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水出しコーヒーのカフェイン量｜少ないのは本当？カフェイン量を調節するコツを紹介【管理栄養士監修】
水出しコーヒーは通常の淹れ方とは違って低温の水で淹れたアイスコーヒーですが、熱湯で淹れたコーヒーと比べてカフェインが少ないというのは本当でしょうか？ コーヒーのカフェイン量や1日の目安量、水出しコーヒーの淹れ方などをお伝えします。
水出しコーヒーのカフェイン量
水出しコーヒーはコールドブリュー、ダッチコーヒーなどとも呼ばれます。コーヒーのカフェイン量は抽出方法にも左右されますが、水出しコーヒーにはどれだけのカフェインが入っているのでしょうか？
コーヒーのカフェイン量は淹れ方などで異なる
一般的に、コーヒー（浸出液）100mlあたりのカフェイン含有量は60mgとされます［*1］（コーヒー粉末10gに熱湯150mlを注いで作った場合）。水出しコーヒーのカフェイン量に関しては一般的なデータがないため［*1］、熱湯で淹れた場合と比べてどうなのか、一概に言うことはできません。
コーヒーのカフェイン量を考えるときは、抽出時間や豆の量などによる違いに注目する必要があります。淹れ方でカフェイン量は変化すると考えられ、実際、缶コーヒーも商品によってカフェイン量はさまざまとなっています。そのため、水出しコーヒーにおいても、淹れ方でカフェイン量に違いが出ると想定できます。
水出しコーヒーのカフェインは少ない？
一般的に水出しコーヒーのカフェイン量は、熱湯で淹れたものよりも低いといわれていますが、どうなのでしょうか。
カフェインは温度が高い方が抽出量が多くなるといわれていますが、それを示すデータは乏しいのが現状です。温度とカフェイン量の関係以外に考えたいのは、抽出時間です。同じ抽出時間で比べると低温で淹れた方がカフェイン量が少なくなるかもしれませんが、実際には、水出しコーヒーはじっくり時間をかけて抽出することが多くなります。
熱湯でさっと数分程度ドリップする場合と、水出しで何時間も豆を浸しておく場合で、どちらの方がカフェインが多いのか一概に言えません。したがって、必ずしも水出しコーヒーならカフェインが少ないとは言い切れないでしょう。
もしカフェイン量を減らしたいのであれば、豆の量を少なくして抽出時間を短くするのがおすすめです。
カフェインの作用
コーヒーに含まれるカフェインを気にする人は多いかと思いますが、具体的にカフェインにはどのような作用があるのでしょうか。
過剰摂取による健康への影響
カフェインは頭が冴えるなどのメリットがありますが、一方でデメリットもあることが知られています。
カフェインを摂り過ぎた場合に、めまい、心拍数の増加、興奮や不安、震え、不眠などの症状や、下痢や吐き気、嘔吐などの症状が起こるリスクがあるとされています［*2］。カフェインに対する感受性は個人差があるので、どのくらい摂ると症状が出るということは言えませんが、カフェインの作用を受けやすいという場合には摂り過ぎないよう、注意できるとよいでしょう。
なお、過剰摂取が危険を及ぼす物質に関しては1日摂取許容量（ADI：Acceptable Daily Intake）という基準がありますが、カフェインは現在、日本でも海外においても、このADIは制定されていません。
妊娠中のカフェインのリスクは？
妊娠中にカフェインを過剰摂取した場合は、お伝えしたデメリットとは別の影響が生じる可能性があります。WHO（世界保健機構）では、1日300mg以上のカフェインを摂取している妊婦は、出生時の低体重、流産や死産のリスクが高まるおそれがあるとしています［*2］。水分補給のほとんどをコーヒーやお茶などで行うようなことは避け、飲み過ぎに気を付けましょう。また、エナジードリンクにはカフェインを多く含むものがあるので、特に注意が必要です。
なお、妊娠中のカフェインについて、詳しくは以下の記事で解説しています。
コーヒーは1日何杯まで飲める？
カフェインの過剰摂取のリスクを考慮し、アメリカ食品医薬品局（FDA）では、健康な大人の場合、摂取量が400mgまでならカフェインの悪影響はないとしています［*2］。水出しコーヒーのカフェイン量は基準値がないため、あくまで熱湯で淹れたコーヒーでの場合になりますが、600～700mlほどになります。150mlのカップなら約4.5杯です。水出しコーヒーの場合も、これが1つの目安になるでしょう。
水出しコーヒーの作り方
最後に、水出しコーヒーを自宅で作る場合の方法をご紹介します。
専用ボトル無しで作る方法
自宅にあるものを使って、お茶と同じ要領で水出しコーヒーを簡単に作ることができます。
材料
・お茶パック 1袋
・コーヒー豆を挽いた粉 50g
・水 1L
作り方
① お茶パックにコーヒー粉をいれて封をしておく
② ボトルなどに水をいれ、①のお茶パックをいれて冷蔵庫で半日～1日冷やしておく
専用ボトルを使ってもよし
早く作れることをコンセプトとした水出し専用のボトルもあります。圧力をかけたり、真空状態を作ることで早く抽出できるようです。そのような専用ボトルを買ってみるのも1つですね。
まとめ
一般的に水出しコーヒーはカフェイン量が少ないなどとも言われていますが、公的なデータはないため、浸水時間などの諸条件を踏まえると一概には言えないでしょう。もしカフェイン量が気になるというのであれば、水出しの抽出時間を少なくしたり、豆の量を少なくするといいかもしれませんね。
（文・監修：川口由美子 先生）
※画像はイメージです
※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます
