【医師監修】生後3ヶ月の赤ちゃんの体重目安は?男の子・女の子の発育と4つの特徴
生後3ヶ月は赤ちゃんがいちじるしい成長を見せる時期。体重は生まれた頃のほぼ2倍になり、縦抱っこが安定するくらい首もすわってきます。今回は、赤ちゃんの発育目安と特徴、育児のポイントと、この時期に知っておきたい予防接種についてご紹介します。
生後3ヶ月はどれぐらい成長してる?
※画像はイメージです
生まれてから日々体重増加が見られ、生後3ヶ月になると、赤ちゃんの体重は生まれた頃のほぼ2倍になります。生活リズムでは授乳のペースが整ってきたり、夜まとめて寝るなど、嬉しい成長が見られるように。具体的な発育段階を見ていきましょう。
身長と体重
厚生労働省が示す発育曲線によると、生後3ヶ月の発育目安は以下のようになります。
・男の子:身長-57.5~66.1cm 体重-5.12~8.07kg
・女の子:身長-56.0~64.5cm 体重-4.84~7.53kg
あくまでも目安なので、上記から外れているからと神経質になることはありません。大切なのは、発育曲線に沿って成長(身長・体重が増加)していること。月齢に合った分だけ増えていれば、心配ないでしょう。[※1]
哺乳量と時間
生後3ヶ月になるとあごの筋肉がだいぶ発達してくるので、1度に飲む量がこれまで以上に増えます。そのため、間隔がしっかり開くと同時に、授乳ペースも整ってくるでしょう。1日の授乳回数は、5~6回くらいが一般的です。
ミルクの場合は、容器などに書いてある量を目安にします。量に関して不安があれば健診や小児科で相談しましょう。
混合栄養(母乳とミルク)の場合は、母乳の飲み具合でミルクの量を調整してください。この頃になると母乳の分泌量が十分になる人も多いので、赤ちゃんがよく母乳を飲んでくれる場合は、母乳のみに移行してもいいでしょう。移行したら、初めは赤ちゃんの体重がしっかり増えているか確認しておくと安心ですね。
この頃になると、赤ちゃんは満腹の感覚がわかるようになると言います。飲みたがらなかったり、自ら飲むのをやめたり、飲み方にムラが出てくることもあるでしょう。また、一心不乱におっぱいを吸っていたこれまでとは違い、周りをきょろきょろ見渡しながら飲んだり、急に口を離したりする、いわゆる「遊び飲み」も見られるようになります。授乳量が減ると不安になるかもしれませんが、機嫌がよく、元気で体重も増えていれば問題ありません。
睡眠時間
この頃の赤ちゃんの1日の睡眠時間は、およそ14時間程度です。哺乳量が増えるので、昼寝も、また特に夜の睡眠もある程度まとまってくるでしょう。1度の睡眠時間が長くなると起きている時間もまとまり、同時に昼と夜の区別もつくようになるので、生活リズムが整い始めます。食事、散歩、入浴、就寝などの時間をある程度定めて大人と同じ生活リズムをとると、1日のリズムの完成を促すことができますよ。
生後3ヶ月の赤ちゃん、4つの特徴
生後3ヶ月は、これまでにくらべて大きな成長が見られる時期です。ここでは、特に目立つ4つの特徴をご紹介します。
1. 首がすわり始める
この頃になると首がしっかりしてくるので、縦抱っこをしてもあまりグラグラしなくなり、うつぶせにするとこれまで以上に頭を高く持ち上げられるようになります。このように、首で頭をしっかり支えられるようになることを、首がすわると言います。首のすわりは、両手を持って寝た状態から45度引き上げた時に首が前方についてくる事で判断します。首がすわるとお風呂や着替えなどの育児が楽になるので、ママにとってはとても嬉しいもの。ただ、4ヶ月頃まではまだ不安定な子も少なくありません。支えがなくても大丈夫か、様子を見ながら過ごしましょう。
2. 指しゃぶりが始まる
2ヶ月頃までは手全体をしゃぶっていた赤ちゃんも、この頃になると指だけをしゃぶるようになってきます。最初はいろんな指をしゃぶりますが、いつからか決まったお気に入りの指だけをしゃぶるようになる子も。指しゃぶりには赤ちゃんの気持ちを落ち着かせる効果があるといわれます。成長にともない必ずなくなるものなので、無理にやめさせようとせず、赤ちゃんのしたいように見守ってあげましょう。
3. 声をあげて笑うように
あやしてもらうと微笑むだけでなく、声をあげて笑うようになってきます。また、さまざまな表情を見せたり、甘えるような声で今までと違った泣き方をすることも。感情表現が豊かになった証ですね。
4. ママ・パパなどを目で追うように
この頃になると、赤ちゃんは180度追視できるようになります。ママやパパが動き回る様子をジッと見るなど、一生懸命に目で追いかけようとします。ママやパパの声がする方へ顔を向けたりもします。また、赤ちゃんが自分の手をじっと見つめたりするハンドリガードと呼ばれる行動もするようになります。
生後3ヶ月に注意したいこと
赤ちゃんの成長過程では、その時々でさまざまな注意点が出てくるもの。この時期に特に気をつけておきたい2つのポイントを見ていきましょう。
うつぶせに寝かせないよう注意を
