【医師監修】赤ちゃんの歯磨きはいつから?正しいやり方と3つの注意点
赤ちゃんの歯磨きで悩んでいませんか? 歯磨きが大切なのはわかっているけれど、泣きわめく赤ちゃんを押さえつけて磨くのはかわいそう……というママ&パパも多いのではないでしょうか。そこで今回は1歳の赤ちゃんの歯磨きについてご紹介していきます。
歯磨きを始めるのは歯が生える前?
※画像はイメージです
赤ちゃんに歯が生え始めるのは、生後6~9ヶ月ごろ。下の前歯、真ん中の2本から生えてきます。続いて上の前歯の真ん中の2本。少しずつ増えて2歳半ごろに最後の上の奥歯が生えて合計20本の乳歯がそろいます。個人差がありますので、少し遅くても心配はいりません。
歯磨きを始めるのは、もちろん、歯が生えてから。生後6ヶ月ごろが目安です。ただ、歯が生える前からできる準備があります。口の中は敏感なので赤ちゃんでなくても触られるのはあまり嬉しくないですよね。だから、顔や手足を触って愛情を伝える一環で、口のまわりや口の中をそっと指やガーゼなどで触って慣れさせてあげてください。
そして、下の前歯が生えてきたら歯磨きのスタートです。いきなり歯ブラシを使うと、違和感から歯磨きが嫌いになってしまうかもしれないので、最初はガーゼなどで磨いてあげてください。歯の汚れは唾液により洗い流されますので、きっちり磨こうと考えなくても大丈夫です。
大切なのは「歯磨きに慣れておく」ということなのです。
赤ちゃんの歯磨きのやり方と注意点は?
なんで歯磨きが嫌なの?
なぜ、赤ちゃんは歯磨きを嫌がるのでしょう? それは、仰向けにされて、口の中を触られるのが嫌だからです。大人でも、いきなり仰向けにされると緊張しますよね。赤ちゃんも同じです。しかも、口の中に指を入れられたら泣きたくなるのも当然です。
まずはスキンシップ。楽しい雰囲気をつくりましょう
まずは、スキンシップから始めましょう。ママ・パパの膝の上に赤ちゃんの頭をのせ、顔をなでた頬をツンツンしたり、ママ・パパの頬とくっつけたり。「仰向け」の状態を心地よいと感じさせるようにしましょう。
仰向けに慣れてきたら言葉をかけながら優しく歯を磨きます。下の前歯はガーゼ磨きで大丈夫ですが、上の前歯は下の歯よりも唾液が届きにくいので歯ブラシをつかってください。
こんなところに注意して!
【どのくらいの強さで磨けば良いの? 】
赤ちゃん用のやわらかくて小さな歯ブラシを鉛筆のように持って、本当に優しい力で磨いてあげてください。歯に対して、歯ブラシを直角にあてるようにしましょう。力が入りすぎたり歯茎をこすってしまうと痛がりますのでご注意を。
【歯ブラシと歯磨き粉は? 】
歯ブラシは2種類用意しましょう。1つは赤ちゃんが自分で持つ用です。柄の部分が口の奥まで入らないように工夫されているものをおススメします。もう1本はママが仕上げ磨きをする用です。
歯磨き粉を使い始める時期については専門家の中でも意見が分かれるところですが、徐々にうがいができるようになったら、フッ素入りの歯磨き粉を週に2回などのペースで使うことから始めてもいいでしょう[*1]。赤ちゃん向けの泡立たないペーストやジェル、スプレーも販売されています。
歯磨きの回数と時間をチェック!
一日何回、何時が理想?
ついつい大人と同じ考えで、毎食後に歯を磨いた方が良いのでは……と思いがちですが、まずは夜寝る前に必ず磨くようにしましょう。そして歯磨きに慣れてきたら毎食後に磨くよう、徐々に習慣をつけていきましょう。[*2]
虫歯菌は唾液の減る夜中に増殖しますので、一日一回、夜寝る前に、しっかりと歯を磨きましょう。
どれくらいの時間磨けば良いの?
仕上げ磨きの際、1本1本の歯を小刻みに表と裏を磨きます。1本につき5秒くらいで大丈夫です。時間がかかると赤ちゃんが飽きて、嫌がってしまいます。赤ちゃんの歯はゴシゴシこすらなくても汚れが落ちますので、すばやく磨いてあげましょう。
全部の歯を磨けていないのに、赤ちゃんが嫌がって最後まで磨けないということもよくおこります。毎回、同じ順番で磨くと、いつも同じ歯が磨き残しになるので、磨く順番を変えてみるのもよいでしょう。上の前からではなく、下の歯から磨くなど試してみてください。
1歳を過ぎてからの歯磨き。嫌がる場合はどうする?
好きなキャラクターと一緒に!
お気に入りの人形や、好きなキャラクターのおもちゃなどに、子供が歯磨きをしてあげるという遊びはとても効果的です。磨き終わった後にママ・パパが「人形が喜んでるね!」と言ってあげれば、子供も「これは嬉しいことなんだ」と覚え、歯磨きに対する抵抗が少なくなるでしょう。ママ・パパが、人形に歯磨きをして見せてあげるのもよいですね。「さぁ、次は○○(子供)の番だよ!」と言ってから磨いてあげれば、自ら歯磨きをするかもしれません。
歯磨きを題材とした絵本を読んであげる
1歳半くらいになり、なんとなく言葉でコミュニケーションがとれるようになってきたら、絵本で読み聞かせるのも良いですね。歯磨きを題材とした絵本を読み聞かせて、歯磨きの大切さを絵と物語で伝えてみましょう。
口の中に歯ブラシを入れる練習を
ママ・パパが歌ったりにこにこしながら毎日短時間でも歯ブラシを口の中に入れる習慣をつけましょう。子供も楽しく感じて進んで歯を磨くかもしれません。
それでもダメなら……
もしかしたら子供が痛がる磨き方をしているかもしれません。歯科医院でチェックしてもらいましょう。
まとめ
赤ちゃんが歯磨きを嫌がると、ママ・パパは焦ってイライラしてしまうかもしれませんが、大切な我が子の歯を虫歯から守るため、磨き方を色々工夫してみましょう。
また、1歳半に受診する「1歳6ヶ月児健診」には歯科診査もあり、仕上げ磨きのチェックや指導もしてもらえます。[*3]
最近は、虫歯がなくても予防のために歯科医に通うことが一般的になってきました。歯の健康は子供のころが大事。一生、良い歯で過ごせるような道筋をつくってあげましょう。
※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビ子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.08.27)
※記事の修正を行いました(2019.06.07)