「舞茸には消費期限がない」って本当？ 日持ちの目安と保存方法のコツを解説

舞茸には消費期限や賞味期限が記載されていません。これは、舞茸が生鮮食品に分類され、食品表示法においてこれらの表示義務がないためです。

消費期限とは、適切な保存方法の環境下で管理された食品を安全に食べることができる日時のこと。比較的早く消費しなければならない食品に設定され、その日時を超過した場合、安全性は保証されません。

一方、消費期限と混同されやすいのが「賞味期限」。比較的日持ちのする食品に設定されます。品質が保たれたままおいしく食べられる期限を意味するため、賞味期限が切れてもすぐに食べられなくなるわけではありません。

舞茸は、トマトやキャベツなどと同様に生野菜として扱われます。生野菜をはじめとする生鮮食品には、消費期限や賞味期限を表示する義務がありません。そのため、舞茸にも消費期限は設定されません。

現在では1年中スーパーで手に入る舞茸ですが、天然の舞茸が採れるのは北海道や東北などの寒い地域の深山で、旬は9月下旬から10月下旬となります。そのため、舞茸の保管に最適な温度は5℃程度。常温の保存は難しく、野菜室ではなく冷蔵室に入れたうえで、できる限り早く食べましょう。

舞茸の消費期限は、冷蔵保存した場合でも3日～5日程度と短めです。水分の多い舞茸は、気温の上がる夏場に1日外に出していただけでも傷むことがあります。買い物から帰ったら、すぐに冷蔵庫に入れましょう。

いつ収穫されたかによっても日持ちが変わるので、長持ちさせたい場合には、なるべく新鮮なものを選ぶのがオススメです。カサの色が濃いのに対して軸は白く、またパッケージに水滴がついていないものが新鮮な舞茸となります。

消費期限のない舞茸は、食べられるかどうか各々での判断が必要です。ここでは、傷んだ舞茸の見た目やにおいなどの変化を解説します。自己判断するときの参考にしてください。

収穫後、長く時間がたった舞茸は、乾燥が進んでもろくなります。触ると崩れるほど乾燥した舞茸は、風味も食感も落ちていることが多いです。劣化も進んでいるので、食べないことをオススメします。

舞茸のにおいが酸味を帯びてきたら、傷んでいる証拠なので注意が必要です。腐った舞茸は、においだけでなく味もすっぱく変わります。食べてみて味に違和感を感じるときも、すぐに捨てましょう。

カビが生えた舞茸は、食べることができません。また、表面を触ってみて、水っぽくぬめりが出ている場合にも、腐って溶けはじめていると考えられます。感触が変わったと感じたら、食べずに破棄しましょう。

舞茸には、白い綿のようなものが発生することがあります。カビのように見えますが、これは「気中菌糸」と呼ばれるきのこ類が自然と生み出す菌糸で、舞茸の一部なので食べても問題ありません。

見た目が気になるようであれば、キッチンペーパーなどで拭き取りましょう。

カビと見分けにくい場合には、においもチェックして判断してください。

傷みやすい舞茸も、保存方法を工夫すると少し日持ちがよくなります。ここでは、日持ちをよくし、早く傷ませないための保存方法をご紹介します。

舞茸は常温だとすぐに傷んでしまうので、冷蔵保存が基本です。水分が多く、乾燥が苦手な舞茸は、冷蔵室に入れるときにはパックから取り出し、キッチンペーパーや新聞紙などで包むことをオススメします。舞茸を包んでから冷蔵室に入れることで、結露や乾燥を予防できます。

また、舞茸は水にも弱いので、洗わずにそのまま保存しましょう。

舞茸は新鮮なうちに冷凍保存すると、1ヶ月ほど日持ちします。使いやすいように切り分けてからフリーザーバッグなどに入れ、急速冷凍しましょう。包丁で切ると傷みやすくなるので、手で細かくちぎるのがオススメです。

凍った舞茸は、解凍せずにそのまま料理に投入できます。きのこ類は、冷凍するとうまみが増すのもうれしいポイントです。

舞茸は、天日に干して乾燥させると日持ちがよくなります。切り分けた舞茸をざるなどに並べて、1〜3日間ほど干しましょう。乾燥したら、袋などに入れて冷蔵庫で保存します。干し椎茸を戻すときのように、使うときには一晩程度水に浸して戻してください。

舞茸は天日干しするとうまみも栄養価もアップするので、時間があるときにぜひ試してみてください。

昔から「舞うほどうまい」と言われてきた舞茸。栄養価が高く、食物繊維が豊富で腸内環境も整えてくれます。

舞茸特有の芳醇な香りとうまみを堪能できるレシピといえば「まいたけご飯」。おにぎりにしてもおいしいですよ。

材料（3合分）
・まいたけ……100～150g
・米……3合
・ツナ缶……1缶
・塩こんぶ……35g
・油揚げ……1枚
・にんじん……80g
・ごぼう……50g
・水……適量

作り方
① 米を研いでメモリを合わせた水（分量外）を注ぎ、30分浸水させる。
② まいたけは大きめに割き、油揚げは熱湯をかけて油抜きしてから短冊切り、にんじんはいちょう切り、ごぼうはささがきにしてから水にさらしてアク抜きする。
③ 炊く前に塩こんぶを加えて軽く混ぜる。
④ ②の具材とツナ（油ごと）を上に広げる。
⑤ 通常炊き、または炊き込みご飯の設定にして炊く。
⑥ 蒸らし終わったら全体をサックリ混ぜる。

舞茸に消費期限が記載されていないのは、消費期限や賞味期限を表示する必要のない生鮮食品として扱われるためです。舞茸の日持ちは短く、冷蔵庫に入れて保存しても3〜5日程度です。長く保存したければ、冷凍したり乾燥させる方法も検討しましょう。