り、5mm角に切る
③ 鍋に①②とトマト缶の汁を加え、野菜がかぶるくらいに水を足し、火にかけて野菜がやわらかくなるまで煮る
④ 野菜を食べやすい大きさにきざんで盛り付ける
<離乳後期のレシピ>ミートソース

材料(作りやすい分量)
・豚ひき肉(赤身肉) 100g
・玉ねぎ 1個
・にんじん 1/2本
・トマト缶(ホール、無塩) 1缶
・水 適量
作り方
① 玉ねぎ・にんじんはみじん切り、トマト缶は種を除き5mm角に切る
② フライパンで豚ひき肉を炒め、①を加えてさらに炒める
③ 野菜がしんなりしてきたら水を加えて、やわらかくなるまで煮込む
<離乳完了期のレシピ>白身魚のアクアパッツア

材料(大人2人+離乳食)
・白身魚 3切
・玉ねぎ 1/2個
・パプリカ 1/2個
・しいたけ 3個
・ブロッコリー 1/2株
・トマト缶(ホール/カット、無塩) 1/2缶
・水 150cc
(大人分)
・塩・こしょう 適量
・レモン 1/2個
作り方
① 玉ねぎ・パプリカ・しいたけは5mmくらいにスライスし、ブロッコリーは小房に分ける
② フライパンに、白身魚と①をのせ、トマト缶・水を入れ、火にかける
③ 野菜がやわらかくなったら、離乳食分を取り分け、食べやすい大きさにきざんで盛り付ける
※大人は、盛り付けてから塩・こしょうをふり、くし切りのレモンを添える
まとめ

トマト缶は常温で長期保存が可能です。大人の料理と一緒に煮込んで取り分けたり、たくさん作って冷凍保管もできます。トマトが煮てあるので、時短にもなり便利な食材です。食塩が含まれている製品は調味料と考えて、量を控えて使いましょう。
(文:三浦真由美 先生、監修:川口由美子 先生)
※挿入画像はイメージです