共働き夫婦 共働き夫婦
掲載
2026年09月01日 10:01

「休みだけど、休んだらダメ」先輩ママからの叱咤激励。復職後はAIも味方につけながら、両立に奮闘!#男性育休、取ったらどうなった?

育児休業を経験し、子育てに奮闘している当人の声を聞いていくインタビュー連載・「男性育休取ったらどうなった?」。今回は、建設現場の足場材開発やレンタル事業などを展開する企業の営業畑で、中間管理職を務めているパパの登場です!

パパが1ヶ月の育休を取得した長田ファミリー

今回のパパ
長田 翔さん(仮名)/33歳/株式会社タカミヤ 営業第二課長

●ご家族
妻:歩美さん/33歳/会社員
長男:悠太くん/1歳2カ月
※ご本人とご家族のお名前は仮名です。

●長田家のパパ育休
2025年7月〜8月の約1ヶ月半の間、妻の里帰り終了と新居への引っ越しタイミングに合わせて取得。現在は夫婦でフルタイム勤務を行いながら、効率的な家事・育児体制を構築中。

長田家の育休中のタイムスケジュール


長田さんのユーモアたっぷりのアンケートの回答をもとに作成しました!

■環境が激変。「取るなら、このタイミングしかない!」

── 長田さんが育児休業を取得しようと決めたきっかけを教えてください。

長田さん 最大のきっかけは、生活環境がガラリと変わることでした。当時、実は引っ越しも予定していて……。妻が実家での里帰り期間を終えて、息子と戻ってくるタイミングに合わせて、新居へ引越して3人での新生活をスタートさせることになっていたんです。
里帰りからの復帰、新しい家での生活、そして初めての新生児の子育て……。これだけの変化が一度に押し寄せるわけですから、妻一人でこなすのはどう考えても大変です。「この状況を夫婦で乗り切るには、育休を取るしかない!」と決断しました。

── パートナーの歩美さんの反応はいかがでしたか?

長田さん 妻は元々私のことを「仕事に没頭している人」と思っていたようで(笑)、私が「育休を取るよ」と言ったときは、「えっ、取れるの!?」とすごく驚かれましたね。

── 会社や周囲の反応はどうでしたか?

長田さん  弊社の男性育休取得者数は、2023年3月期は1名、2024年3月期には5名、2025年3月期には11名と、年々着実に増えています。ただ、上司も含めて会社側は妻と同様に私のことを「仕事第一の人間」だと思っていたようです。最初は育休を取得すること自体に、とても驚かれました。
もちろん反対されたわけではないですし、周囲の反応も「いいね!」と応援してくれる温かい声がほとんどでした。特に同僚の女性社員や、お子さんのいるママさん社員からは賛同とともに、「お休みだけど、休んだらダメよ!」という愛のある叱咤激励をいただきました(笑)。先輩ママさんの言葉の中には「自分たちのときも(夫に)取得して欲しかった」という想いも感じられ、身が引き締まる思いでしたね。

「育休中の一コマ。一生懸命息子をあやしています!」(長田さん)

■自分が不在でも回る仕組み作りが大事

── 課長という中間管理職の立場で1ヶ月職場を離れることへ、不安はありませんでしたか?

長田さん ゼロではありませんでしたが、「まあ、何とかなるだろう」と楽観的に考えていました。今の時代、育休を取ったからといってプラス評価やマイナス評価になるなんて議論自体がナンセンスですから。
むしろ、私が1ヶ月休んだくらいで現場の業務に大きな支障が出るようでは、仕事が特定の人に依存する「属人化」が起きている証拠です。自分の不在をきっかけに業務の棚卸しを行い、部下たちが自主的に判断して成長するチャンスにしてもらえたら良いなという、前向きな逆転の発想で捉えていました。

── 具体的にはどのような業務調整を行われたのでしょうか。

長田さん  私は課長職として5〜6名の部下をまとめる立場ですが、プレイヤーとして直接担当する顧客もあります。そのため、自身が担当する案件は事前に部下へ引き継ぎ、「私が不在の間はこの担当者に連絡してください」とお客さまへ案内しました。
また、普段やり取りの多い関連部署には、事前に「育休を1ヶ月いただくので、それまでに私の方で準備しておくべきことはありますか?」と自らヒアリングを実施しました。社内の事務処理やワークフローに関しても、休みの間に起こりそうな出来事を予測し、「こういう事態になったらこう進めてください」とそれぞれのメンバーに情報共有をしました。

「育児に便利だったコンビのベビーラック。移動が可能で角度調整もでき、テーブルをつけて机としても使用できるため、お風呂上がりに重宝したほか非常に万能でした」(長田さん)

■引っ越しと新生児育児で大忙し!

── 実際に育休に入られてからの1ヶ月間は、どのように過ごされましたか?

