読書が苦手な小学生にすすめたい! 本のプロが選ぶ「初めての児童書」 #推し本教えてください!
出版社などで働く本のプロがテーマに沿ったおすすめの本を紹介! 季節やイベントを楽しめる本、子どもと読みたい本、育児に悩むママ・パパの心を軽くする本などなど、「今、読みたい本」が見つかるかも?
小学生に読んでほしい、初めての児童書4選
小学生の子どもたちは夏休み真っただ中 ! 時間がある今だからこそ、じっくりゆっくり本を読み進められるいい機会ですね。
今回は、「読書が苦手」という子や「初めてひとりで読む」という子におすすめな、小学生向けの児童書を集めました。お子さんがハマる一冊が見つかるかも!?
10分でおもしろい夏目漱石(ジュニア版 名作に強くなる!)(夏目漱石・著、新井悦子・編/世界文化社)
マンガと文で読むから、わかる! おもしろい!
小学校高学年~中学生向け・名作入門。
青春小説から幻想的なホラーまで、多彩な魅力をもつ夏目漱石の代表作7品を、1話10分で気軽に読み切れるように再編しました。
「坊っちゃん」「三四郎」は、物語のドキドキ・ワクワク感を盛り上げるマンガで楽しめます。
「吾輩は猫である」「こころ」「夢十夜」は、気軽に読み切れるように長編を短くまとめました。
名文と名高い「草枕」、平易で読みやすい「夢十夜」は、原文も交えてお届けします。
すべての漢字にふりがなをふって読みやすく、難しい言葉には解説がついています。
また、巻末には「読書感想文の書き方アドバイス」付き。
著者累計700万部を超える、作文の神様・樋口裕一先生が、読書感想文の書き方を丁寧に教えます。読書を通じて自分の気持ちを確かめたり、考えを深めたり、それを楽しみながら表現するお手伝いをします。
この本をおすすめしてくれたのは…
世界文化ブックス 児童書編集部 編集者
吉村文香さん
「坊っちゃん」「吾輩は猫である」など、タイトルは聞いたことがあるけど、実際に読むのはハードルが高いな……と感じている人におすすめの本です。読書が苦手だったり読書習慣がなくても、気軽に読み切れて、お気に入りの名作と出会えます。
夏目漱石は、読むたびに新しい発見がある名作をたくさん書いています。少しでも「おもしろいな」と感じる作品に出会えたら、ぜひいつか、原著にも挑戦してもらえたらうれしいです。
一年一組 せんせいあのね こどものつぶやきセレクション(鹿島和夫・選、ヨシタケシンスケ・絵/理論社)
鹿島和夫さんと鹿島さんが担任した小学校一年生たちとの、いわば交換日記であった「あのね帳」から、54篇のつぶやきをセレクトしています。
実に多種多様なこどもたちが、ひとつの空間に集まる……そんな小学校の教室という現場で、多弁な子からも緘黙の子からも、伝えたい気持ちを引き出した鹿島和夫さん。くすっと笑えるもの、じーんと胸をうつもの……こどもたちから生まれた生のことばは、実にふくよかでみずみずしく、熱をもって迫ってきます。
心ゆさぶるタッグを組んだ相手は、絵本作家・ヨシタケシンスケさんです。時に近くで一緒に笑い、時にそっと一緒に泣いている……そんなふうに、まるでもうひとりのクラスメートのように参加してくれました。
……今も、全国あちこちの教室で、新しい一年生の「せんせい、あのね」がうまれています。まるで、2023年2月に亡くなった、鹿島和夫さんに花をたむけるようにー
この本をおすすめしてくれたのは…
理論社 編集局 編集者
郷内厚子さん
毎日いろんな気持ちがうまれますよね。「わくわく」「どきどき」「うきうき」「むかむか」……この本のなかには、小学校一年生のいろんな気持ちがあります。
最初から最後まで読み通さなくたって、ぱっと開いたところの言葉たちを味わってみたっていいんです。「同じことを思った!」とうれしくなったり「思いつかなかったなあ!」と驚いたり……教室でとなりのおともだちのおしゃべりを聞くように、ページをめくってみませんか。
エルマーのぼうけん(ルース・スタイルス・ガネット・作、ルース・クリスマン・ガネット・絵、渡辺茂男・訳/福音館書店)
年取ったのらねこからどうぶつ島に囚われているりゅうの子どもの話を聞いたエルマーは、りゅうの子どもを助ける冒険の旅に出発します。どうぶつ島ではライオン、トラ、サイなど恐ろしい動物たちが待ちうけていました。エルマーは、知恵と勇気で出発前にリュックにつめた輪ゴムやチューインガム、歯ブラシをつかって、次々と動物たちをやりこめていきます。エルマーはりゅうの子どもを助け出すことができるのでしょうか? 日本語版刊行60周年を記念して、ハンディサイズの「ポケット版」も発売中です!
この本をおすすめしてくれたのは…
福音館書店 書籍編集部 童話 編集者
管野裕美さん
「自分で読んだ初めての本が『エルマーのぼうけん』」という方も多いのではないでしょうか(私もそうです)。60年前から愛され続けるロングセラーの本書は、主人公の男の子・エルマーが繰り広げるドキドキワクワクの大冒険物語です。時代を超え世界中のこどもたちに支持されていて面白さはお墨付き! 絵がたっぷり入っていて、初めてひとりで読む本としてもおススメです。「自分で本を読むことの楽しさ」を発見できる一冊。
今日からワクワクBOOK すみっコぐらしの お友だちとなかよくする方法(筑波大学教授 相川充・監修/主婦と生活社)
小学生がお友だちとなかよく過ごすための、たくさんのヒントを紹介する一冊。
「お友だちが私よりほかの人となかよくしている……」
「ひと前でもっと上手におしゃべり出来たらいいのに……」
「お友だちとけんかしちゃった。どうしよう」
「たくさんの人がいると、どうしていいかわからない」
学校生活でのお友だち関係って、どうすればいいか答えが見つからないと、悲しかったり、寂しくなったり、いろいろな気持ちがわいてきてモヤモヤしちゃいますよね。この本は、そんな「いろいろな気持ち」に合わせたアドバイスがたくさんのっています。心がチクっとしたり、しゅんとしたら手にとってみてください。きっとあなたの役に立つはずです。
この本をおすすめしてくれたのは…
主婦と生活社 販売部 イベント・プロモーション課
天田健さん
「お友だちと意見がちがったら?」「ないしょ話って悪いこと?」など、本書はテーマごとに読み切ることができます。漢字にはふりがながふってあるので、漢字が苦手で普段はあまり本をじっくり読む習慣のない小学3年生の私の子どもにも読みやすい一冊でした。親子で一緒に読んで本の内容について話し合うことで、日頃の子どもの学校生活を知るきっかけにもなると思います。
親子で読めばもっと読書が楽しくなる!
日本や海外の名作のほか、親である私たちにとって子育てのヒントにもなりそうな4冊の児童書をご紹介しました。これを機会に親子で一緒に読んで、お互いに感想を伝えあってみるのもおもしろそう! もしかしたら、子どもの新しい一面が見つかるかもしれませんね。
(寄稿協力:世界文化社、理論社、福音館書店、主婦と生活社/掲載協力:大日本印刷/マイナビ子育て編集部)