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2022年12月14日 16:14 更新

【医師監修】妊娠22週で初胎動!胎児の体重増加とママの注意点

胎動の感じ方は人それぞれで、なおかつ初めての妊娠では赤ちゃんの動き(胎動)はわかりにくいものですが、妊娠22週以降になるとほとんどのママが「動いた!」と認識できるようになってきます。赤ちゃんが大きく育つこの時期は、体重の増えすぎや妊娠糖尿病にも注意が必要です。

妊娠22週ってどんな時期?

妊娠22週の疑問がいっぱいのイメージ

おなかがぐんぐん大きくなって、胎動を感じる妊婦さんが多くなっており、妊娠を実感する頃です(中にはあまりお腹が目立たない人もいます)。妊娠17~18週ぐらいからは条件が良ければ超音波検査で性別が判別できることもあります。妊婦健診で予想される性別を聞いた妊婦さんのなかには、そろそろ、名前を考え始める人もいるかもしれませんね。

初めての胎動! 胎児の大きさもチェック

妊娠22週で超音波検査を受ける妊婦
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これって胎動?

胎動は、ママの感じ方にも赤ちゃんの動き方にも個人差があり、もっと早い時期から感じ始める人もいます。ピクっとする程度のかすかな動きのうちは、「これって胎動?」と半信半疑のママもいるでしょう。でも、ここから先は徐々に動きが強く、わかりやすくなります。今はまだわからなくても、焦らずにその時を待ちましょう。

胎児の大きさは?

妊娠22週の胎児の身長は30cm弱で、男児より女児のほうがわずかに小さめです[*1]。体重の平均は約470gです[*2]。

ママのお腹の大きさも目立つように

妊娠中期に入り子宮は子どもの頭より少し大きめになるので、お腹のふくらみが目立ってきます。子宮底長(恥骨の上から子宮の上端まで)は妊娠23週で21㎝ぐらい、子宮底はおヘソの上1㎝ぐらいの高さになってきます[*3]。

妊娠22週に必要なこと

体重増加 何キロまでOK?

妊娠初期にはつわりのある人が多く、あまり体重が増えなかったりつわりで逆に減ってしまったりもしますが、妊娠中期には、赤ちゃんがどんどん大きく育っていくとともに、ママの体重も日に日に増加していきます。

妊娠期間が進むにつれある程度体重が増えるのは自然なことですが、体重の増加量が著しく多いと前期破水、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)などのリスクが高まるといわれています。一方で、体重増加量が著しく少ない場合は、低出生体重児や切迫早産などのリスクが高まります。

こうしたリスクを予防するためには、妊娠中期と後期のママは「1週間に0.3~0.5kg増」を目安に体重を増やすことが推奨されています。妊娠前にBMI25以上の肥満体型だった人は、かかりつけの先生がそれぞれの妊婦さんの状態に応じて、個々にめやすを示してくれるので、それを守りましょう[*4]。なお、BMIは肥満指数のことで、「BMI = 体重(kg)÷ 身長(m)÷身長(m)」で計算します。

また、厚生労働省の策定した日本人の食事摂取基準(2015年版)では、妊娠前に普通の体格だった人(BMI18.5~25)が妊娠40週で約3kgの赤ちゃんを産むのに必要な体重増は11kgとしています。

ただし、日本産科婦人科学会は、厳格な体重管理の重要性は根拠が乏しく、現在では個人差を考慮してゆるやかに管理することを勧めています。上記にあげた増加量はあくまでも目安として考えて、体重増にばかり神経質になるのではなく、栄養バランスや規則正しい食事を心がけるようにしましょう。

両親学級/母親学級の日程確認、申し込み

妊娠22週でパートナーと母親学級に参加するママたち
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妊娠中のカップルは、そろそろ、疑問や不安が具体的になってきますね。そうした疑問や不安を解消し、赤ちゃんを安心して迎えられるように、市区町村や医療機関では保健師や助産師などを講師とする母親学級や両親学級、父親学級などを開いています。

主催者によって名称、対象者や対象となる妊娠週数、回数、時間帯は違いますが、妊娠中期ごろの両親から対象になるものが多いようです。参加人数が限られている場合が多いので、自治体のホームページや母子保健課、妊婦健診の際などに問い合わせて、早めに申し込みましょう。

内容は妊娠中の体の変化の説明、妊娠中はとくに気を付けたい歯の磨きかた、栄養指導、妊婦体躁やマッサージ、赤ちゃんのおふろの入れ方、おむつの当て方など、実践的です。パパが妊婦さんの大変さを知るために、妊娠中のお腹の重さを体験するエプロンを装着できるところもあります。

出産前から地域にママ友・パパ友を作り、情報交換できるのもよい点です。

どんなことに注意して妊娠22週を過ごす?