長田さん 育休最初の土日がいきなり引っ越し作業だったので、とにかく怒涛の日々でした。私が夫婦で暮らしていた部屋の荷造り・片付けを猛スピードで進めつつ、新居で妻と赤ちゃんを迎える準備を整えました。そのため、育休の前半は育児と並行して「家具の組み立てや荷ほどきで生活環境を整える」という重労働に追われていましたね。

── 育児の面での役割分担や、大変だったエピソードはありますか?

長田さん 我が家は母乳とミルクの「混合栄養」で育てていたので、ミルク作りや授乳後のケアは私が率先して担当していました。ただ、我が家の小さな“社長”(息子)はなかなかグルメでして……。時々「今は母乳がいい!」とミルクを途中キャンセルすることがあるんです(笑)。そういうときばかりは父親の私ではどうにも手が出せないので、ママにバトンタッチしていました。
夫婦の役割としては、ママにしかできない母乳対応など以外で、ミルク、おむつ替え、着替え、お風呂といった「どちらでも対応できるタスク」を私自身が1つずつマスターし、一人でこなせるようになることを常に意識していましたね。

「1歳になって歩けるようになり、あちこち動き回っています。ニコニコしながら周りに愛想を振りまき、手を振って街中を闊歩しています」(長田さん)

■夫婦のチームワークとAIのフル活用で乗り切るフルタイム共働き

── 現在は夫婦ともにフルタイムで復職されているそうですが、両立の工夫を教えてください。

長田さん 息子が0歳児クラスで保育園に入園してからは、朝と夕方で明確に役割を分担しています。
朝は妻が先に家を出るため、基本的に私と息子の1対1です。朝食を食べさせ、自分の出勤準備をし、洗濯物を干し、着替えさせて徒歩で保育園へ送っていきます。一方、夕方の保育園のお迎えは妻が担当し、夕食などの準備を進めてくれます。私が19時半〜20時頃に帰宅したら、すぐに息子と一緒にお風呂に入り、そのまま寝かしつけへ繋ぐ流れです。

── 平日の家事をスムーズにするために、工夫していることはありますか?

長田さん 平日の夜に「今から何を作ろう?」とメニューを考えるストレスをゼロにするため、週末に買い物して、まとめて作り置き料理を仕込んでいます。

── 料理はもともとされていたんですか?

長田さん いいえ。そんなにしないタイプだったので、出産前よりも育休中よりも今がいちばんできるように料理の腕が上がったと思います(笑)。

──素晴らしい! でも、作り置きってメニューをいくつも考えるのが大変ですよね。

長田さん ChatGPTに家にある食材を伝えて、おすすめレシピを聞きながら作っているので、そこまでの苦労は感じていません。AIを使えば料理が得意でない人でも簡単に献立が作れますし、やる気さえあれば何とかなります!
おかげで平日の夜は、レンジでチンするだけのカレーや副菜、サラダなどをサッと出すだけにしているので、夕食の準備や片付けに時間を取られず、家族の時間をしっかり確保できています。他にも、ロボット掃除機なども活用していますね。今年の春に妻が復職して数ヶ月ですが、その都度大変な状況を乗り越えながら、やっとルーティンが確立されてきた感じです。以前より帰宅時間も固定化されるようになったので、メリハリをつけて業務に取り組めています。

「ディズニーシーの周年イベントに参加! 息子は乗れるアトラクションには一緒に乗りましたが、基本的には爆睡でした」(長田さん)

■幼少期の子どもと一緒に過ごす時間は何より価値がある

── ご夫婦で家事や育児の分担について衝突することはありますか?

長田さん 衝突というか、妻から意見や不満を聞くことはありますね。妻は「お互いにフルタイムで働いている以上、家事も育児も対等であるべきだ」というポリシーを持っています。もちろん人によって得意・不得意はありますが、妻任せにせず「できること・やろうとすることを必ず増やしていく」という姿勢を求められるんです。
この一年、妻の指導のおかげで、自分ができる家事や育児の幅がかなり広がりました。基本的に妻のほうがよく気づいて動いてくれるので、私から反論できることなんてありません(笑)。すべて自分の成長の機会だと捉えて、日々いろんなことにチャレンジしています。

── 最後に、これから出産や育休を迎えるパパたちへメッセージをお願いします。

長田さん  育児の難しさや厳しさ、そして何より子どもへの愛おしさを、身をもって実感できる本当に素晴らしい機会だと思います。
一般的に、生涯の中で親が子どもと直接一緒に過ごせる時間は、子どもの幼少期で約90%以上を占め、あっという間に過ぎ去ってしまうものだそうです。
仕事やお金ももちろん大切ですが、子どもと過ごす時間やそこで生まれるかけがえのない思い出は、まさに“プライスレス”です。期間の長短にかかわらず、取得してデメリットになることは絶対にありません。ぜひ前のめりに、勇気を持って育休の取得を検討してみてください!

(取材・文:江原めぐみ、イラスト:ぺぷり)

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-