乳幼児期に気をつけたい病気に、乳幼児突然死症候群(SIDS)があります。これは、元気だった赤ちゃんが、ある時なんの予兆もなく急に死んでしまうものです。無呼吸発作が引き金となって起こりますが、窒息などの事故とは異なり、原因は解明されていません。平成28年度には109人の乳幼児が亡くなっています[※2]。
原因はわかっていませんが、うつぶせ寝での発症が多いことがわかっています。この時期は首がすわり始めるので、赤ちゃんをうつぶせにしてみることもあるでしょう。そのままの状態で放置することのないよう注意してください。このほかにも、できるだけ母乳で育てること、家族を含めて禁煙することが重要です。タバコは突然死のみならずぜんそくのリスクにもなりますので絶対にやめたほうがいいでしょう。
予防接種スケジュールをしっかり立てる
予防接種の開始が生後2ヶ月になったその日(3月3日生まれの子ならば5月3日)のお誕生日であることはすでにご承知でしょうか。初めは意識的に受けていても、忙しい日々が続くと、気づけば予防接種に行ってない、前回行ったのはいつだっけ? なんてことになるかもしれません。この時期にスケジュールをしっかり立て、ベストタイミングを逃さないよう気をつけましょう。
スケジュールの立て方がわからない、忙しくて予定を忘れてしまう……という方は、予防接種スケジュールを立てられるアプリもあります。最適なスケジュールを自動で立ててくれたり、予定日をお知らせしてくれたりと、嬉しい機能がたくさん。ぜひ使ってみてください。
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知っておきたい予防接種の4つのポイント
予防接種は感染症を予防するためのものです。赤ちゃんは感染症に対する免疫が未発達なので、感染すると重症化しやすく、時には命にかかわることもあります。赤ちゃんを守るためにも、予防接種はきちんと受けましょう。受ける際のポイントをご紹介します。
ベストタイミングで受ける
接種できるワクチンは月齢によって変わってきます。受けられる時期になったらできるだけ早く接種しましょう。ワクチンを受けられる時期やベストタイミングは、自治体から予診票(接種券)と一緒に送られるスケジュール表を見るとわかります。スケジュール表がない場合は、自治体の担当窓口に問い合わせてみましょう。出産した病院やかかりつけの小児科でもいいでしょう。厚生労働省のホームページからもダウンロードできます。
かかりつけの小児科で受ける
予防接種は、いつも診てもらっているかかりつけの小児科で受けるのがベストです。ワクチンにはある程度の副作用があるので、これまでかかった病気など、子供のことを知っているところで受けることが望ましいでしょう。万が一接種後にトラブルがあっても、すぐに相談できます。アレルギーや持病がある場合は言うまでもありません。
効率よく受ける
日本において0歳児の赤ちゃんが接種するワクチンは、定期接種のものだけで5種類あります。これら全てが1回接種で終わるわけではなく、中には2~3回受けなければならないものもあるので、接種回数にすると15回以上になります。接種はたて続けにできるわけではなく、ある程度の期間を空けなければなりません。中には、4週以上の間隔が必要なものもあります。そのため、その都度ひとつのワクチンだけを接種していると、ベストタイミングで受けるのが難しくなります。
効率よく予防接種をするには、いくつかのワクチンを同時に受ける同時接種という方法があります。同時に受けることで免疫を早めにつけることができ、確実な予防が可能です。同時接種が心配な場合は、かかりつけの医師に相談してみましょう。
予防接種の種類
予防接種には、定期接種と任意接種の2種類があります。定期接種は日本の予防接種法で定められているもので、公費負担であり費用はかかりません。任意接種は自己負担で金額もかかってくるため、定期接種だけ受けているご家庭もあるかもしれません。しかし、「任意接種=かかっても特に心配ない感染症」というわけではありません。さまざまな理由で定期になっていないだけで、かかると重い後遺症が残ったり、命にかかわる感染症になったりすることもあります。定期・任意にかかわらず、予防接種にはどのようなものがあるか、事前に確認しておきましょう。
心配な時は医師に相談
予防接種は子供を守る大切なものです。受ける時期や接種本数、スケジュールの立て方など、わからないことがあれば医師に相談しましょう。スケジュールが心配な場合は、予防接種をした日に次の予約をするとよいでしょう。
まとめ
表情が豊かになり、さまざまな動きもできるようになるこの時期。あやすと喜ぶようにもなるので、ママにとっては赤ちゃんとの時間がいっそう楽しくなるでしょう。日々の育児は大変なことも多いですが、かわいい赤ちゃんを思えばツラさも半減! 穏やかな気持ちで取り組みましょう。
※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビ子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.08.06)
※記事の修正を行いました(2019.06.12)