妊娠22週で注意を喚起するマークのイメージ

妊娠糖尿病の診断がされる時期

糖尿病とは食べ過ぎなどの生活習慣や膵臓の病気が原因で、血液中のブドウ糖の量(血糖値)が高くなる病気です。糖尿病なのに血糖値を長期にコントロールせずにいると失明や腎臓病など、全身にさまざまな影響があらわれます。

一方、「妊娠糖尿病」はこのような生活習慣によって引き起こされるものとは違い、妊娠したことによってで体に負荷がかかったことや胎盤から分泌されるホルモンの影響で、妊婦さんの7~9%がかかるものです[*5]。

妊婦糖尿病になるとママもおなかの赤ちゃんも、血糖値が高くなります。その影響で、ママは妊娠高血圧症候群、羊水量の異常など、赤ちゃんは巨大児や心臓肥大、低血糖、黄疸などさまざまな合併症を起こす可能性があります。

妊娠中の糖尿病では内服薬による治療ではなく、まず食事療法を行い、それでもよくならないときは、血糖値を下げるインスリン注射を使います。

妊娠糖尿病の検査は妊娠初期の血液検査でも行っているのですが、そこで「陰性」だった人でも、妊娠が進むにつれて体の負担が大きくなり、妊娠糖尿病になっている可能性があります。そのため、妊娠中期の24~28週にもう一度検査をします。

妊娠糖尿病になるリスクが高いのは、家族に糖尿病の人がいる、肥満、35歳以上の高年齢、巨大児を出産したことがある、原因不明の流早産などを繰り返している、強度や複数回の尿糖陽性、妊娠高血圧症候群、羊水過多症などがある場合とされています。妊娠糖尿病の検査は妊娠したら全員受けるものです。きちんと妊婦健診を受けて、異常がある場合は早期に発見してもらうことが大切です。

日本では5%前後は早産です  

赤ちゃんが生まれてから元気に育つには、できるだけ、正期産といわれる妊娠37以降~42週未満で出産を迎えるのが望ましいといえます。ところが、いろいろな原因で、この時期より早く生まれてくる赤ちゃんがいます。日本では妊娠22週以降~37週未満で赤ちゃんが生まれることを「早産」と定義しており、全妊娠の5%前後が早産の赤ちゃんと言われています[*6]。

なお、早産は高齢出産の増加などにより、増加傾向にあります。

医学の発達により、現在では体重わずか500g前後の妊娠22週で生まれた赤ちゃんも、新生児集中治療室での治療により生存が可能ですが、早く生まれた赤ちゃんほど、のちのち重い障害をもつ可能性が高くなります。

「早産のサイン」を見逃さないように!

まだ早産には至っていないけれど早産の危険が高い状態のことを「切迫早産」と呼びます。

このサインとしては、下腹部が痛い、規則的にお腹が張る(子宮の収縮がある)、性器出血がある、破水、などの自覚症状があります。早産の始まりの時期では出血量はそれほどないこともあり、少量の血液が混じったおりものが見られる程度です。また、破水を水っぽいおりものとして自覚する場合もあります。規則的な下腹部の痛みや張りとともに、こうした兆候があるときは、かかりつけの医療機関に電話し、その指示に従いましょう。

早産を予防するためには、日頃から無理のない生活を送ることが大切です。とくにストレス、喫煙による低酸素、やせによる低栄養は、早産のリスクを高める要因としてあげられています。これらは、早産につながる胎盤ホルモンの分泌を増やし、子宮収縮を促進することがあるからです。

ただ、早産は原因不明の場合の方が実は多く、妊婦さんが何か良くないことをしたために早産になると言うわけではありません。切迫早産と診断された場合でも、自分を責める必要はありません。

生活面での注意ともに、妊婦健診をきちんと毎回受診し、その指導に従うようにしましょう。

まとめ

妊娠22週のママの隣で笑顔の子ども
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ほとんどのママが胎動を感じられるようになるこの時期。赤ちゃんへの愛おしさや、幸せ気分が高まってきたママも多いことでしょう。そろそろ母親学級や両親学級の申し込みをして、出産に向けての準備をはじめましょう。妊娠22週以降は切迫早産と診断されて入院を指示されることがあります。急な入院になっても対応できるように、上の子どもの預け先を考えておいたり、他の家族に家庭の状況を共有してもらったりしながら、引き続き無理のない生活を心がけましょう。

(文:山崎ひろみ/監修:太田寛先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]『NEWエッセンシャル産科婦人科学』第3版 医歯薬出版 p377
[*2]日本超音波医学会「妊娠週数毎の基準値」
[*3]『病気が見える Vol10 産科』第3版 メディックメディア p39
[*4]「健やか親子21」推進検討会報告書/妊産婦のための食生活指針」/「妊娠期の至適体重増加チャート」について
[*5]日本産科婦人科学会HP産科婦人科の病気/妊娠糖尿病
[*6]『病気が見える Vol10 産科』第3版 メディックメディア p158

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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