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2022年02月24日 15:07 更新

【医師監修】妊娠中期に寝てばかりなのは大丈夫?眠気やだるさの原因と4つの注意点

ホルモンの影響を大きく受ける初期、お腹が大きくなって寝苦しい後期と比べて、妊娠中期は睡眠トラブルがいったん治まる傾向にあるといわれます。でも、中にはとても眠くて寝てばかりという人もいるかもしれません。そこでこの時期に眠気が起こる原因や注意点について解説します。

妊娠中期に眠気がひどくて寝てばかり……どうして?

妊娠中期の女性のイメージ

妊娠中期は14~27週までを指します。一般に「安定期」とも呼ばれるように、つわりなど妊娠初期にありがちなトラブルは比較的落ち着き、お腹もまだそれほど大きくなっていないので妊娠期間の中では過ごしやすい時期です。

とはいえ、中にはこの時期、眠くて仕方がないという妊婦さんがいるかもしれません。それには、次のような理由が考えられます。

妊娠により増加したホルモンで睡眠リズムが乱れた

妊娠初期は、妊娠を維持するために「プロゲステロン」というホルモンの分泌が急激に増加します。プロゲステロンには「0.3~0.5℃ほど」体温を上昇させる働きがありますが[*1]、このために寝つきが悪くなり、睡眠サイクルが乱れることが考えられます。

眠気は脳の温度が下がるときに現れやすいのですが、それをプロゲステロンによる体温上昇が邪魔するからです。その結果、夜十分眠れないので、昼間に強い眠気があったり、疲れやすくなったりします。

プロゲステロンの増加は出産まで続きますが、妊娠中期になるとプロゲステロンを分泌する場所が卵巣から胎盤に変わり、体温を上昇させる作用はなくなると言われています。

そのため、妊娠中期になると眠気は治まる傾向にあるのですが、人によっては妊娠初期に睡眠リズムが大きく乱れた影響で時差ぼけのような状態が続き、中期にも昼間の眠気が続くかもしれません。

こんな症状を伴う場合は医師に相談を

妊娠中はさまざまな理由から眠りが浅くなりますが、次のような症状がひどい場合は、医師に相談してください。

いびきが大きい、睡眠中に呼吸が止まることがある(閉塞性睡眠時無呼吸症候群の症状)

ふくらはぎ、足先がむずむずして眠れない(むずむず足症候群の症状)

なかなか寝つけない、意欲低下、ひどく悲しい状態が2週間以上続く(うつの症状)

「睡眠時無呼吸症候群」や「むずむず脚症候群」は、妊娠をきっかけに発症することがあります。この場合は妊婦検診の時に相談したり、睡眠外来などを受診したりして、正しく診断してもらえれば、症状にあわせた対処ができることがあります。

妊娠中期に眠気がひどい場合に気をつけたい4つのこと

眠い女性

妊娠中期に寝てばかりになってしまうときは、次のことに気をつけてください。

1. 眠いときは無理せず体をゆっくり休める

眠気が強いのに無理をしていると、転倒などのケガや仕事のミスにつながってしまうことも。どうしても眠いときは、運転も控えて無理せず休むことを優先しましょう。

横になって体を休めるとき、お腹が大きくなって苦しく感じるようになった妊婦さんにおすすめの体勢は、左を下にして横向きになる「シムス位です。

妊婦さんは、妊娠16週ごろから仰向けより横向きに寝る方が良いといわれています[*2]。仰向けになると子宮の重さが下大動脈にかかり、血流が悪くなって低血圧を起こしたり(仰臥位低血圧症候群。ぎょうがいていけつあつしょうこうぐん)、足がむくみやすくなったりするためです。
くわしくはこちら ▶︎妊婦は仰向けに寝ちゃダメ?

とはいえ、自分にとって楽な体勢が一番です。無理な体勢で眠っても、夜中には自分にとって楽な姿勢になってしまうので、あまり横向きを気にする必要はありません。仰向けに寝るとなんとなく圧迫されるような感じがしてきたら、横向きで寝てみましょう。

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シムス位について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。

2. 運動不足による肥満や筋力低下に注意

安静の指示がない妊婦さんでは、適度に体を動かすことも大切です。運動不足から、極端に体重が増えたり筋力が落ちたりすることがないように気をつけましょう。健康な妊婦さんでは、運動によって体重の過度な増加や脂肪蓄積を抑えることで、出産をより軽く短時間で終わらせる効果があるそうです。

体調の安定しやすい妊娠中期は、運動に適した時期でもあります。医師からとくに止められていなければ、散歩や妊婦体操といった軽い運動をして体を動かすようにしましょう。運動すると筋肉の機能が高まり、疲労を軽くする効果も期待できます。

3. 昼寝は夜の睡眠を妨げない程度に

眠くて仕方がないときは休息してOKですが、夜の寝つきが悪くならないよう、昼寝は短時間に。午後3時までには終わらせるようにしましょう。

また、心身を回復するために短すぎず、また昼寝のあとかえって眠くならない理想的な時間は「10~20分程度」と言われています[*3]。長くても、なるべく30分以内に留めましょう。

昼寝から目覚めたら起き上がり、体を動かします。昼寝で夜の睡眠不足を取り返そうとせずに、その日の夜によく眠れる工夫を心がけてください。

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妊娠中の睡眠トラブルについて、詳しくは以下の記事を参考にしてください。

4. 妊娠中期は心身共にエネルギーを蓄えておこう

妊娠したことに心と体がだんだん慣れてくる中期は、入院や産後の準備をするのにもおすすめの時期。生まれてくる赤ちゃんのことを想像しながら必要なものを少しずつ用意することで、眠気が多少まぎれるかもしれません。

同時に体の負担が大きくなる後期に向けて、エネルギーを蓄えておくのも大切です。妊娠の経過や体調は人によって千差万別なので無理することはありませんが、軽い運動をする習慣作りなど、妊娠後期以降が過ごしやすくなるよう準備しておけるとよいですね。

まとめ

寝起きの女性

比較的、体調の安定することが多い妊娠中期でも、強い眠気がとれないこともあります。まずは夜間に十分な睡眠を確保するのが一番ですが、うまくいかないときは昼寝も取りながら体を休めるようにしましょう。この時期に昼間の適度な運動を習慣づけられるとベストですが、あまり無理はせず、出産に向けてゆったりとエネルギーを蓄えてくださいね。

(文:佐藤華奈子/監修:太田寛先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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